2006年07月01日

J・アート・レストランシステムズ、望月広愛社長の講話を聴くの巻

337923e0.JPG(注)文中の赤フォントは、望月社長から頂戴した修正のご提案をもとに、堀が修正&加筆した箇所です。

J・アート・レストランシステムズという会社がある。
この会社は、イタリアンレストラン”ロッソえびすや”を中京圏でチェーン展開している。
かつて倒産寸前の状態に陥ったものの、見事に復活を遂げ、昨年は日本経営品質賞を受賞した

同社が現在あるのは、望月広愛社長の優れた人格と経営品質に負うところが大きい。
私は、それらを学ぶべく、望月社長の講話を拝聴した。

講話の骨子は以下の通りだ。
【1】規模性の追求を可能とする財務力に乏しい中小企業にとって、収益を生み出せるか否かは、業務プロセスの生産性如何にかかっている。

【2】業務プロセスの生産性を高める最大の因子は、社員の自主性と創造性である。

【3】社員が自主性と創造性を発揮するのは、やる気に満ちている時である。

【4】社員がやる気に満ちているのは、仕事に対してやりがいや楽しさを感じている時である。

【5】社員がやる気を大きく下げるのは、全社員が共有すべき価値観を否定している人や全社員が向かうべき方向に背いている人を見た時、及び、社内の反道徳的コミュニケーションでストレスを感じた時である。

【6】社員が仕事に対してやりがいや楽しさを最も感じるのは、お客さま満足の創造に成功した時である(→ゆえに、顧客満足は社員満足の最大要件であり、優先すべきは社員満足)。

【7】社員や現場の属人性及び自己犠牲に多くを依存したお客さま満足の創造は、会社の永続的な「競合優位」はもちろん、「収益源」にもならないことに加え、社員や現場を大きく疲弊させる。

【8】優れた人材の採用を可能とするリクルート力に乏しい中小企業にとって、社員は、お客さま以上に獲得が困難である。

【9】経営には、<1.従業員重視>、<2.顧客本位>、<3.独自能力>、<4.社会との調和>、の4つの理念を達成することが欠かせない。

【10】以上のことから、中小企業の経営者は、<1.従業員重視>を最優先理念と認識し、該理念を達成するべく、全社員が同じ道徳観と価値観を持ち、同じ方向を向いて永続的に頑張れる風土及び仕組みを創らなければいけない。

【11】自分は、中小企業の経営者として、全社員が同じ道徳観と価値観を持ち、同じ方向を向いて永続的に頑張れる風土及び仕組みを創るべく、「8つの約束事」、「3つのスローガン」、「情報カード」、「経営品質自己診断シート」の浸透、実行に日々励んでいる。

私が強く気づかされたのは、二つある。
ひとつは、【6】の「顧客満足は社員満足の最大要件」という考え。
もうひとつは、【5】と【10】の「会社が掲げた道徳観、価値観、方向性を浸透させることに経営者が執心するのは、それらに則って頑張っている社員が、それらに背いている社員を見て、自分の頑張りを馬鹿らしく思わせない為」という考えだ。

なぜ、私は、「顧客満足は社員満足の最大要件」という考えに強く気づかされたのか。
それは、この考えが、「社員を満足させる為に顧客を満足させる。」という、私にとってお初の考えを包含していたからだ。
私は、これまで、望月社長と同様、経営において最優先すべき理念は「従業員重視」と考えてきたが、顧客満足を醸成する最大理由が社員満足の醸成にあると考えたことはなかった。
正直なところ、私は、この考えがいかなる中小企業の、いかなる社員にも適うとは思わない、
が、経営者がこの考えを確信し、かつ、社員にこの考えを高確率で得心させられるならば、この考えは合理だ。

なぜ、私は、「会社が掲げた道徳観、価値観、方向性を浸透させることに経営者が執心するのは、それらに則って頑張っている社員が、それらに背いている社員を見て、自分の頑張りを馬鹿らしく思わせない為」という考えに強く気づかされたのか。
それは、前者の社員が後者の社員(を会社が看過しているの)を見ることによってやる気が殺がれるのを、これまで望月社長ほど危惧してこなかったからだ。
人間は、元来、弱い生き物であり、易きに流れるものだ。
「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉もある。
この考えは正に合理だ。

