2000年02月01日

【3】「社員のやる気」を確保している企業は、多くの収益を得る。

「社員のやる気」は、企業経営にとって、要所であると同時に、最高の競合優位です。
私をそう確信させてくれたのは某国内自動車メーカーの系列販売会社(※以下”A社”と表記)のトップセールスレディ(※以下”Bさん”と表記)です。
Bさんは、多い時で月に40台近く新車を販売していました。
当時、営業マンの販売実績の全国平均値は約3台でした。
Bさんの販売実績は、驚異と言うほかありませんでした。

Bさんの驚異の販売実績は、人並み外れたやる気に拠るものでした。
Bさんの人並み外れたやる気は、超高品質な社外マーケティングの実行を促しました。
「伝説のサービス」(※註)”が頻出し、多くのお客さまが、競合企業では味わえない、満足度の高い新車購入を体験しました。

伝説をひとつ挙げましょう。

お客さま(以下”Cさま”と表記)が購入を希望する車種(※以下”D車”と表記)の説明、試乗が終わり、これから商談に入る時のことです。
Bさんは、突如、Cさまに購入車種の変更を提案しました。
それは、「Cさまの10年先のことを想像したら、Cさまが望み、そして、自分も勧めてきた”D車”を商談に取り上げるのは間違いである」旨の判断に基づく、際どい提案でした。
Bさんは、自身の判断を根拠と共にCさまに述べ、Cさまの10年先の用途やニーズも満たすであろう別の車種(※以下”E車”と表記)の購入を提案しました。
Cさまは、大いに感動し、Bさんの提案を受け入れました。
Bさんは、E車の説明、試乗を行いました。
そして、今度は何の迷いもなく、Cさまを商談へいざないました。
Cさまは、E車を即決しました。

A社の社長(※以下”F社長”と表記)は着任後まもなく社外マーケティング(※特に集客と営業プロセス)と社内マーケティング(※特に社内研修と人事業績評価)を刷新し、店舗スタッフのやる気を担保していました。
A社の店舗スタッフは、店頭営業という社外マーケティングで達成すべき目的が、「A社を信頼しA社と長期に渡って取引してくださるお客さま、即ち、『A社の上得意客』を増やすこと」であるのを得心していました。
また、彼らは、上得意客を増やすには、”その”お客さまのニーズに合った競合優位を提供し、購入満足の最大化に努めるのが欠かせないことも得心していました。
そして、Bさんは、この商談において、目先の一台を販売することの代わりに、Cさまの10年間に渡るカーライフ満足を担保することを選びました。
Bさんにそう意思決定せしめたのは、「Cさまには、何としてでも、10年先のニーズをも満たすであろうE車に乗っていただきたい!この提案で一台の実績を失っても構わない!これこそ自分にしかできない仕事だ!」という気持ち、即ち、やる気でした。

Bさんのやる気は、最高の競合優位となりました。
Bさんのやる気は、CさまのカーライフにおけるE車の価値を、そして、カーライフサポーターとしての自身の価値を、それぞれ飛躍的に高めました。
Cさまは、「支障なく付き合える営業スタッフ」ではなく「心底長く付き合いたい営業スタッフ」から、「用が足りる車」ではなく「心底欲しい車」を購入すると同時に、新車の購入が、「数年に一度強いられる苦行」から「数年に一度味わえる感動イベント」になり得ることを経験しました。

「社員のやる気」を確保している企業は高確率で、社外マーケティングの実行品質を高品質にでき、多くの収益を得ることができます。(【4】へ続く→


※註:元ノードストローム副社長のベッツィ・サンダースさんが「サービスが伝説になる時」で唱える、「お客さまの購入意思決定に影響を与えるサービス」のこと。




※参考記事
「当面、国内の飛行機はANA(全日空)を優先利用しよう!」と決意すると共に、ANAがここ数年収益向上を果たしている理由を想像するの巻
「フリーコピーの経済学―デジタル化とコンテンツビジネスの未来」を読み、企業における決定的な競合優位について再考&再認識するの巻


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