2007年01月07日

「僕の野球塾―考える力こそ最強の武器」(工藤公康・著)を読むの巻

私は、かねてから読売巨人軍の工藤公康選手に強い興味を抱いていた。
その理由は、以下の四つだ。

1.西武、ダイエー、巨人のいずれのチームにおいても、チームの優勝に貢献しているから。(→どんな環境をもプラスに導くのは、決して容易くない。)
2.40歳を超えた今も、150キロに迫る剛速球を投げる主力選手として活躍しているから。(→肉体の衰えをいかに最小化し、いかにカバーしているか、とても興味がある。)
3.笑顔がとても愛くるしいから。(→笑顔の綺麗な人に悪い人は居ない。笑)
4.私と名前が一文字一緒だから。(→名前に「公」がつく人に悪い人は居ない。爆)

そこで、私は、工藤選手が書いた書籍、「僕の野球塾―考える力こそ最強の武器(講談社)」を読んだ。
書籍の感想と授かった教訓の主だったものは、以下の三つだ。
1.工藤藤選手は、物事の筋道や人としての道理を重んじる人なんだなぁ〜。<→【教訓】持続的な成功を望むなら、物事の筋道や人としての道理を重んじるべし。>
2.工藤選手は、「なぜ?」や「では、どうしたらいいか?」をトコトン考える人なんだなぁ〜。<→【教訓】持続的な成功を望むなら、人から言われたことを鵜呑みにせず、現在の全てを疑念視し、何をどうやって果たすべきか常に考えながら行動すべし。>
3.工藤選手に加えイチロー選手も輩出した愛工大名電高校は、生徒に物事を深く&筋道立てて考えさせる教育方針&プログラムがあるのかもしれないなぁ〜。<→【教訓】子供を一流のプロ野球選手&ビジネスマンにしたいなら、愛工大名電高校に入学させるべし。笑>

先述の「工藤選手に強い興味を抱いていた理由」の1〜3は、これら三つの中の1と2でクリアされた。
この書籍を読んで良かった。(笑)

あと、ひとつ大きく触発された箇所があった。
それは「センスのウソ」という箇所(※P168)。
ここで、工藤選手は、成功しない理由を「センスがないから」という曖昧な言葉で片付けることがいかに無意味であるか、そして、成功の要件である「センス」、即ち、「物事がうまく行くロジックを編み出し、そのロジックを体現する能力」を磨くには、強い成功願望をもとに反復することがいかに重要であるか、の二つを述べている。

該当箇所の一部を以下に引用した。
あなたさまも工藤選手から触発されたなら、望外の喜びである。(笑)





★センスのウソ(P168)

よく「センスがないからダメなんです」という子供がいます。
「センス」とは、いったいどういうものだと思いますか?
感覚?
感性?
であれば、「センス」という言葉を使わずに、はっきりそういえばいいですね。
生まれ持った才能?
親から遺伝的に受け継いだ筋肉の強さ、足の速さというものはあるでしょう。
でも技術系のものを、最初から何もせずにできるようなひとなど、だれ一人いません。
また、技術がすなわちセンスのことだとしたら、「やり方」さえわかれば、だれでもできてしまうはずです。
いま、だれでもパソコンを使うことができるように。

「センス」という言葉が指し示す本当の意味は、“調整する能力”です。
「調整する」というのは、体の動きもそうですし、速さや筋肉の使い方などもそうです。
簡単に言えば、目で見た情報から、「なるほどこうやって動けば、こういうことができるんだな」と理解し、その動きを再現する力。
それこそが「センス」と呼ばれるものの正体だと僕は考えています。
視覚情報をそのまま自分の神経から伝達させて自らの筋肉をその通りに動かすことができる。
見たプレーをすぐにマネできる。
これが「センスある」といわれる状態です。

このように「センス」とは、自分の目で見たその動きに近い動きができるよう、“筋肉を調整する能力”のことだとすると、「センス」は「ある」とか「ない」というものではなくて、「磨くもの」でしょう。
小さいときから、そして普段からそういうことを意識して、考えて、目でみたその動きをすぐにマネして・・・そのくり返しをどれだけやってきたかが、「センス」の差なのだと僕は考えています。

「僕はセンスがないから野球がうまくならない」
そんなふうに思ってしまうのは、ただのマイナス思考以外のなにものでもありません。
スポーツをする人は、「うまくなりたい。だったら、自分には何が必要で、どういうことを学べばいいのだろう?」それだけでいい。
そういう前向きな姿勢が肝心です。


