2006年01月12日
「イチロー、苦闘200本安打への日々」を見るの巻
1月5日にで放映された「日本人メジャーリーガーの群像 『イチロー、苦闘200本安打への日々』」という番組の録画を見た。
私は、昨年彼が達成した、安打数206本、打率306、本塁打15本、盗塁33、5年連続ゴールドクラブ獲得、に心から賛辞を送りたい。
私は、昨年彼が達成した、安打数206本、打率306、本塁打15本、盗塁33、5年連続ゴールドクラブ獲得、に心から賛辞を送りたい。
イチローは自らが天才と呼ばれることを好まない。
が、彼が持つ、目標達成志向力、課題解決能力、プレッシャーをモチベーションに変えるセルフコントロール力、偶然を必然に変えるアクションプラン案出&実行能力、は非凡の極みという他ない。
だから、これまで私は、イチローを、プロフェッショナルベースボールプレーヤーとしては勿論のこと、一人の非凡な人間としてずっと尊敬し、ベンチマークしてきた。
私が、自らの目標に対して完璧な達成を目指し、その為の自助努力を惜しまないのは、紛れも無く彼とサラリーマン時代の元上司Mさんの影響だ。
人間は不完全な生き物であり、目標を完璧に達成することなどあり得ない。
一方、人間は無限の能力を秘めており、それは”やり切る”毎に露わになる。
だからこそ、人間は、完璧な状態を自らが生きる目標として定義し、それを達成するべく”やり切る”全努力(=然るべきプロセス)を不断に案出&実行して初めて、完璧には遠く及ばないものの一定の結果を得、生来の不完全さから救われる。
今日私は、標題の番組を見て、上記のことを実感すると共に一層深く学んだ。
以下は、私がとりわけうなづかされたイチローのコメントである。
「スポニチの1月9日付記事」によれば彼のWBCでの活躍は確実に思えるが、WBCを含めた彼の今期における成功を祈念して、今一度ここに記述しておきたい。
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【1】シーズン前半におけるスランプについて
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「あっ、つかんだな」と思うことは結構あるんですよ、何年もやっていれば。
でも、短い間で消えていってしまうこともたくさんあります。
一週間は良くても、次の週はダメ・・・そして、また違うものを探してみたり・・・という繰り返しですよ。
数字が残ってしまうことで、何かに気づけなくなってしまう怖さがある、とはわかっていましたが、わかっているのにも関らず、自分がそれに騙されてしまう。
成績が残ることによって、何かしっくりこない、何かもうひとつ違うな、と感じている自分が居るのに、成績が残ってしまうことで、自分の中でそれを消してしまう。
悪い形になったものを治す難しさです。
意識をしても体にしみついた悪いものはなかなかとれない。
何がいけないのかわかれば、あとは自分のプレーをすれば結果はついてくるわけです。
それには自信があります。
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【2】5月15日の対レッドソックス戦における本塁クロスプレーについて
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(※アウトと審判されたが、実際には、キャッチャーのタッチを掻い潜ってホームインしていた。)
何年も前から、「そういうプレーがいずれ起こるかもしれない、だからその時自分がどうやってやろうか」、と外野で守っている時に考えたりするんですよ。
それがその瞬間に訪れた、ということです。
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【3】シーズン終盤の9月2日に今期二本目のバントヒットに成功したことについて
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僕は、良くない時はバントはあまりうまくいかない、って考えています。
ヒットがたくさん出ている時の方が、バントはうまくいく。
苦しい時って、バントをやって、途中までフェアでいっても、最後はファウルになったりね。
そういうもんなんですよ。
なかなかね、バントが思うようにできなかったりするんですよ。
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【4】ホームランが増えたことについて
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(※科学的な理由は、右足を早く動かすようになった為に体が大きくひねられ、以前よりもパワーを出せるようになったから、らしい。)
(フォームを修正したことが新たに)力を生んだ訳ではない。
悪い時点から考えると、そう見えるかもしれないけど。
悪い時点では、自分で力を殺していた、だけの話だ。
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【5】5年連続200本安打を達成したことについて
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200という数字に対して、誰よりも強い気持ちを持っている自信はある。
それを達成したいという気持ち、そこに行くんだという気持ち・・・。
イメージができている、ということですかね。
200のヒットに対してイメージできていることが強い。
何かを達成した瞬間って、「やった!」という気持ちにならない。
ここ何年もずっと。
とっちかって言うと、「あー良かった」。
それは、「絶対にやらなければならない」というプレッシャーを自分に与えているからでしょうけど。
恐怖心だとか不安だとか、そういう気持ちは抑えられなかった、というか避けられなかった。
