2007年01月29日

民放テレビ局の情報ねつ造事件の再発を防止する解決の方向性について考えるの巻

d6fcfb15.jpg「あるある大事典・納豆ダイエット成功データ捏造事件」が公になって一週間が経過した。
昨日は、行きつけのスーパーで、約20日ぶりに納豆をゲットすることができた。
これは、長年の納豆ファンの私にとって、とても嬉しいことだったりする。(笑)

だが、この事件は、当分収束しなさそうだ。
というのも、依然として多くの方がコメントし続けているからだ。

コメントの中には、今回の事件の原因を分析し、解決の方向性を提示しているものもある。
それらは様々な視点から論じられているものの、以下のように集約できるような気がする。
【原因】
1.関西テレビの社員に、「中立な視点に基いて事実を報道する」という報道倫理が欠けていたから。
2.報道倫理を著しく欠いた番組の制作を抑止するに足る監督行政のペナルティが無かったから。

【解決の方向性】
1.関西テレビの経営者が、社員に、上述の報道倫理を持たせる。
2.監督行政が、報道倫理を著しく欠いた番組の制作を抑止し得る、厳しいペナルティを設ける。

甚だ恐縮だが、私は、これらの内容に同意はできるが、これらだけでは問題の抜本解決&同様事件の再発抑止にはならない、と考える。

その理由を述べる前に、まず、関西テレビに限らず、民放テレビ局の番組制作意思決定権者は、どのような判断をした時に情報ねつ造の実行を意思決定するのか、経済合理性の観点から考えてみたい。

私は、民放テレビ局の番組制作意思決定権者が情報ねつ造の実行を意思決定する際、無意識か有意識かは別として、以下の1から3の3つのパターンのどれに該当するか、予め判断している、と考える。

1.(A)−(B) > (C)+(D)
2.(A)−(B) = (C)+(D)
3.(A)−(B) < (C)+(D)

(A):情報ねつ造によって得られる利益⇒<例>視聴率の上昇による番組価格の上昇、特定企業の売上拡大による特定企業との再取引
(B):情報ねつ造が発覚した際に被る損失⇒<例>ブランド資産の減少、監督行政のペナルティ
(C):情報ねつ造の実行に要するコスト⇒<例>でっち上げデータの作成コスト
(D):情報ねつ造の実行によって失う資産⇒<例>でっち上げデータの作成を拒否した社員の退職

そして、彼らが、情報ねつ造の実行を意思決定するのは、1に該当すると判断した時である、と考える。
なぜならば、2や3に該当する場合、情報ねつ造が、経済合理性の点で見合わないからだ。

民放テレビ局は、収益の拡大(利潤の追求)を旨とする営利企業だ。
資本主義社会における営利企業は、経済合理性を最大の判断基準とし、法を犯さない範囲で、収益が拡大し得る行動を選択&実行するものだ。
番組制作意思決定権者が、情報ねつ造の実行を1に該当すると判断した際意思決定してしまうのも、無理は無い。

次に、冒頭に掲載した【解決の方向性】が問題の抜本解決&同様事件の再発防止を果たせるか、考えてみたい。

問題の抜本解決&同様事件の再発防止を果たす【解決の方向性】というのは、民放テレビ局の番組制作意思決定権者に、「情報ねつ造の実行は1に該当しない」と判断せしめるものだ。
【解決の方向性】の1は、(C)と(D)の額の増加を促すものの、(B)が限定的である上に、現状では(A)がかなりの額であるため、彼らに「情報ねつ造の実行は1に該当しない」と判断せしめることはできない。
【解決の方向性】の2は、(B)の額の増加を促すもの、民放テレビ局と政治家は利害を同一にする関係にあり、増加の範囲は知れているため、彼らに「情報ねつ造の実行は1に該当しない」と判断せしめることはできない。
以上の理由により、私は、冒頭に掲載した【解決の方向性】では、問題の抜本解決&同様事件の再発防止を果たせない、と考える。

では、この問題の抜本解決&同様事件の再発抑止を果たす【解決の方向性】はないのか?
いや、少なくともひとつある。
それは以下の3だ。

【原因】
3.視聴者が、自分の頭で物事を考えず、権威&他者の思考(アイデア)を鵜呑みにし(てき)たから。

【解決の方向性】
3.視聴者が、権威&他者の思考(アイデア)を、結論のみならず、結論を導き出した過程を含めて、一旦自らの頭で評価&検証し、適切に取捨選択する。

【解決の方向性】の3は、(A)の額の極小化を促し、番組制作意思決定権者に、(C)と(D)を足した額が経済合理性の点で見合わない感を与え、「情報ねつ造の実行は1に該当しない」と判断せしめることができる。

