あなたさまもご存知の通り、先週来、プロ野球は統一球問題で大騒ぎです。
なぜ、「飛ぶボール」が人為的に作られたのか。
このてん末と責任を巡って、関係各所とマスメディアが、例によって茶番(笑)を演じている訳です。
ただ、一昨日の(※16日放送分)「サンデーモーニング」での張本勲さんの「『喝!』コメント」(笑)は、単に問題を大袈裟に論じたり、責任を単純化/糾弾するのではなく、及ぼすであろう悪影響から遡って、問題の問題足る所以を合理的かつ本質的に論じ、大いに考えさせられました。
以下は、張本御大には恐れ多いですが(笑)、その意訳です。
〔1〕
企業(→球団?)、日本野球機構(NPB)、業者(→ミズノ)は勿論「喝!」だが、選手会も「喝!」だ。
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〔2〕
既に番組で公言しているが、私自身、5月には統一球の「飛ぶボール」化に気づいていた。
(開幕して二ヶ月目ともなれば)プロならみな肌感覚で気づいていたはずで、当然選手も気づいていたはず。
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〔3〕
統一球は、世界基準で作られて然るべきボールだ。
従って、当事者である選手までもがこの変化を看過したことで、三つの問題が発生する。
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〔4〕
一つ目は、「日本の野球は所詮『非世界基準ですよ』と自称、自虐しているに等しいこと」だ。
これだと、日本の野球は、いつまで経ってもローカルの野球にしか見られず、「大リーグの二軍チーム」との揶揄を免れない。
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〔5〕
二つ目は、「投打の勝負が不公平化、ひいては、陳腐化すること」だ。
現状だと、投手は竹光で戦い、打者は真剣で戦っているに等しく、明らかに打者が有利だ。
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〔6〕
三つ目は、「バッティングが雑になり、日本の野球そのものが劣化すること」だ。
現状だと、打者は理に適った打撃技術を会得せずとも、腕力でホームランが打ててしまう。
「ホームランは野球の華」と言うが、それは野球に無知な人の戯言だ。
「いくら日本の野球がオワコン化の様相を呈しているからとはいえ、利害関係者が結託して人為的に『打高投底』、即ち『ドンパチ野球』を作り、素人野球ファンの感情におもねるのは、中長期的には、日本の野球のコンテンツ価値を自ら貶め、熱心な野球ファンの期待を裏切り、オワコン化に拍車をかけるだけで、得るものは無い」。
不肖私、張本さんが本問題に「喝!」を四連発し、厳しく咎めたのは、かくなる不世出の名野球人としての高邁な思考と懸念に因るものと理解し、その慧眼の鋭さと普遍性の高さに強く感心しました。 続きを読む