2005年01月04日

初売りに行くの巻(3)〜5年乗るとエンジンが壊れるって本当!?

A店を出た後、”M”という車を取り扱っているB店へ行ってみた。

店に到着したのは17時頃。
周囲はすっかり暗くなっていた。

お客様はショールームの中に一組だけ居られた。
タイを締めた社員(らしき人)がコーヒーカウンターでパソコンを操作していた。
初売り&このような状態にもかかわらず、私に出迎えはなかった。(涙)

ショールームに”M”が展示してあった。
早速チェキを開始すべく、私は展示車へ向かった。
すると、どこからともなく、女性営業(Sさん)が近寄ってきた。


【Sさん】
いらっしゃいませ。
今日は・・。

【私】
”M”を見に来たんですが・・。
これ、”M”ですよね?

【Sさん】
はい、そうです。
カタログをお持ちしましょうか?

【私】
はい、お願いします。
その前に、車を見せてもらっていいですか?

【Sさん】
はい、どうぞ。
今日は試乗車を用意しています。
よろしければ、試乗もなさってください。

【私】
試乗させてもらえるんですか?

【Sさん】
はい、是非どうぞ。
試乗車はこちらです。
(外へ私をいざなう。)
こちらが試乗車です。

(※途中省略)

【私】
(試乗車の運転席に居る。)
じゃ、動かしてみますね。

【Sさん】
はい。
では、お店を出たら、左へ曲がってください。

【私】
了解です。

(※途中省略)

実は私、”M”の他、”L”と”W”も検討しています。
「”L”や”W”よりも”M”が勝っている」といった所はありますか?
自動車のプロとしてのご意見を是非お教えいただきたのですが・・。

【Sさん】
”L”と”W”ですかぁ・・。

【私】
はい、”L”と”W”です。
実車もお乗りになっていますよね?

【Sさん】
いえ・・。
”W”については、現車は見たことがあるのですが、まだ乗っていません。
”L”については、現車も見たことがありません。(汗)

【私】
(マジかよ・・。)
そうですかぁ。
じゃ”W”は実車をご覧になっているんですよね。
私はまだ見ていないので、”W”と比べた場合の”M”の良い所、と、「ちょっと使い辛いなぁ、イマイチかも」といった所を教えてくれませんか?

【Sさん】
そうですね・・。
中の広さは”W”よりも”M”の方が優れているような気がします。

(※途中省略)

それから、衝突時の安全性は、”M”の方が優れています。

【私】
あっ、そうなんですか。
それって、実験データなどで証明されているんでしょうか?

【Sさん】
いえ、そういったものはありません。
当社の車は、衝突時の安全性の高さが売りなんです。

【私】
(???)
そうですかぁ・・。

【Sさん】
あと、エンジンの耐久性も、”M”の方が優れています。
どこのとは言えませんが、5年乗るとエンジンが壊れる車もあるようです。

【私】
(???)
えっ、それって本当ですか?
今は、どこのメーカーの車も耐久性は遜色無いと思っていましたが・・。

【Sさん】
当社の車は、エンジンの耐久性の高さも売りなんです。

【私】
それって、データか何かで立証されているんですか?

【Sさん】
いえ。
これは私が入社するだいぶ前からそうみたいです。

【私】
(???)
そうですかぁ・・。

(※以下省略&次回へ続く)


Sさんはとても感じの良い女性営業だった。
彼女の感じの良さ、そして、それがもたらすコミュニケーションの快活さは、これから新車を買おうとしているお客様が担当営業に望む優先順位の高い魅力だ。
Sさんのこの資質を高く評価し、新車を買うお客様もそれなりに多いと思う。

だが、私が彼女から新車を買うことはない。
というのも、私は彼女のことを信頼できないからだ。
エンジンの耐久性云々以降の不毛なやり取り、並びに、その中での彼女の確証を欠いた主張は、私の信頼を失墜させるのに十分だった。

自動車は、購入頻度の少ない、高額耐久消費財だ。
また、製品の特性上、アフターサービスが不可欠だ。
故に、新車を買うなら、物事に深く通じ、正しい判断と意見を有する、”見識の高い営業マン”から買いたい、と思うのが一般消費者の共通認識だ。

ところで、Sさんがこのような営業活動を行っていることを、果たしてマネジメントはどこまで把握しているのだろうか。

彼女の失態の元凶は彼らにある。
彼らが、然るべき解決行動を起こし、彼女のポテンシャルを開花させることを期待したい。

しかし、この後もうひとつ驚愕の出来事があったりする・・。(汗)



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この記事へのコメント
商品知識が全くないセールスって結構居ますよね!
でも、必ずしも「物事に深く通じ、正しい判断と意見を有する、”見識の高い営業マン”」がトップセールって訳じゃぁなく、お話に出てきたような、特に車やそれに付随する知識が全然なくても、成績上位のセールマンが多いのも事実です。そうやって考えると、車を買う人の大多数が「見識の高い営業マン」を求めているのか?それはちょっと疑問もあります。私自身は車を買うならHoriさん同様に「見識の高い営業マン」から買うと思いますが、世の中にはそうでない人も結構居るようですよ!
Posted by Nakamae at 2005年03月03日 10:28
こんばんは、Horiさんのご意見はもっともなことだと私も考えるのですが。
高額な買い物として、例えば住宅やマンション購入を考えてみて欲しいのですが、日本人って売るほうも買うほうもすごく勉強不足だと思います。
あまり考えないで、買いませんか?

新聞記者とかニュースキャスターも、正直いってすごく勉強不足です。
もしかしたら車や家を買うのに必要なのは、メカや建築の知識ではないのかもしれません・・・買うほうも売るほうも、何か別なものを期待したり考えて購入しているのかもしれません。
Posted by 8GSR乗り at 2005年03月03日 22:49
 はじめまして。
 いつも興味深く読ませて頂いております。

 今回の記事を読んで思うのですが、車を買いに来店する多くのお客は営業マンに見識の高さを求めるよりも、値引き交渉等でストレスのない商談さえ出来ればそれで構わないという方が多いのではないでしょうか? もしかするとそのお客は【新車を買うのが厄介】と思い、出来るだけ楽をして車を買いたいと考えているかもしれません。そのようなお客(恐らく車の知識は私達よりも低いかも知れません)からすれば、例え相手をする営業マンに高い見識が無くても【お客様】として対応され交渉を楽に済ませる事が出来れば、それでそのお客のCSは満足とは行かないまでも不満の無い買い物となるのかもしれないと、そんな事をふと思いました。
Posted by NEMO at 2005年03月04日 16:06