2007年08月10日

某輸入車販売店へ行ってブランドマーケティングの留意事項を再認識するの巻

ビジネスの成否は、お客さま満足の獲得如何にかかっている。
ビジネスで持続的に成功するには、お客さま満足を高確率で醸成するマーケティングが欠かせない。

そもそも、お客さまは、一体どのような時に満足を感じるのだろうか。
お客さまが満足を感じるのは、期待がポジティブに裏切られた時だ。
期待がポジティブに裏切られた時、お客さまは、驚愕→感動し、満足を感じる。

このことから、私たちビジネスマンは、何に留意しなければいけないのか。
私は、以下の二事項と考える。

一つ目。
それは、お客さまに適切な期待を与えること、だ。
お客さまの注目を引きたいが為に、また、高いお客さま満足を醸成したいが為に、応えられない高い期待をお客さまに与えるのは、詐欺&自殺行為と等しい。
マスメディアに取り上げられた飲食店が必ずしも繁盛していない理由はこれだ。

二つ目。
それは、お客さまの驚愕をデザインすること、だ。
但し、これは、ひとつ目ができていることが前提だ。
リッツカールトンクレドの浸透に努め、お客さまの情報を収集&共有し、驚愕のサービスを提供する権限をスタッフに委譲している理由はこれだ。
お客さまの驚愕を運や特定の社員に頼るのは、経営ではなくギャンブルだ。

話は変わって、過日、私は、某輸入車販売店へ訪れた。
そこで感じたのは、満足どころか落胆だ。
たしかに、車そのものの価値は高かった。
耐疲労性に優れた馴染みの良いシート、足裏と脳が喜ぶエンジンフィーリングは、大変好印象だった。

では、なぜ落胆したのか。
それは、店舗&営業スタッフのサービスの品質が低過ぎたから、だ。
もっと正確に言えば、ブランドから与えられた期待値が高過ぎて、店舗&営業スタッフのサービスが大きく見劣りしたから、だ。

入店すると、挨拶がけはされたものの、ナビがなく、少し途方に暮れた。
エアコンが効き過ぎていて、忽ち寒くなった。
展示車のフロアマットは大きくずれ、シートのビニールカバーは古ぼけていた。
商品について質問をしても、営業スタッフはひとつも合理的に回答できなかった。
展示車をもっと見たいのに、営業スタッフは商談テーブルへの着座を求めた。
営業スタッフの携帯が数回派手な着メロを奏で、彼はその都度対応した。
トイレへ行ったものの、ソープが切れており、試乗で汗ばんだ手が洗えなかった。
営業スタッフは、見積書を作成するPCは用意しても、湯茶の一杯も用意しなかった。
店を出る時、担当営業スタッフ以外は、着座したまま私を見送った。

輸入車はブランド品だ。
輸入車の販売は、正にブランドマーケティングだ。

お客さまがブランド品を買う目的の中には、「生活必需品を買うのでは味わえない、満足度の高いショッピング体験をする」、ということが含まれている。
お客さまに国産車より数倍高い車を見に来ていただいたものの、国産車より低い満足しか感じさせられなかったどころか、落胆を感じさせてしまったというのは、お客さま不満足を醸成したのと同義だ。

昨今、トヨタが日本でもレクサスを立ち上げるなど、多くの企業がブランドマーケティングに躍起だ。
商品差別化の効果性を高めること、お客さまの商品想起率を高めること、販売価格を高めること等々、その理由は様々ある。

ただ、ブランドマーケティングは、お客さまの期待値を上げることを内包している。
そう、企業にとって、ブランディングは両刃の剣なのだ。

ブランドマーケティングは、企業が持続的な成功を果たす有効な手法だ。
ブランドマーケティングに注力している企業は、先述の一つ目に留意して欲しい。
高いお客さま満足の醸成を企図した結果がお客さま不満足の醸成では、泣くに泣けないだろう。



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