私は、講話が終了した後、望月社長に個別質問させていただいた。
質問の内容とは以下の通りだ。

<Q1>
会社が掲げる価値観や方向性を受け入れようとしない社員が居る場合、自分は、受け入れて頑張っている社員が成功するよう全面支援すると共に、そうした社員が増えるのを信じることが賢明であると考え、実行してきたが、これは是か非か?
→是だ。リーダーは、焦らることなく、やり抜くしかない。

<Q2>
社員が「情報カード」を寄せる効果的なインセンティブとして、一件500円の金銭授与以外にどのようなことをしたか?
→具体的には無い。情報カードを始めた99年の総提供料は3万円(=情報カード60枚相当)だったが、2005年は29万円(=情報カード580枚相当)だが、その間自分が行ったことは、ひたすら(社員が情報カードを寄せてくれるのを)待ち、寄せてくれたカードに対しできる限り早く、遅くとも翌日の朝までにコメントすることだった。私は、当分、海外旅行には行けないと思っている。(笑)

望月社長は、三時間に渡って気づきと再認識に溢れた講話をしてくださったのみならず、私ごときの質問にも熱心に応えてくださった。
感謝、感謝、また、感謝である。(敬礼)





印象に強く残った内容

CSはアメリカから来た考えということもあり、90年代前半など、誤って伝えられていたものだ。
例えば、栃木で自動車を売ったお客さまが仙台でエンコしてそれを引き取りにいったとか、雨の日銀行に自転車でお越しになったお客さまのサドルにビニールカバーをかけたとか。
これらは、経営品質を推進するという視点で考えると、間違ったCSだ。
現場の積み上げによるCS活動は、会社の永続的な差別化要因にはなりにくい。

企業が達成すべき経営理念は、<従業員重視>、<顧客本位>、<独自能力>、<社会との調和>、の4つだ。
経営品質のフレームワークによると、<顧客本位>に1と数字がふられている。
これは間違いではないかと感じている
当社でも顧客満足を第一にして経営をしていた時は、全然儲からないどころか、社員が疲弊してしまった。
社員の自己犠牲に依存したCS活動はナンセンスなのだ。

結論から言うと、達成すべき経営理念の一番目に来るのは、<従業員重視>だ。
私が書いた「超・お客様満足主義」という本の「超」の意味は、「超える」という意味だ。



私が経営している中小の飲食業では、社員に大企業のような給与を払えない。
しかも、盆暮れ正月は仕事だ。
お客さまの代わりはいるが、社員やアルバイトさんの代わりはそうそういない。
お客さまよりも社員の満足を重視する大きな理由に、こうした事情もあったりする。

このような事情のもと、永続的に卓越した業績を上げるには、社員を大事にすることが重要だ。
社員を大事にすれば、会社は必ず永続的に儲かる。

短期的に業績を上げるならば、必ずしも社員を大事にする必要はない。
手っ取り早い方法は、脅すことだ。

かつて信長は、比叡山を焼く際、部下の秀吉や明智光秀と次にようなやり取りをした。
信長「比叡山を焼け!」
秀明「ええ〜そんなことをしたら、どんなことになるか・・。」
信長「焼かぬなら、お前たちを切る!」

昔は、刀や鉄砲で脅せば、人は言うことを聞いた。
が、今は違う。
社員は、上司の命令が受け入れられなければ、辞めて、他の会社へ行く。

私は、途中一度クビになったが、7年間に渡ってこの会社を経営してきた。
この7年間は、経営品質のフレームワークよりも自分の経営哲学を優先するオーナーとの戦いだった。
休みや待遇などは、それまで勤めていた大企業と比べると、全く比較にならない。
それでも私は、自分が信じた経営品質のフレームワークをやり切りたかった。
なぜならば、それが自分のアイデンティディだからだ。

ちなみに、私は、この会社に来た当初、驚いてばかりいた。
店長会議など、ひどいの一言だった。
会議であるにも関らず、列席している店長は誰も口を開かない。
私は、彼らに、なぜ発言しないのか尋ねた。
すると、次のような返答があった。
「ここで私が何か言ったら、午前中で終わる会議が三時までかかってしまう。
だから、何も言わないのが最高の業務効率化なのです。」
しかも、会議の途中で、私に、「現場を知らない癖に、何言ってんだ!」とくってかかる人が居た。
更に、その者に、「テメエ、社長に向かって何てこと言いやがんだ!」と殴りかかる人も居た。
私は、これが中小企業の実態なのだ、とつくづく驚いた。

話は少し脱線したが、先のような事情があり、人はなかなか入ってくれない。
しかも、入ってくれても、物事の考え方や価値観はバラバラだ。
ゆえに、全社員が価値観を共有することはとても重要であり、経営品質のフレームワークをやり切ることが求められた。

