2009年02月17日

「職業"詐欺"」を見て、不遜ながら詐欺の非日常化へ向けた意識&行動変革を唱えるの巻

「結婚詐欺」という犯罪がある。
私はこの犯罪の本質を、「結婚の実現を期待させ、相手のリソース(資産)を巻き上げる行為」と独断解釈している。

結婚詐欺に遭って巻き上げられるリソースは、甚大かつ広範だ。
なぜなら、金銭に加え、結婚の決心と準備に要した時間/労力/気力まで含まれるからだ。
結婚詐欺に遭った方が事後長きに渡って生ける屍となるのは、おおよそ拝察できる。

過去何度か吐露しているように、私には離婚暦がある。
私は離婚の本質を、「結婚することで期待した合理的及び非合理的利益の獲得を断念し、消費リソースと逸失利益を応分清算する行為」と独断解釈している。

離婚における「消費リソースと逸失利益の応分清算」は、概して難航する。
なぜなら、夫婦共に、被害者を自認し(→相手を加害者と認識し)、リソースが「いたずらに巻き上げられかねない感」を覚えるからだ。
かつて自分が調停に出向く度に折苛立ちと喪失感を覚えていたのは、多分このためだ。

かくいう私は、今こう考えた。
「離婚も、結婚詐欺と同様、詐欺なのかもしれない」と。
なぜなら、離婚も結婚詐欺も、「相手の期待を反故(ほご)にし、リソースを巻き上げる」という意味において等しいからだ。

さらに私は、こう考えた。
「詐欺は日常化しているのかもしれない」と。
なぜなら、以下の事象は、先の意味において等しく、かつ、日常化しているからだ。

【1】親に大学へ入れてもらったものの、学問だけでなく何に対しても注力しない子供。
【2】自分のノルマ達成を優先し、"その"お客さまにとっての効用/便益が怪しい商品を平然と売りつける営業マン。
【3】「給料泥棒」の社員。
【4】「成果/実力主義」を標榜しつつ、ノンワーキング・リッチを社内で遊ばせている経営者。
【5】総裁と政策がコロコロ変わる政治団体。
【6】写真と実物が別人のキャバクラ。(笑)

かつて北野武さんは、ツービート時代こうおっしゃった。
「赤信号。みんなで渡れば怖くない」と。(笑)
これは、「人は、守るべきルールやモラルを、マジョリティに依存する」旨の不変の真理を明示したブラックジョークだが、今は正に、「詐欺行為。みんなでやれば怖くない」だ。

結果私は、こう考えた。
「昨今激増している振り込め詐欺の元凶の一つは、詐欺の日常化にあるのではないか」と。
「今他者から金銭を巻き上げる手段/方法として殺傷を選択するのは、モラル的にハードルが高いものの、詐欺を選択するのは、モラル的にハードルが低いのではないか」と。
過日、「職業"詐欺"〜増殖する若者犯罪グループ(※2009年2月9日/NHK)」なるテレビ番組を見終えた直後のことだ。
「いかにして、振り込め詐欺は行われているか」。
「いかにして、人は振り込め詐欺を決意するか」。
この番組は、これらをリアルに報じながら、拝金主義と格差社会を振り込め詐欺の外因とし、警告していた。
詳細は、以下をご覧いただきたい。

 ★職業"詐欺"〜増殖する若者犯罪グループ(「NHKスペシャル」web)
 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2009/0209/

 ★該当ブログ記事(「職業/詐欺/振り込め/nhk」によるgoogle ブログ検索)
 http://blogsearch.google.co.jp/blogsearch?hl=ja&ie=UTF-8&q=%E8%81%B7%E6%A5%AD%E3%80%80%E8%A9%90%E6%AC%BA%E3%80%80%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%82%81%E3%80%80nhk&btnG=%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=lang_ja

私の考えは、いずれも仮説だ。
明確な根拠は無い。

では、なぜ、私はあなたへ自説を言上するのか。
それは、日常化し過ぎて私自身意識に留めてこなかった(→見過ごしてきた)ことであり、かつ、私たちの意識&行動変革が振り込め詐欺だけでなく日常化している諸問題を費用対効果良く解決し得るからだ。

今のままだと、将来、「一億総詐欺加害者」になりかねない。
「そんなの知ったことではない!」とか「自業自得!」と割り切れない青い企業経営者の不遜な考えではあるが、一考いただけると幸いだ。(礼)



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この記事へのコメント
3
色々と考えさせられますよね・・・。
ネットを徘徊していて、↓のようなネタも見付けました。
見方を変えると、今の世には、あちこちにゴロゴロしていそうですね >> 詐欺まがい。

-------

テレビの民主党キャンペーンは、振込詐欺の手口


昨日、ためしてガッテンで振り込め詐欺の出口が出ていた。
年配者をともかく不安でいっぱいにさせたところで、
「振込」という不安からの出口を与える。
銀行員が止めようとしても、

「とにかく振り込ませてくれ、あんた、何で邪魔するんだ!」
「嘘でもいいから、とにかく、振り込ませてくれ、頼む!」

と怒ったり、泣いたりするそうだ。

テレビを信じてる年配者に、
景気対策は報道せずに漢字やブレテルなどだけ、
経済悪化や派遣切りなども悪い話だけ、毎日大量に流す。
政権への不安と暮らしの先行きへの不安で一杯にしながら、
出口として「政権交代」を刷り込む。
年配者は不安から抜け出したい一心で、
「ATMで現金」のかわりに「投票場で民主党に票」を振り込むわけだ。

理性が働かなくなっているから、
両党の政策を比較検討しようとか考えられないし、
民主党がろくに政策を掲げていないことも気にならなくなっている。

マスコミはマーケティングや行動心理に長けているのだから、
承知の上でやっているのに間違いない。
Posted by もえもえ at 2009年02月23日 20:59
もえもえさん

こんにちは、堀です。
コメントをありがとうございます。

> ↓のようなネタも見付けました。
考えさせられるネタをご投稿いただきありがとうございます。(礼)
本ネタは初耳でしたので、参考(?)になりました。

今回見たテレビ番組の中で、詐欺の運営マネージャー(?)的な人が、以下の旨を言ってました。
「人は、自分が納得できる正義さえ見つけられれば、犯罪でも何でもする」。

「納得できる正義」とは、換言すれば、「インセンティブ(誘引)」です。
人が特定の行動を選択&実行するのは、「該当行動をするといいorせざるを得ない合理的又は非合理的な理由」、即ち「インセンティブ」を認めた結果であり、このコメントは真理を突いています。

私見ですが、私たちは、インセンティブを自分で創るよりも、他者から与えられることに慣れ過ぎているような気がします。
この行動習性を作り出したものの一つは今回お知らせいただいたマスメディアの偏向&恣意的報道ですが、他にも、「次のテストで100点取ったら、○○を買ってあげるよ!」との旨の親の盲目的寵愛など、沢山あるような気がします。

自分でインセンティブを創る。
他者から専らインセンティブを与えられる。
「後悔しない」&「正しい」結果をもたらすのは、高確率で前者です。
但し、前者を実行するには、自分の頭でトコトン考え、自分を信じること、即ち、知見/自信/勇気が欠かせません。

「前者と後者のいずれを自分の行動習性とするか」。
混沌たる未来を前に、私たちは、いよいよ決断しなければいけないような気がします。
Posted by at 2009年02月24日 07:33