2006年06月07日

三河屋のおばちゃんにノックアウトされるの巻

六本木へ訪れた。
12時半頃、所要が済んだ。
この時間に、この場所に居るのであれば、ランチの店は決まっている。
そう、三河屋(東京・西麻布)だ。(笑)
三河屋の競合優位は、コロッケを代表とする美味揚げ物とハードフルなサービスにある。
私は、三河屋のコロッケとメンチは日本一美味しい、と思っている。

店に到着したのは13時少し手前。
入り口の前には、数名のお客さまが並んでいた。
相変わらずの繁盛ぶりだ。

私は、開いている厨房の窓から「おばちゃん、お久しぶりです!」と一声かけた。
おばちゃんは、作業の手を一瞬止めて、「あ〜いらっしゃい!」と満面の笑顔で応えてくれた。
私が三河屋を訪れるのは、一年数ヶ月ぶりだ。
しかしながら、おばちゃんは、常連客の範疇に入らない自分をこのように気遣ってくれた。
私は、おばちゃんから不意のパンチをもらい、早くもマットに沈んだ。(笑)

私は、店先で十分程並んだ後入店し、カウンターに招かれた。
私は、何の迷いも無く、ミックス(=コロッケとメンチの組み合わせ)を注文した。

すると、おばちゃんから、質問が来た。
「おにいちゃん、好き嫌いある?」
私は、次のように応えた。
「全然ありませんよ〜!」

ちなみに、カウンターに座るのは初めてだった。
私は、おばちゃんの傍に居られて嬉しかった。
私は、普段、一人で食事をとる時、食事前&中、ずっと本を読んでいる。
が、この時は、ずっとおばちゃんの一挙手一投足を見ていた。

注文してから待つこと約五分。
ミックスが配膳された。
お皿には、コロッケとメンチ、そして、チキンカツが盛られていた。

私は、おばちゃんにこう言った。
「おばちゃん、チキンカツをおまけにしてくれて、ありがとう!」
おばちゃんは、次のように応えた。
「いいよ〜。ご飯いっぱい食べてってね〜!」

そう。
注文時のおばちゃんの質問は、おまけの布石だったのだ。
おばちゃんにとってのおまけとは、その時揚げたものを単に一品添えることではなく、そのお客さまが持つ食の好み、即ち、お客さまのニーズを知り、それに応えられる揚げ物を一品添えることなのだ。
おばちゃんのおまけの本質は、個々のお客さまを、”one of them”ではなく、”only one”としてもてなす、ということだ。

おばちゃんは、お客さまの大半にこの質問を行っていた。
三河屋の雰囲気がとても良く、かつ、お客さまの多くが破顔しているのは、おばちゃんのおまけ(笑)、いやもとい、個客対応力の成果だ。
おばちゃんは非常に優れたマーケッター(=価値創造者)だ。

メニューは相変わらず美味い。
衣がサクサク揚がっていながらも、コロッケはジャガイモがホコホコで、メンチは肉がジューシィー。
チキンカツというおばちゃんの嬉しい計らいも手伝って、なんと今日はお代わりを二回もしてしまった。(笑)
当然かなり満腹したが、揚げ物をたくさん食べた時によくある胃のもたれ感は全く無い。
三河屋マジックは健在だ。(笑)

私は、平らげた食膳をカウンターの上に載せて、こう言った。
「ご馳走さま!とても美味しかったです!また来ますね!」
おばちゃんは、次のように応えてくれた。
「お腹いっぱいになった(笑)?長い時間お待たせしてごめんなさいね。ありがとうございました!」

私は、今日も、三河屋のおばちゃんにノックアウトされた。(笑)
平日に六本木界隈でランチを食べるなら、三河屋以外考えられない。



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この記事へのコメント
へぇ〜
今度行ってみよう!

西麻布といえば、「五行」というラーメン屋にはたまに行きます(本当にたまに、まだ2回。でもまた行きたいラーメン)。
Posted by GIN at 2006年06月09日 08:02
是非行ってみてください!
営業は、平日の昼のみで、かつ、食材が無くなった時点でエンドですが、大のお奨めです!

ちなみに、五行は、私の中だと、呑みながらラーメンを食らう店、という位置付けだったりします。(笑)
Posted by at 2006年06月09日 08:21