2007年05月18日

「当面、国内の飛行機はANA(全日空)を優先利用しよう!」と決意すると共に、ANAがここ数年収益向上を果たしている理由を想像するの巻

「日経ビジネス・2007年6月11日号」に掲載された関連記事です!明日朝イチの飛行機で山口を訪れる私は、私的な問題(→羽田到着駅到着予定時刻と搭乗手続締切時刻が5分しか違わないため、タッチの差で搭乗がキャンセルされかねないこと)を解決するべく、ANA(全日空)のカスタマーデスクへ電話をした。

私の電話を受けたスタッフさんは、私の事情を突っぱねるどころか、よく斟酌してくださった。
途中ミスをした(→誤りの事実を告知した)ものの、速やかにリカバリーの行動を起こしてくださった(→告知をしてから約一時間後、私の携帯宛に、先に告知した事実が誤りだった旨と正しい事実を連絡&告知してくださった)。
さらに、関係部署と連携して、非常に助かるパーソナルな解決策を提示してくださった(→「駅にご到着なさる時刻が確定していますので、搭乗受付へお越しになる時刻が所定の締切時刻を少し過ぎても、ご搭乗がキャンセルされないよう手はずいたします。」)。
しかも、 何度も電話を折り返してくださるなど、コスト(=時間&手間)を惜しむ気配を感じさせずに。

私は、大企業のANAが、大して売上に貢献していない(笑)一個人客の私にここまでしてくれるとは、つゆも思っていなかった。
私は、ANAのカスタマーデスクの接客内容&姿勢に大きな満足感を覚えると同時に、以下の決意と想像を抱いた。
【決意】
路線&発着時間に問題がない限り、当面、国内の飛行機はANAを優先利用しよう!

【想像】
ANAがここ数年収益向上を果たしているのは、「お客さま担当スタッフさんの接客内容&姿勢に感心&感動し↑と決意したお客さまが私の他にもたくさん居るから」、更に見方を変えて言えば、「お客さまに高確率で↑と決意せしめる高い接客満足を会社をあげて担保しているから」、ではないか。

私のこの決意に首を傾げる人は、居ないだろう。
どんな人も、購入商品の違いはあれ、同様の経験、即ち、「期待していたよりも高い、感心&感動を呼び起こす接客満足を感じた瞬間、商品の再購入を決意したこと」があるはずだ。

他方、私のこの想像に首を傾げる人は、少々居るかもしれない。(笑)
もちろん、これはあくまで想像に過ぎないが、そうハズれてはいないと思う。(笑)

私がこのように言い張る(笑)のは、ある自説を持っているためだ。
それは、「今日、企業が収益向上を持続的に果たすには、競合企業よりも高い接客満足を会社をあげて担保することが欠かせない」、というものだ。
参考までに、この自説の根拠を以下に述べておく。

【1】企業は、もはや、必ずしも競合企業よりも高い商品満足を担保できないから。
企業の競合商品研究は、進化&激化している。
業種にもよるが、商品の内容(機能・価値)&価格の差は、殆ど無くなっている。
私は比較的飛行機を使う方だが、目隠しをされたら、乗車した航空機がANAかJAL(日本航空)か多分判別できない。(笑)

【2】お客さまは、感情に基いて商品(再)購入の意思決定を下すから。
上記【1】により、お客さまは、商品購入の合理的な意思決定が困難になった。
また、人は、元来、「快」、「不快」で意思決定を下す生き物である。
自動車販売店へ新車を見に訪れ、購入ニーズがさほど高くなかったにも関わらず、担当営業マンの接客内容&姿勢に気分を良くし、マズマズ気に入った新車をその場で購入してしまうことがある一方、購入ニーズが結構高かったにも関わらず、担当営業マンの接客内容&姿勢に気分を害し、購入を取り止めてしまうことがあるのは、そういうことだ。
お客さまは、「話を親身に聞いてくれる&最善努力をしてくれる」スタッフさんや「使い易い&わかり易い」webサイトとコミュニケートした時に「快」、即ち、接客満足を感じ、高確率で商品(再)購入の意思決定を下す一方、「話をロクに聞かない&最善努力をしようとしない」スタッフさんや「使い難い&わかり難い」webサイトとコミュニケートした時に「不快」、即ち、接客不満足を感じ、高確率で商品(再)購入の意欲を失うものだ。

【3】企業は、会社をあげないと、競合企業よりも高い接客満足を担保できないから。
かつて、接客満足を創出するのは、お客さまと直接接するスタッフさん個人の務めだった。
しかしながら、今日、年功序列&終身雇用制度が事実上崩壊し、企業の最高の競合優位であり、また、接客満足の主源泉である彼らの「やる気」は、低下傾向にある。
その上、業務の細分化が進み、スタッフ個人の努力と裁量で達成できる接客満足は知れてきている。
大半の企業の接客満足が低いのは、そういうことだ。
もし、ANAが接客満足の担保を、会社ではなく、カスタマーデスクの一個人が担保する仕組みにしていたら、私は今回提示された「部門横断型解決策」を享受し得なかっただろう。

話は変わるが、本記事を執筆するに当たり、参考情報としてANAとJALの平成19年3月期決算のブリーフレポートを各々ざっと見た。
JAL が結果を羅列しているだけなのに対し、ANAが結果をもたらしたプロセス(理由)も併記しているのが好対照だった。

ご存知の通り、JALは収益を獲得しあぐねている。
私の想像と自説は、各々まんざらハズれてはいないようだ。(笑)


<2007年6月20日追記>
本日読んだ「日経ビジネス2007年6月11日号P49」に本記事の関連記事が掲載されていましたので、ご参考までに画像を冒頭にアップいたしました。



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