妻と、毎年恒例の(笑)かっぱ橋道具祭りへ行き、毎年恒例の包丁研ぎをした。
いつもの刃物店は今受付できないとのことで、良さそげな店を新規開拓(笑)した。
妻の見つけたその店は、かの新潟、燕市が本社だった。
担当者も、「お祭りなので本社から応援に来た」と、どちらかと言うとぶっきら棒な、職人然とした方だったが、研いでくださっている最中、妻の日頃の質問にも迷惑がらず、真摯にこたえてくださった。
回答の中には感覚主義の、理解困難な内容(←表現)も少なくなかったが、妻のココロを尊重する姿勢が傍目から見て取れた。
成る程、昔気質の職人も、近年かくも顧客インターフェースを大事にするものかと、天晴に感じた。
彼から授かった気づきはもう一つあった。
彼の研ぎ上げた包丁を夜早速使ったのだが、これをして「切れ味」と言うのだろうか、当然「よく切れる」訳だが、「よく切れる」感がいつもの店で研いでもらった時とかなり違うのである。
いつもの店のそれが、「スパツ、スパツ」と、兎に角「軽く」よく切れるそれに尽きるのに対し、彼の手によるそれは、「スッ、スッ」と、第一感「適度に重く」、そして「しっとり、しっかり」よく切れるそれなのである。 続きを読む