経営品質のフレームワークには、以下のカテゴリーがある。
1.リーダーシップ
2.社会的責任
3.お客様の理解と対応
4.戦略
5.人材
6.プロセス
7.情報マネジメント
8.活動成果
これらのカテゴリーは、いずれも相互依存的に結びついており、単独では成立しない。
経営者以下全社員は、このことを理解し、いずれのカテゴリーも実行しなければならない。

経営資源に乏しい中小企業は、これらのカテゴリーを「少ない仕組みで」網羅的に実行しなければいけない。
私は、その仕組みとして、「情報カード」を導入した。
弊社は、正しいことを正しく言える会社なので、「情報カード」で社長を批判しても問題は全くない。
「情報カード」の実行を続ける内に、社員は次のことに気づいた。
「儲けたければ、業務プロセスが効率的に動かなければいけない。」
「業務プロセスを効率化する(=生産性を高める)には、人がやる気になっていなければいけない。」
「人がやる気になるには、リーダーシップ、社会的責任、戦略といった他のカテゴリーの品質が向上しなければいけない。」

当社の「情報カード」をベンチマークし、提案制度として導入した会社の多くは失敗している。
社員からすると、提案などそうそう出せるものではない。
ネタが尽きてくるのだ。
「情報カード」には種類が三つあり、赤、青、白と色で分けている。
その中のひとつ、「青カード」は同僚やお客様から頂けたお褒めだ。
社員からすると、「青カード」だと出し易い。

現場から業務の改善提案を募りたければ、この形をとるのが賢明だ。
青カードは社員が案出した工夫の成果であり、そこには必ず改善提案のヒントが含まれているものだ。

経営が失敗する主因は、現場から一番遠い人間が意思決定を行うことにある。
「アンケート」と「情報カード」は、経営者である私にとって、現場を知る重要なツールだ。
現場から紙で出されたそれらは、情報共有と対策を迅速に実行するべく、データ入力され、全店舗へメール配信&HPへアップされる。
お客さまからクレームが出た際は、情報を確認した後、迅速に改善会議を実施し、その議事録をお客さまへ送付している。
こうしたことが実り、クレーム、それも特に感情的なクレームが激減した。

「8つの約束事」を創り、誓約書にした。
「8つの約束事」を遵守する旨を、社員、アルバイトさん、業者に誓約してもらうと共に、自分も誓約している
1.約束事を守ります。
2.嘘をつきません。
3.愚痴、陰口を言いません。
4.トライする前に出来ないと言いません。
5.失敗を他人のせいにしません。
6.積極的に発言し、果敢に行動します。
7.他人の意見を聞きます。
8.人として恥ずかしいと思うことはしません。

これらの8つの事項は、毎日朝礼で一つずつ社員&アルバイトさんが交替でスピーチするようにしている。
これによって、最も大切なトップの経営理念の浸透を深めている。

「8つの約束事」に恥じぬよう、弊社は、企業として正しいことをやる抜くことに徹している。
弊社は、アルバイトさんも雇用保険、社会保険に加入している。
これは、とてもコストがかかることなので、飲食業では珍しいことだ。
が、普段からこのような姿勢を取っているお陰で、労働基準局が来た際、指摘されることは殆ど無かった

「8つの約束事」を始めてから数年の内に、辞めてもらいたい人が、順々に辞めてくれた。
入社して三日以内に辞めるアルバイトさんは、決して少なくない。
一方、この考えに共感して入社し、定着してくれるアルバイトさんが出てきた。
結果、足を引っ張る人が居なくなった分、会社全体の生産性は高まった。

経営理念が浸透すると、社員は変わり、成長する。
経営品質の審査員が、現地審査の際、女性のアルバイトさんに、経営理念の具体行動例を問うた。
彼女は、こう言った。
「以前は、夜遅く帰ると、女友達と一緒に居た、と親に言っていた。が、今は嘘をついてはいけないなと思って、男友達と居た、と正直に言うようになった。」
彼女は、<2.嘘をつかない。>という経営理念を実践し始めていた。


経営理念は、社員やビジネスパートナーはもちろん、お客様にまで浸透させるものだ。
リッツ・カールトンのクレドは、お客様に浸透している。
リッツ・カールトンでパーティがあると、訪れた人の多くがクレドの提供を望み、ホテル側がクレドを切らしてしまうほどだ。