たしかに、この3は、権威や他者の思考に依存し切っている我々日本人にとって、かなりの困難事だ。
自分自身はもちろん、周囲を見て欲しい。
「○○先生が言ってたから・・・」、「○○部長が言ってたから・・・」、「これまでずっとそうやるよう言われてきたから」、「△△(※競合企業名)がやっているから・・・」、「□□新聞に書いてあったから・・・」、「一兆円企業の◇◇の会長が良いとおっしゃっていることだから・・・」(笑)、といった合理的な根拠の無い理由で、自らの思考停止状態を看過し、権威や他者の思考(アイデア)を、それも過程は無視して結果だけを、安直に受け入れている人が相当数居ることに気づくはずだ。

しかしながら、この困難事は、十分克服が可能だ。
なぜならば、「自らの頭で物事を考えない」&「権威&他者の思考(アイデア)を鵜呑みにする」という習慣を、「自らの頭で物事を考える」&「権威&他者の思考(アイデア)を結果だけでなく過程を含めて検証&評価する」習慣へ変えられるよう、視聴者である我々がセルフコントロールすればいいだけだからだ。

これができない人は、同様の事件が発生しても、それを咎めてはいけない。
また、自分がその事件の加害者であることも、認識しなければいけない。

だいたい、自分の頭でよく考えてみればわかるはずだ。
一日に納豆を二個、食前20分前によくかき混ぜて食べただけで、何十キロも痩せるはずがないことを。
もしこの行為だけで何十キロ痩せるのであれば、納豆をよく召し上がる茨城県にお住まいの方は、みなさんスリムな体型をしておられることになってしまうではないか。(笑)



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ついにというか、あるあるの納豆ダイエット捏造問題が 政界へ波及しているそうです。 ある意味当然というか、ちょっと遅すぎではないでしょうか? 報道の信頼性を揺るがす問題ですから、 もっと迅速に調査結果の提出を求める働きかけが あっても良かったのでは?と思いま....
あるある納豆問題 政界へ波及【岩盤浴情報局@目指せ健康デトックス】at 2007年01月31日 21:48
この記事へのコメント
5
ボクは上手く文章で説明出来ませんが、堀さんの記事を読んで、まさにその通りだと思いました。
ねつ造は民放局だけの問題ではありませんが、こういった報道によって、一番被害をこうむるのは、視聴者です。
番組作成者たちも、家に帰れば、一視聴者に変わりないのです。
そういう所を根底に、きちんとした番組を作って欲しいですネ。

山口県の田舎でも、納豆が無くなってましたよ(苦笑)。
ボクは、スーパーの納豆が無くなってるのを見て、その後、あるあるの事を知ったんですけどネ。

∠(`・ω・´)敬礼!。
Posted by やたすけ at 2007年01月29日 23:15
先日お会いしたときに、ちょうど納豆の話したところでしたね。
それでここ数日になって納豆の話題が吹き出したものだから、絶対いつか何かしらのアクションがHoriさんからあると思って、首を長くして待っていたところです。(笑)

ところで、賢明なここの読者である私たちはともかく、あるあるや、おも○っきりの視聴者の多くは女性であり、特に前者は20代〜40代、後者は30代以降がメインですよね。
そして、こういう情報番組を鵜呑みにして行動する多くも、やはり女性ではないかと思います。
こういう人たちはいかに論理的に組み立ててわかりやすく説明しても、ふ〜んで終わる可能性が高く、特に自分たちにとって直接的に有益な情報しか(それがたとえ嘘であっても)耳にしか入らないのではないかと思います。
Posted by ヤッシー at 2007年01月30日 00:36
実はこういった人たちの考えを改めさせることが、偽造番組を作らせないことよりも、難しいことなのではないでしょうか?(苦笑)
いわゆる都会のOLさん達は若い頃から、テレビで取り上げられたお店や、ブームになる物をありがたがり自分の舌、感性で判断しない、また田舎は田舎で大きくて新しい物ができるとどかっと群がって某世界的コーヒーショップの世界一の売り上げを記録してしまったり、、、、、、

あぁ、書いていてむなしくなってきました。
これが日本人なのかなぁと。確かに歴史をひもとけば江戸時代のかわら版も現代で言えばワイドショーですもんね。

まぁ、こうならないように兜の緒を締めよ。ということでしょうね。
松田優作になるためには日々の努力が必要で、納豆食べてそうはなれないよって事ですね。(笑)
Posted by ヤッシー at 2007年01月30日 00:39
そうですよね〜
一番肝心なことが「3.」ですよ!
というか、日本人はもともとそういった知恵に長けていたはずですが、某帝国とその申し子たるD社主導の「1億総バカ化計画」によって、どんどん自分で判断できない国民にされてしまっているのです。
日本を離れて実感しましたが、日本のテレビのむごたらしい放送の数々。テレビつければ
・お笑い
・グルメ
・バラバラ殺人等の凶悪事件報道
ばかり。これはすべて1億総バカ化計画に則って粛々と進められているのです。そしてこのタイプの「情報番組」もそう。単なる誘導マーケティングの手段となってしまっているわけです。
<<つづく>>
Posted by GIN at 2007年01月30日 18:42
ただこれはもう我々のコントロールできる次元ではありません。世界を動かすいわゆる「エスタブリッシュメント」たちが「日本人は賢すぎる。それにまたいつ牙をむくかも知れないから、牙は抜いておこう」ということで進められているからです。民衆はバカなぐらいが制御しやすいのです。

