2010年05月17日

三浦弘行八段のインタビューコメントが胸に刺さるの巻

昨夕、まとまった時間が少しできたので、未精読の書籍をいくつか精読しました。
その中には将棋の専門誌である「将棋世界(2010年5月号)」があり、現在第68期将棋名人戦にて羽生善治名人に挑戦している三浦弘行八段の以下のインタビューコメントが胸に刺さりました。
「名人挑戦者・三浦弘行八段に聞く」P39

−−谷川(浩司)九段との将棋も、終盤の入り口で逆転。勝って単独首位になりましたね。(順位戦)最終戦の前はさすがにプレッシャーが襲ってきたのではないか?

「そうですね。勝ったら(名人位に)挑戦という最終戦の前は、さすがに緊張していたと思います。そのころ、ちょうど冬のオリンピックをやっていて、フィギアの浅田真央さんの特集がテレビであったんですよ。そこで浅田真央さんが、バンクーバーの時差に合わせて、日本時間の午前6時から猛練習を始めているっていうことを知りました。本番のオリンピックに向けて、あらゆる場面を想定して練習されているんですね。直前練習では皆と逆周りに滑る選手がいて練習しづらい、なんてことまも想定しながら、バンクーバーの舞台に合わせて練習されているという話を聞いて、すごいなあと思いましたね。勝負を控えて猛練習に励む浅田さんの姿勢に、とても感銘を受けたんです。
私は、浅田さんほど真摯に将棋に取り組んできたのだろうか、という想いが頭を横切りましたそれで最終戦の郷田(真隆)さんとの将棋までは、とにかくできる限りのことをやって戦いに臨もうという覚悟ができたんです。対局までの1週間は、将棋漬けの生活を送りました。だから、挑戦権が懸かった最終局の前に訪れるはずだった、極度の緊張から解放されたのだと思います。やれるだけのことはやったという気持ちになって対局に臨めたのも、大きかったです」

将棋世界 2010年 05月号 [雑誌]
毎日コミュニケーションズ
2010-04-03


最近よく思うのは、持続的に成功している人は、えてして、「現在の実力、成果、生活に満足しないよう絶えず意識的に努めている」ということです。

人は、そもそも、面倒臭がり屋で、変化やリスクを嫌う生き物です。
ややもすると、現状の自分や暮らしに安穏としてしまい、思考&行動習性のアップデートを、ひいては、成長機会やビジネスチャンスをスルーしてしまいます。
「結婚する/家を買う/管理職に昇格すると、守りに入る」と言われますが、それはこの一例です。

持続的に成功している人の多くは、このことを感覚的に理解しています。
そして、このことの現実化を防ぐべく、「現在の実力、成果、生活に満足しないよう絶えず意識的に努めている」のです。
ちなみに、世界有数のニット編み機メーカーである島精機製作所を創業した島正博社長は、「がっちりマンデー」に出演した(※2010年5月2日)際、「株式上場時に得た創業者利益は全て寄付し、手元に残さなかった」旨おっしゃっていました。

三浦さんは、順位戦A級に9年連続して在位する実力者で、七冠を保有していた羽生さんから最初にタイトルを奪った偉業の持ち主でもあります。
研究量と情報量は棋界随一と言われ、移動コストの低さよりも誘惑リスクの高さを憂慮し、あえて東京ではなくご実家の高崎(※群馬県)に住み、日々10時間将棋番に向かわれると聞いています。

そんな三浦さんが、異業界でしかも自分より一回り以上も若い浅田さんの言葉に真摯に耳を傾け、思考&行動習性のアップデートを決意→実行できたのは、「現在の実力、成果、生活に満足しないよう絶えず意識的に努めている」証左かつ賜物に他なりません。
もしこの努めを怠っていたら、三浦さんは、浅田さんの言葉をスルーしてしまい、郷田真隆九段との名人位挑戦権をかけた順位戦最終戦に極度の緊張感を抱きながら臨んだのではないでしょうか。

明日、明後日、第68期名人戦の第四局が行われます。
これまでのところ、羽生さんが3勝0敗と現名人の貫禄を見せ、名人位防衛まであと一勝に迫っています。
私は、自他共に認める羽生さんのファンであり(笑)、現在の戦況が嬉しいのは間違いありません。
しかし、「現在の実力、成果、生活に満足しないよう絶えず意識的に努めている」自信が無いせいでしょう「現在の実力、成果、生活に満足しないよう絶えず意識的に努めている」三浦さんを応援している自分を感じます。



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