「8つの約束事」を実行している内に、社員は大きく成長した。
彼らは、経営理念を「もっと創造的なものにしたい!」と言ってきた。
そして、自分達の手で、「3つのスローガン」を創った。

1.美味しさの追求
今年は創業10周年となり、原点に戻り本来の味、そしてお客様の求める味とはなにか、再度突き詰めたいと思います。
2.利他主義の徹底
「人のために仕事する、周囲の人が楽になるように仕事すること」が結局自分自身と全員の仕事を楽にし、生産性は向上します。
3.ありがとうの追求
青カードをとにかくたくさん出しましょう。お客さまからありがとうとどれだけ言っていただけるか、そして周囲の仲間にどれだけありがとうと言えるか。これが全てです。ありがとうが言えない職場や人では、絶対にお客さまに喜ばれるオーラはお店として出せません。今年はこれを追及します。

電車に乗った時、老人が居るのを知って、狸寝入りする人が居る。
そんな人が集まった会社は、概して、うまくいかない。
なぜならば、「私、そんなこと知りません。聞いていません。」という社員が増えるからだ。
反道徳的なコミュニケーションは、このような思いやりを欠く言葉や、「バカやろー」とか「ムカつく」といった侮蔑的な言葉から生まれる。

反道徳的なコミュニケーションが飛び交う有り様は、正に生き地獄だ。
そこでは、良いことを行っても否定され、足の引っ張りあいが行われているので、社員は、お客さまに対して使うべきやる気とエネルギーを殺がれてしまう。
やる気とエネルギーが殺がれた社員は、仕事をつまらなく感じ、業務プロセスの生産性を落とす。
会社が崩壊の一途を辿った前社長の経営時代、社内は正にこの状態で、「ありがとう」の言葉など一切無かった。

「近江商人の三方得」という言葉がある。
これは、「お客様(買い手)、社会、自分(売り手)の三者が喜べる商売をせよ」という商人の心得だ。
「社会を喜ばせる」ということは、経営品質のフレームワークでは<社会的責任>に該当する。
よく、「会社が儲かったら、社会貢献をしろ!」と言っている人が居るが、それは順番が違う。
儲けたければ、まず社会的責任を果たすべきだ。
なぜならば、「人に優しくなること」、「人を思いやること」といったものこそ、業務プロセスの生産性を最も高める因子だからだ。
人に優しくすると、自分の気持ちが良くなる。
自分の気持ちが良くなると、自分が行う業務プロセスの生産性が高まる。
社員全員の気持ちが良くなると、会社全体の生産性が高まる。

弊社は、朝礼で接客五大用語を手話を使って練習している。
現場で実践した際、ごくたまにではあるが、お客さまから「おいしかったです」と手話で応えていただける。
社員は、手話を介してお客さまと心が通じ合えたことに大きな喜びを感じ、業務プロセスの生産性を劇的に高める。

歌手の倖田來未さんが「中居正広の金曜日のスマたちへ」というテレビ番組で、次のような話をしていた。

「水は答えを知っている」(著・江本勝)を読んだ。
この本によると、水は、「バカやろー!」と罵られると、結晶が乱れる一方、「キレイだよ」とか「ありがとう」と褒められると、結晶がすごくキレイになる、という。
人体は殆ど水でできている。
人も、「キレイだよ」とか「ありがとう」と褒められると、キレイになる。

倖田來未さんがテレビで取り上げた為、江本さんのこの著書は、今とても売れている。
が、それはそれとして、私はこの考えはアリだと思っている。
「ありがとう」という言葉が発するオーラは、村上世彰さんには見えないかもしれないが、見える人には見える。
少なくとも、お客さまには見える。

社員のことを思えば思うほど、お客さまに喜んでもらいたい(満足していただきたい)。
なぜならば、社員の喜び(満足)は、「他者から認められること」であり、そして、その最たるものは、「お客さまに喜んでもらう(ご満足いただく)こと」だからだ。
満足したお客さまは、弊社へお客さまを連れて来てくれることに加え、社員へ「ありがとう」と言ってくれる。
お客さまから「ありがとう」と言われた社員は、やる気を高める。
やる気が高まった社員は、業務プロセスの生産性を高める。
お客さまは増え、社員の生産性は高まると、会社の業績は伸びる。

