2007年03月05日

矢沢歯科医院へ行って、相手の人格や資質に心底関心を寄せる意義を再認識するの巻

fb19f9a4.JPGビジネスに限らず、人がこの世でうまくやっていくには、他者に受け入れてもらうことが欠かせない。
他者に受け入れてもらえない人は、いかに優れた、いかに有用な考えやソリューションを持っていても、社会にとっては、悲しいかな、居ないのと同義だ。

では、他者に受け入れてもらうには、どのようなアプローチをすればいいのか?
それは、主に二つある。

ひとつ目のアプローチは、アプローチする相手の利益を合理的&直接的に担保するものだ。
例えるなら、「あなたが私の考えを実践すると、▲▲というリスクはありますが、それを補ってあまりある■■というベネフィット(いいこと)が得られる可能性が大ですよ!」といったものだ。
自分の利益を合理的&直接的に担保するアプローチを無碍にする人は居ない。
アプローチする相手の現状、不満、問題点、ニーズを少なからず把握している場合は、是非とも実行したいアプローチだ。

ふたつ目のアプローチは、アプローチする相手の人格や資質に関心を寄せるものだ。
例えるなら、「○○さんはいつもいいスーツを着ていますが、お若い頃から人前では気を遣う方だったんでしょうね。」といったものだ。
自分の人格や資質に関心を示すアプローチを無碍にする人は居ない。
アプローチする相手の人格や資質に心底関心を寄せている場合は、是非とも実行したいアプローチだ。

実行場面が異なるため、両者の効果に優劣を付けることは難しい。
が、敢えて言えば、【ふたつ目 > ひとつ目】のような気がする。
なぜならば、人は、つまるところ、実利よりも感情に基づいて行動する生き物だからだ。

今日、私は、ふとした出来事で、この考えがあながち誤りではない、と感じた。
そのふとした出来事とは、以下の通りだ。




過日、健康診断を受け、歯科医に歯垢&歯石を除去するよう勧められた私は、歯科医院へ行くことにした。
私は、あいにく、頭は悪いものの歯だけは良く(笑)、行きつけの歯科医院が無かった。
ついては、生前母が通院していた、同じ町内の矢沢歯科医院へ行くことにした。
ウン十年ぶりに受ける診察は想像以上に快適で、診察内容の説明も申し分なかった。
診察を終え、会計を済ませた直後のこと。
受付担当者さんが、次のように話しかけてきた。
「堀さんは、山に登られるんですか?」
想定外の質問に私は驚いた。
私は、次にように受付担当者さんと会話を交わした。

堀:いえ、山には登らないですね。ちなみに、なぜ、そう思ったのですか?
受:堀さんのリュック、ホグロフスのですよね。だから、そう思ったんです。
堀:なんと、よくご覧になって(驚)。そうなんですよね、ホグロフスは山登りによく使われるんですよね。
受:ですよね。
堀:ホグロフスのリュックを使っているのは、単に自転車で移動することが多いからなんです(笑)。
受:そうなんですか。私は、てっきり、山に登られるのだと思っちゃいました(笑)。「すごいなぁ、山に登れるなんて!」って(笑)。
堀:登れたらいいですよね。いや、私、実は経営コンサルティング会社を経営しています(と言って名刺を差し出す)。
受:まあ、それはすごい。
堀:いえ、それほどでも・・。で、このHPはブログになっていて、何々を買っただとか、メガマックを食べた、みたいな記事を書いてます。
受:そうなんですか。メガマック、私はまだ食べていないんですが、食べられたんですかぁ?
堀:はい。実は昨日も。
受:まあ(笑)。
堀:あれは期間限定販売で、昨日が最終販売日だったんです。だから、小腹が空いたので、つい(笑)。
受:美味しかったですか?
堀:マックなので、マズマズってところですよ。ただ、カロリーが高いから、私はトシなので、胃が少しもたれました(笑)。
受:そんなトシだなんて。まだまだお若いですよ。
堀:いえいえ。そうそう、だから、そんな雑多な記事を書いていますので、お暇な時にでも、よかったら読んでみてください。
受:はい。
堀:今日も、お世話になりました。では、失礼します。