ですので、一番いいことはテレビを見ないこと。自分の五感+第六感で判断下さい。また、世間一般の人にそうなるように期待するのは無理でしょう。彼らの計画は、そんな生やさしいモンじゃありません。

「賞味期限」、これだって表向きは企業がどこまで責任を取るか、ということですが、本来の目的は舌で判断することを放棄させる為の戦略である、とも考えられます。
Posted by GIN at 2007年01月30日 18:44
ではなんで今回はバレたのか?いや、バラされたのか?

単に度が過ぎただけなのか。それともエスタブリッシュメントの中にも「やりすぎはまずいだろう」と考える人がいるのか。
それともこの番組のキー局がD社の意向に沿わないことを何かしようとした見せしめなのか。それとも他の理由なのか。

この答えが出るには、もうちょっと時間が必要でしょうね。

洋菓子のF家だって某国系証券会社が11月の時点で(内部で期限切れ材料使用が発覚したあと)株式大量保有リストに上がったようですし。。。Y印の時のようにあまり下がらないので買い戻しのタイミングがつかめず、やきもきしているでしょうが。
Posted by GIN at 2007年01月30日 19:02
やたすけさん

> 堀さんの記事を読んで、まさにその通りだと思いました。
やたすけさんからお墨付きを頂戴でき、光栄かつ嬉しく思います。
お心遣いをありがとうございます。(礼)
Posted by at 2007年01月30日 21:05
ヤッシーさん(その1)

> こういった人たちの考えを改めさせることが、偽造番組を作らせないことよりも、難しいことなのではないでしょうか?(苦笑)

ヤッシーさんがおっしゃるところの「こういった人」がたくさん居る限り、情報ねつ造番組は、形を変えて作られ続けると思います。
なぜならば、情報ねつ造番組を作ることは、営利企業である民放テレビに、大きな収益を高確率でもたらすからです。
(※以下へ続きます。)
Posted by at 2007年01月30日 21:06
ヤッシーさん(その2)

また、誠に恐縮ですが、私は、「こういった人」に対して他者が、権威や他者の思考を鵜呑みにするのはダメで、一旦咀嚼しなければいけないと「考えを改めさせること」には同意しかねます。
なぜならば、「考えを改めさせる」という行為には、本人の納得性を引き出すことを勘案せず、特定他者の思考に依存するよう促す意味合いがあるからです。
(※以下へ続きます。)
Posted by at 2007年01月30日 21:07
ヤッシーさん(その3)

たしかに、マスメディアの情報を鵜呑みにするのは、男性よりも女性の方が多いかもしれません。
が、それは、生活行動の違いに拠るところが大きく、性差に拠るところは少ないような気がします。
私自身、松田優作に憧れ、かれこれ数十年毎朝腹筋運動をしているのも、ある意味マスメディアの情報を鵜呑みにしている、と言えなくもありません。(笑)
(※以下へ続きます。)
Posted by at 2007年01月30日 21:09
ヤッシーさん(その4)

合理的な根拠を欠く私見ですが、一般的に、男性は、自らに関するほぼ全ての物事に対して、各々の過程と結果を相応のコストを支払って検証する傾向がある一方、女性は、自らにとって本当に大事な物事に対してのみ、多くのコストを支払って検証し、その他の物事は、コストの支払いをセーブし、鵜呑みにする傾向があるような気がします。
だから、男性は、車やパソコンの購入にも結婚の決断と同程度のエネルギーを投入し、女性は、車やパソコンの購入には殆どエネルギーを投入しない代わりに、結婚の決断には莫大なエネルギーを投入するような気がします。(笑)
(※おわり)
Posted by at 2007年01月30日 21:14
GINさん

参考になるご意見&情報(?・笑)をありがとうございます。(礼)
私は、外部(=社会及び他者)を変えるだけの力はありませんが、内部(=自分自身)を変えるだけの力はマズマズある、と認識しています。
「考えが足りなかったかな・・・」との自責&後悔の念を抱かないよう、いや、少なくとも、他者に迷惑をかけないよう(=情報ねつ造事件の加害者にならないよう)、自分の頭で物事を考え抜きたい、と考えています。
とはいえ、まだ発展途上人ゆえ、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。(礼)
Posted by at 2007年01月30日 21:18