それでも、苦しい中でやらなければいけないことを改めて知った。
これだけ思うようにヒットが出ない時期が続いた。
でも、200を超えていけた、というのは、昨年の262本のヒットで得た自身とはまた違う種類の自信だ。
力を出せば、必ず到達できる。
今年は力が出せなかったと思っているんで、それでも超えていけたということは、普通に力を出せれば必ず到達できる数字であるということですね、僕にとっては。
だから、大きな自信になりましたよ。
「常に」意識しているポイントは、「常に」にはならない。
これをやっておけば大丈夫というものが動いていくんですよ。
それがバッティングだと僕は思っているんですよ。
だから答えが無いし、終わりが無い。
バッティングの感覚を失ったことはないんだけど、ひとつ言えることは、バッティングは常に動いている、ということですね。
日々とはいかないですけど、ある時期が経つと、何かまた少しずつ変わっていかなくてはいけない自分が居たり、変わってはいけない部分が絶対あったり。
動くんですよね、バッティングは。
これが「(バッティングは)生き物である」という所以なんでしょうけど。
終わりが無い、というのは、そういうところから来ていると思うんですよ。
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【6】二年連続最下位でシーズンを終えた後の球団関係者とのミーティングについて
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シーズンが終わってから、僕が問題だと思ったことを素直に球団関係者にぶつけた。
そこはもう腹を割って話しをさせてもらって。
なかなかタフでしたけれどね、それは。
正直にモノを言う、ということは、なかなか難しいですよね。
まあでも、それをしなくてはいけない、と思って、このオフにしたんですけどね。
★
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【番外編】「スポニチの1月9日付記事」の中でうなづかされたコメント
------------------------------------------
僕は出ますよ。
WBCは世界一を決める大会なんでしょ。
だから出る。
シンプルにそれだけ。
簡単な理由ですよ。
人の気持ちによって、自分の気持ちが変わることはない。
それぞれ事情があるから、どの選択も正解だと思う。
僕はWBCに出ることでシーズンの調整も万全にできる。
その時期にプレッシャーを背負って真剣にプレーするなんて体験はそうそうできないし、逆に公式戦に向けていい影響が出ると思う。
それにケガなんて心配していたら出られない。
(ケガを)したらしたで、そこまでの選手ということ。
だから僕には(出場を)断る理由がない
<関連記事>
WBCにおけるイチローの言行から、リーダーの要件を学ぶの巻
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が、彼が持つ、目標達成志向力、課題解決能力、プレッシャーをモチベーションに変えるセルフコントロール力、偶然を必然に変えるアクションプラン案出&実行能力、は非凡の極みという他ない。
だから、これまで私は、イチローを、プロフェッショナルベースボールプレーヤーとしては勿論のこと、一人の非凡な人間としてずっと尊敬し、ベンチマークしてきた。
私が、自らの目標に対して完璧な達成を目指し、その為の自助努力を惜しまないのは、紛れも無く彼とサラリーマン時代の元上司Mさんの影響だ。
人間は不完全な生き物であり、目標を完璧に達成することなどあり得ない。
一方、人間は無限の能力を秘めており、それは”やり切る”毎に露わになる。
だからこそ、人間は、完璧な状態を自らが生きる目標として定義し、それを達成するべく”やり切る”全努力(=然るべきプロセス)を不断に案出&実行して初めて、完璧には遠く及ばないものの一定の結果を得、生来の不完全さから救われる。
今日私は、標題の番組を見て、上記のことを実感すると共に一層深く学んだ。
以下は、私がとりわけうなづかされたイチローのコメントである。
「スポニチの1月9日付記事」によれば彼のWBCでの活躍は確実に思えるが、WBCを含めた彼の今期における成功を祈念して、今一度ここに記述しておきたい。
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【1】シーズン前半におけるスランプについて
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「あっ、つかんだな」と思うことは結構あるんですよ、何年もやっていれば。
でも、短い間で消えていってしまうこともたくさんあります。
一週間は良くても、次の週はダメ・・・そして、また違うものを探してみたり・・・という繰り返しですよ。
数字が残ってしまうことで、何かに気づけなくなってしまう怖さがある、とはわかっていましたが、わかっているのにも関らず、自分がそれに騙されてしまう。
成績が残ることによって、何かしっくりこない、何かもうひとつ違うな、と感じている自分が居るのに、成績が残ってしまうことで、自分の中でそれを消してしまう。
悪い形になったものを治す難しさです。
意識をしても体にしみついた悪いものはなかなかとれない。
何がいけないのかわかれば、あとは自分のプレーをすれば結果はついてくるわけです。
それには自信があります。
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【2】5月15日の対レッドソックス戦における本塁クロスプレーについて
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(※アウトと審判されたが、実際には、キャッチャーのタッチを掻い潜ってホームインしていた。)