以上をお読みいただければ、なぜ私が【ふたつ目 > ひとつ目】と感じたか、もはや説明するまでもないだろう。(笑)

話はそれるが、既にお気づきの通り、受付担当者さんは、ふたつ目のアプローチに関して人並み外れた才能をお持ちだ。
受付担当者さんがリュックの左ショルダーベルトに印字されているホグロフスの小さなロゴを見たのは、ほんの一瞬だったに違いない。
しかしながら、受付担当者さんは、その情報をもとに、私の人格や資質を想像し、強い関心を示してくださった。
私は、もはや脱帽する以外ない。(礼)

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私は、これまで、他者に受け入れてもらえるよう、そして、相手の人格や資質に心底関心を寄せるよう、努めてきた。
しかしながら、受付担当者さんから見れば、発展途上もいいところだ。(汗)
私は、相手の人格や資質に心底関心を寄せる意義を再認識すると共に、受付担当者さんの爪の垢を煎じて飲みたいと思う。



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この記事へのコメント
いやぁ、恐れ入る方ですね。
実は私も二つめ>一つめを大事にしています。
もともと控えめな(?)性格で押しが強くない人間なので、相手を観察することに重きを置いています。

それともう一つ。
前の会社にいたときに尊敬する上司がいたのですが、彼からそのことを学びました。
私が新入社員で入った年。
同期を囲んでその上司と飲む機会がありました。
私たちは日本全国津々浦々から集まったものばかり。しかし、彼は一人一人の地元の話にばっちりついてきていたというよりも、むしろ話の中心にいました。
その言動に人生最大の衝撃を受けました。
ああ。こうすることが人に受け入れられる重要な要素なのだ。と悟りました。そのとき私は21歳。いい経験をさせていただきました。
Posted by ヤッシー at 2007年03月08日 22:22
ヤッシーさん

> 相手を観察することに重きを置いています。
ヤッシーさんの観察力(?)の高さには、驚愕することがしばしばあり、見習わせていただいています。(礼)

> 前の会社にいたときに尊敬する上司がいたのですが、彼からそのことを学びました。
> 彼は一人一人の地元の話にばっちりついてきていたというよりも、むしろ話の中心にいました。
> いい経験をさせていただきました。
その方がなさったことを本質的に喩えるなら、柔道で言う「柔よく剛を制す」といったところでしょうか?(謎・笑)
それはそれとして、ヤッシーさんは、ホントいい経験をなさいましたね。
ヤッシーさんが人気者である理由が合理的に理解できて、嬉しいです。(笑)
Posted by at 2007年03月09日 05:06
なるほどなぁ〜と思いながら読みました。
人は、感情にうったえて来るものに、非常に感銘を受けますよネ。
たとえそれが上手く説明出来なくても、気持ちは正直なものです。
ボクもそういう、人の気持ちに何かを伝える様な人間になりたいと思いました。
今回の記事、ボクにとっては、本当に勉強になる記事でしたよ!(笑)。
ありがとうございました!。

∠(`・ω・´)敬礼!。
Posted by やたすけ at 2007年03月09日 22:26
やたすけさん

> 今回の記事、ボクにとっては、本当に勉強になる記事でしたよ!(笑)。
本記事がやたすけさんのお役に立てたようで、嬉しいです!

> ボクもそういう、人の気持ちに何かを伝える様な人間になりたいと思いました。
既になっていながらも、更に上を目指されるとのこと。
いつものことですが、素晴らしい向上心ですね〜。
やたすけさんのそういうところ、とても素晴らしいと思うと同時に、見習いたいと思っています。
Posted by at 2007年03月10日 05:17