「結婚詐欺」という犯罪がある。
私はこの犯罪の本質を、「結婚の実現を期待させ、相手のリソース(資産)を巻き上げる行為」と独断解釈している。
結婚詐欺に遭って巻き上げられるリソースは、甚大かつ広範だ。
なぜなら、金銭に加え、結婚の決心と準備に要した時間/労力/気力まで含まれるからだ。
結婚詐欺に遭った方が事後長きに渡って生ける屍となるのは、おおよそ拝察できる。
過去何度か吐露しているように、私には離婚暦がある。
私は離婚の本質を、「結婚することで期待した合理的及び非合理的利益の獲得を断念し、消費リソースと逸失利益を応分清算する行為」と独断解釈している。
離婚における「消費リソースと逸失利益の応分清算」は、概して難航する。
なぜなら、夫婦共に、被害者を自認し(→相手を加害者と認識し)、リソースが「いたずらに巻き上げられかねない感」を覚えるからだ。
かつて自分が調停に出向く度に折苛立ちと喪失感を覚えていたのは、多分このためだ。
かくいう私は、今こう考えた。
「離婚も、結婚詐欺と同様、詐欺なのかもしれない」と。
なぜなら、離婚も結婚詐欺も、「相手の期待を反故(ほご)にし、リソースを巻き上げる」という意味において等しいからだ。
さらに私は、こう考えた。
「詐欺は日常化しているのかもしれない」と。
なぜなら、以下の事象は、先の意味において等しく、かつ、日常化しているからだ。
【1】親に大学へ入れてもらったものの、学問だけでなく何に対しても注力しない子供。
【2】自分のノルマ達成を優先し、"その"お客さまにとっての効用/便益が怪しい商品を平然と売りつける営業マン。
【3】「給料泥棒」の社員。
【4】「成果/実力主義」を標榜しつつ、ノンワーキング・リッチを社内で遊ばせている経営者。
【5】総裁と政策がコロコロ変わる政治団体。
【6】写真と実物が別人のキャバクラ。(笑)
かつて北野武さんは、ツービート時代こうおっしゃった。
「赤信号。みんなで渡れば怖くない」と。(笑)
これは、「人は、守るべきルールやモラルを、マジョリティに依存する」旨の不変の真理を明示したブラックジョークだが、今は正に、「詐欺行為。みんなでやれば怖くない」だ。
結果私は、こう考えた。
「昨今激増している振り込め詐欺の元凶の一つは、詐欺の日常化にあるのではないか」と。
「今他者から金銭を巻き上げる手段/方法として殺傷を選択するのは、モラル的にハードルが高いものの、詐欺を選択するのは、モラル的にハードルが低いのではないか」と。
過日、「職業"詐欺"〜増殖する若者犯罪グループ(※2009年2月9日/NHK)」なるテレビ番組を見終えた直後のことだ。 続きを読む