2011年11月22日

JT将棋日本シリーズ東京大会へ行き、小学生棋士が悉く羽生善治さんをダントツ愛好していることに考えさせられるの巻

一昨日、私は、JT将棋日本シリーズ東京大会へ行きました。
私は結婚はしているものの、子どもが居ません。
なので、主眼は、決勝戦、かつ、今、将棋界最高カードと言っていい羽生善治JT杯と渡辺明竜王の対局を観戦することでしたが、折角なので、その前に催行される在京小学生強豪によるこども大会の決勝戦(低学年/高学年部門)も観戦しました。
私は、これらの対局を全て満喫しましたが、近隣の席の小学生棋士が悉く羽生さんをダントツ愛好していたこと(→他の棋士は殆どアウトオブ眼中だったこと)に、羽生ヲタとして嬉しくも、考えさせられました。


事のてん末は、以下の通りです。
私は、観戦中、より観易い場所へと二度席を変わりました。
いずれの時も近隣には、本日のこども大会に出場した小学生棋士が複数連座していました。
彼らがあまりに「ハブ」という単語を頻出させた会話や独り言をしているので、私は彼らについ、以下の旨質問しました。

【Q1】君や(将棋の)友だちはみんな、羽生善治さんが一番好きなのか?
【Q2】羽生さんのどういう所が好きなのか?
【Q3】羽生さん以外に、羽生さんよりも好きな棋士は居るのか?

彼らは私に、以下の旨の回答してくれました。

【A1】はい。
【A2】常時タイトルを複数保有するなど、実績と強さが目立っている所。「羽生マジック」が有る所。
【A3】特に居ない。羽生さんと比べると見劣りする。

私は、【Q3】の時、例示として、私自身かなり敬愛し、実力とキャラが立っている(笑)渡辺明竜王藤井猛九段を出してみたのですが、彼らからすると渡辺さんは「目立たない」ようで、また、藤井さんは「藤井システムだよね・・・」で終了しました。
また、【A2】で「羽生マジック」と答えた彼は、羽生さんが渡辺さんと対局している最中、終始、「羽生ニラミ、出た!」、「羽生マジック、出ないかな!」と呟き続けていました。(笑)
彼にとって羽生さんは、目標やアイドルではなく、もはや神様、救世主、ウルトラマン(古いw)で、「羽生ニラミ」や「羽生マジック」はスペシウム光線なのでしょう。(笑)

先述の通り、私には子どもが居ません。
なので、誤りの可能性は免れませんが、私は、小学生棋士が悉く羽生さんをダントツ愛好していることに違和感を覚えました。
たしかに、羽生さんは愛好すべき棋士、人間ですが、彼らが羽生さんをダントツ愛好する理由はあまりにも、ビジブル(visible:可視的)で、メジャラブル(measurable:計測可能的)で、ブランド(イメージ/過去実績)偏重/依存的で、即物的で、フォロワー(follower:追随者/信者/救世主渇望者)的です。
もちろん、羽生ヲタの私自身、それらが完全に無いわけではありませんが、それらは大人になれば敢えて望まなくとも、否が応でも主になりますので、子どもの時分はもっと、大人には見えない、大人が見落としてしまう、大人とは真逆のユニークな(=他者とは異なる)理由で、人や物事を断固評価、愛好して欲しいと思いました。

小学生棋士が悉く羽生さんをダントツ愛好している多くは、「子どもは大人の鑑」という言葉があるように、私たち大人の影響なのだと思います。
私たち大人が、人や物事を独自の思考で断固評価、判断しないから、即ち、付和雷同が過ぎていたり、長いものに巻かれ過ぎていたりするものだから、世の中そんなものかと彼らは、将棋界、否、現世の現人神、救世主、ウルトラマンとして羽生さんをダントツ愛好しているのだと思います。
私は、決勝戦で惜敗なさった渡辺さん先月「AERA」で語った以下のインタビューコメントを思い出しましたが、今後羽生ヲタの自称と羽生さんの礼賛をより適切に吐露、表現したいと思います。



「渡辺明の強さの秘密/羽生の集団催眠解いた男」

冒頭の王座奪取に話を戻そう。

ーー羽生さんの神通力が渡辺さんに通用しなかったのはなぜなのでしょう?

再び渡辺に尋ねると、

「最近は自然に指すことができているような気がします。最初のうちは羽生さん相手だと”羽生ブランド”の前に怖気づいてしまい、なかなか普通ではいられなかったから。ほかの人と対戦するときに比べて格段に萎縮するようなところが、実感としてありました」

25歳で七冠達成の金字塔を打ち立てた羽生は、プロ間で半ば神格視された存在である。優勢になっても最後は負けるのではという意識が働き、相手の棋士が自滅するケースも往々にしてあった。集団催眠の状態を抜け出した初めての棋士が渡辺であるといっても過言ではない。

渡辺はいう。

「羽生さんと戦った最初の竜王戦でも第1局から第3局まではいいところがなく、まるで勝てる気がしませんでした。そのあとの2回目の竜王戦を含め、ここまで戦えているのは自分でも驚いています」

2008年羽生の挑戦を受けた渡辺は、出だし3連敗。カド番第4局の終盤戦で絶体絶命に見えた局面から息を吹き返し、奇跡の4連勝で防衛を遂げた。現在の渡辺が羽生に対し臆することなく戦えるのは、秒読みの中、「投了」の2文字を思い浮かべ死地をさまよいながらも生還した第4局の”臨死体験”と無縁ではあるまい。無用の雑念や力みが消えた状態で最強の羽生を相手に逆転に成功した鮮やかな記憶が本来の力を覚醒させ、催眠状態から解き放たれる契機になったのではなかろうか。

「あそこで運に恵まれて踏ん張れたのが、いまとなってはかなり大きかったような気がしています」

「AERA」2011年10月24日号P30から転載





































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この記事へのコメント
羽生ファンの振りをして羽生さんを貶める魂胆がみえみえです
Posted by やすみつ at 2011年11月27日 06:22