弊社のアルバイトさんは、給料が少ないからといって辞めたりしない。
が、「(上司や同僚から)バカやろー!」と言われたら、辞める。

弊社で一番の経営戦略は、「アルバイトさん満足の向上」だ。
現在、大手外食チェーンが社員やアルバイトを募集すると、10億円くらいすぐにかかってしまう。
外食業で10億円稼ぐには、200億円もの売上が必要だ。

アルバイトさんが辞めなければ、募集する必要は無くなり、先の10億円を浮かせることができる。
経営戦略を実行するということは、経営資源を再配分するということだ。
弊社は、経営資源を再配分する際、「それは、お客さまや現場が喜ぶ、納得する、やる気が出ることか?」という視点で意思決定している。
「アルバイトさん満足の向上」は、この視点をクリアしている。

弊社は、「商品」や「技術(スキル)」に多くの独自性を持っている。
例えば、セントラルキッチンを使わず手作りにこだわっていること、最高級の小麦粉を時間と手間隙をかけてピザを焼いていること、ヒルトンホテル出身の料理長直伝の職人技がアルバイトでも調理できる仕組みを持っていることなど。
「商品」や「技術(スキル)」に独自性を創る一番の理由は、社員に自信を持って営業をしてもらう為だ。
しかし、それらの独自性を恒常的に創るのは非常に困難であり、かつ、創っても、早晩、競合企業からベンチマークされ、独自性でなくなる。
独自能力(コアコンピタンス)を真に担保する独自性は、「商品」や「技術」のそれではなく、自主性と創造性を育む仕組みとしての「風土」のそれだ。

風土の独自性を創り、競合企業と差別化を果たしている企業として、リッツ・カールトンは有名だ。
このリッツ・カールトンも、1980年頃、倒産寸前に追い込まれた。
なぜ、リッツ・カールトンは再生できたのか?
それは、新経営陣が、「ベッドメーキングをするよりも、料理を作ることよりも、宴会をセットする人よりも、クレドの内容を実行することの方が重要だ(=クレドの内容を実行することが、我々にとって最も大事な仕事である)」と明言し、全員に徹底したからだ。



(※該記事は、望月社長の著書「従業員満足のための顧客満足 文句ばかりの会社は儲からない」の原稿として活用されることになりました!



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この記事へのコメント
目から鱗でした。

自分が今の会社で不満に思っていることを全て文章にしてもらったような感じです。
なぜか読んですっきりしました。
Posted by ヤッシー at 2006年07月10日 22:29
5
目からうろこでした。読んでいてこういう人の下で働きたいと心から思いました。

私は自己犠牲大好き人間ですので(笑)、こういう経営者の下で働くと、おそらく自分の能力を最大限発揮しちゃうと思います。

同時に今の会社への不満というものを自分の中で論理的に理解することができました。
Posted by ヤッシー at 2006年07月10日 22:36
5
ヤッシーさん

ヤッシーさんも望月社長のお考えに気づきがあったようですね。
お役に立てて光栄です。(礼)
次は、「なぜ、ウチの社長は、社員満足を重視しないのだろうか?→彼が考える、社員満足の向上よりも優先順位が高い取り組みとは、一体何なのだろうか?→なぜ、彼は、その取り組みの方が優先順位が高いと考えているのだろうか?・・・彼がこのように考えている中、自分は何に自助努力を尽くすのが最善なのだろうか?」という風に考えてみることをお勧め致します。
Posted by at 2006年07月11日 19:30
望月先生の講義に参加させていただき、ネットサーフィンしていたら、最初にこのブログがヒットしました。
私も以前は価値創造経営(顧客・株主・従業員)がさも三権分立しているようなイメージを抱いておりましたが、リッツのケース、経営品質について学ぶにつれて、モチベーションの高い、やる気のある、活き活きとした従業員が顧客満足、顧客価値を最大化するという考え方がストンと腹に落ちました。拝聴して実に気持ちのいい講義でした。
私も以前飲食経験があり、包丁とか鍋を投げられたこともありますし、別の意味で共感した部分もありますがf^^;
Posted by 牧 亮 at 2009年05月10日 07:35
牧さん

こんにちは、堀です。
初コメントをありがとうございます。(礼)

牧さんは、過去調理スタッフさんから包丁や鍋を投げられたご経験がおありとのこと。
何ゆえにそうなったのかはわかりかねますが、そのご経験が今日の牧さんの血肉になっているのは間違いありません!

牧さんも望月さんから多くの教示を賜ったとのこと。
牧さんが価値創造経営を全うされるよう祈念しております!
Posted by 堀 公夫 at 2009年05月11日 10:30