何年も前から、「そういうプレーがいずれ起こるかもしれない、だからその時自分がどうやってやろうか」、と外野で守っている時に考えたりするんですよ。
それがその瞬間に訪れた、ということです。
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【3】シーズン終盤の9月2日に今期二本目のバントヒットに成功したことについて
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僕は、良くない時はバントはあまりうまくいかない、って考えています。
ヒットがたくさん出ている時の方が、バントはうまくいく。
苦しい時って、バントをやって、途中までフェアでいっても、最後はファウルになったりね。
そういうもんなんですよ。
なかなかね、バントが思うようにできなかったりするんですよ。
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【4】ホームランが増えたことについて
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(※科学的な理由は、右足を早く動かすようになった為に体が大きくひねられ、以前よりもパワーを出せるようになったから、らしい。)
(フォームを修正したことが新たに)力を生んだ訳ではない。
悪い時点から考えると、そう見えるかもしれないけど。
悪い時点では、自分で力を殺していた、だけの話だ。
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【5】5年連続200本安打を達成したことについて
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200という数字に対して、誰よりも強い気持ちを持っている自信はある。
それを達成したいという気持ち、そこに行くんだという気持ち・・・。
イメージができている、ということですかね。
200のヒットに対してイメージできていることが強い。
何かを達成した瞬間って、「やった!」という気持ちにならない。
ここ何年もずっと。
とっちかって言うと、「あー良かった」。
それは、「絶対にやらなければならない」というプレッシャーを自分に与えているからでしょうけど。
恐怖心だとか不安だとか、そういう気持ちは抑えられなかった、というか避けられなかった。
それでも、苦しい中でやらなければいけないことを改めて知った。
これだけ思うようにヒットが出ない時期が続いた。
でも、200を超えていけた、というのは、昨年の262本のヒットで得た自身とはまた違う種類の自信だ。
力を出せば、必ず到達できる。
今年は力が出せなかったと思っているんで、それでも超えていけたということは、普通に力を出せれば必ず到達できる数字であるということですね、僕にとっては。
だから、大きな自信になりましたよ。
「常に」意識しているポイントは、「常に」にはならない。
これをやっておけば大丈夫というものが動いていくんですよ。
それがバッティングだと僕は思っているんですよ。
だから答えが無いし、終わりが無い。
バッティングの感覚を失ったことはないんだけど、ひとつ言えることは、バッティングは常に動いている、ということですね。
日々とはいかないですけど、ある時期が経つと、何かまた少しずつ変わっていかなくてはいけない自分が居たり、変わってはいけない部分が絶対あったり。
動くんですよね、バッティングは。
これが「(バッティングは)生き物である」という所以なんでしょうけど。
終わりが無い、というのは、そういうところから来ていると思うんですよ。
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【6】二年連続最下位でシーズンを終えた後の球団関係者とのミーティングについて
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シーズンが終わってから、僕が問題だと思ったことを素直に球団関係者にぶつけた。
そこはもう腹を割って話しをさせてもらって。
なかなかタフでしたけれどね、それは。
正直にモノを言う、ということは、なかなか難しいですよね。
まあでも、それをしなくてはいけない、と思って、このオフにしたんですけどね。
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【番外編】「スポニチの1月9日付記事」の中でうなづかされたコメント
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僕は出ますよ。
WBCは世界一を決める大会なんでしょ。
だから出る。
シンプルにそれだけ。
簡単な理由ですよ。
人の気持ちによって、自分の気持ちが変わることはない。
それぞれ事情があるから、どの選択も正解だと思う。
僕はWBCに出ることでシーズンの調整も万全にできる。
その時期にプレッシャーを背負って真剣にプレーするなんて体験はそうそうできないし、逆に公式戦に向けていい影響が出ると思う。
それにケガなんて心配していたら出られない。
(ケガを)したらしたで、そこまでの選手ということ。
だから僕には(出場を)断る理由がない
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1次リーグとはいえ、韓国に負けるとは。
正直一番負けてはいけないチームに負けたね。
怖いとかじゃなくて一生言われるよ…┐(´〜`;)┌
石井弘は「メジャー行ける」とか
約束しな??
イチロー、リベンジ誓う 1次L屈辱13打数3安打【Short Cappuccino】at 2006年03月06日 17:56