僕の野球塾
工藤 公康
講談社
2006-03-29




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この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

ということで、新年初カキコです。

私も今、自分のマーケットの業界の1流、イヤ超一流人の方々とお付き合いさせていただいております。
「センス」はホリさんは「調整能力」とされたので、本来もっと的確な言葉があるのかも
知れないですが、ボキャがないので、ここでは「センス」を使わせていただきますが、
元々「センス」(先天的能力?)がある人よりも、ぶきっちょだけど、考え、努力して勝ち取った人の方が、長く一流の地位を保ってるんですよね。逆に「センス(先天的能力)」がある人の方が、それに甘えちゃうから、先が伸びない。またその価値がちゃんと理解できてないから、諦めるのも簡単になっているのかも知れない、なんて気になります。元々備わってる人と、血の滲む努力をして得た人では、その価値の感じ方も変わってくるのでしょう。
(つづく)
Posted by GIN at 2007年01月07日 13:27
つまり、「先天的能力」を備え、さらに磨きをかけることが、無敵になる、ということでしょうが、どっちかしか備わらないとなると、逆に先天的能力なんてない方がよかったりするのではないか、なんて考えさせられます。

しかしその本、内容は良さそうですね。でもそのタイトルじゃ、その中身は想像できませんね。もっといいタイトルを付ければいいのに、なんて思いました。
Posted by GIN at 2007年01月07日 13:29
GINさん

> つまり、「先天的能力」を備え、さらに磨きをかけることが、無敵になる、
工藤選手は、本文にて(※上掲した該当文章)、「センス」を「調整する能力」と定義し、物事を成功させるには「先天的能力を合理的かつ高確率に最大活用する」ことが大事であり、それには「センス」を磨くことが欠かせない、とおっしゃっています。
GINさんがおっしゃることに異論はありませんが、工藤選手の考えからすると、「先天的能力に磨きをかけること」は、「先天的能力を合理的かつ高確率に最大活用する」一手段なのかもしれません。

> 今年も宜しくお願いいたします。
私の方こそ、今年もよろしくお願い申し上げます。(礼)
(※喪中につき、新年の挨拶は控えさせていただきます。)
Posted by at 2007年01月07日 14:25
> センスは磨くもの
素晴らしい格言ですネ。
努力の上に成り立っているものなんですね。

ボクの去年は、多くの時間をマイナス思考との戦いに費やしました。
しかし、堀さんをはじめとする、素晴らしい友人達のおかげで、今は随分心に平穏が訪れたと感じています。
まだまだ、問題は山積していますが、今年は一歩でも前に踏み出したい気持ちで一杯です。
そんな中、今回の記事、は心に響くものがありました。
スポーツだけでなく、日々の生活の中にも努力は必要で、何かをするために、自分を磨いていかなくてはいけません。

「センスは磨くもの」
今年のボクの合言葉にしたいと思います。

∠(`・ω・´)敬礼!。
Posted by やたすけ at 2007年01月07日 20:21
やたすけさん

> 「センスは磨くもの」
> 今年のボクの合言葉にしたいと思います。
me tooです!
Posted by at 2007年01月08日 18:40
mixiではメッセージありがとうございました
今年もよろしくお願いします。

工藤投手ですか!
元リトルリーガーで現プロ野球ファンの私としては、彼の活躍は目を引く物がありますね。
このセンスの話もそうですが、巨人のHPで工藤投手の「僕の野球術」をたまに見ているのですが、これを見るだけでも野球だけでなく人間的にも大きい方だということがよくわかります。
是非一度ご覧になってみてください。(というかすでにご存じでしょうか?)
http://www.giants.jp/G/person/kudou/index.html
Posted by ヤッシー at 2007年01月09日 11:22
ヤッシーさん

> 元リトルリーガー
なんと!
野球オンチの私は大いに尊敬申し上げる次第です。(笑)

> 野球だけでなく人間的にも大きい方だということがよくわかります。
同感です。
成功者は、おしなべて、人間が大きいです。
私も大きな人間になりたいです!(笑)

> 是非一度ご覧になってみてください。(というかすでにご存じでしょうか?)
はい、存じていました。(笑)
工藤選手のブログも是非一度ご覧になってみてください。(というかすでにご存じでしょうか?笑)
 http://www.tokyoheadline.com/blog/kudo/
(本記事からトラックバックをはってしまいました。笑)
Posted by at 2007年01月10日 08:16