2006年09月23日
J・アート・レストランシステムズの望月広愛社長から新書「文句ばかりの会社は儲からない!―従業員満足のための顧客満足」を献本頂くの巻
一昨日、帰宅すると、私宛に小荷物が届いていた。
送り主は、J・アート・レストランシステムズの望月広愛社長。
そう。
望月社長は、私の「望月社長の講話レポート」を活用して執筆された新書を送ってくださったのだ。
送り主は、J・アート・レストランシステムズの望月広愛社長。
そう。
望月社長は、私の「望月社長の講話レポート」を活用して執筆された新書を送ってくださったのだ。
私は、望月社長から、「出版が完成したので近日中に献本したい」旨のメールを21日に頂戴していた。
が、まさか、こんなにも早くお送りいただけるとはつゆも思っていなかった。
私は、望月社長のお心遣いがとても嬉しく思えた。
昨日、私は、献本いただいた「文句ばかりの会社は儲からない!―従業員満足のための顧客満足」を読破し、多くのことに気づかされた。
私が最も強く気づかされたのは、「お客さまの立場で考えない、即ち、お客さまの事情やニーズを勘案すると共にそれを叶えるべく積極努力しないのは、お客さまを騙し、結果、お客さまの購入時満足を減じさせるのみならず、お客さまが獲得できたであろう利益を奪う怖れがある」、ということだ。
(※該当箇所の「社会やお客をだましてでも売上が上がればよい?」を末に転記させていただいました。)
私がこのことに最も強く気づかされたのは、つい先日私も、望月社長同様、このことを本質とした出来事に遭遇していたからだ。(笑)
ヤフオクに出品していたアイテムが落札され、それを落札者さまへ送ることになった。
私は、某大手宅配企業Kのサービスを利用することにした。
webページを見ると、そのサービスには、「平日割引」というオプションがあった。
私は、出品する際、送料を落札者さま負担とさせていただいていた。
落札者さまは、落札物の到着日を指定されなかった。
私は、クライアントワークを除き、自宅で仕事をしていることが多い。
ゆえに、私は、この「平日割引」を利用して、アイテムを落札者さまへ送りたいと考えた。
アイテムは、コールセンターの担当者から提示された平日の集荷&到着予定日にて、無事集荷された。
しかしながら、「平日割引」の利用は叶わなかった。
Kが「平日割引」の適用を除外した理由は、以下の二点だった。
一点目は、「堀が平日割引を利用したい旨を明言しなかったから」。
二点目は、「堀がコールセンターの提示した到着予定日を了承したことを、到着予定日を指定したのと同義と受け取り、到着日を指定しないという平日割引の条件に背いたと判断したから」。
私はKとひと悶着した。(笑)
Kは、詫びの言葉を示した。
が、自らが犯したミス及びそれを誘発した業務遂行姿勢を省みているとは思えない口調と言葉遣いを連発した。
私は、とても寂しい気持ちになった。
そして、落札者さまに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、身を引いた。
競合がひしめく現代において、企業が収益を確保&伸張するには、お客さまの立場で考える、即ち、お客さまの事情やニーズを勘案すると共にそれを叶えるべく積極努力する社員を擁する必要がある。
企業がそうした社員を擁するには、そうした社員を高確率かつ持続的に創出できる仕組みが欠かせない。
その際、企業経営者がとりわけ勘案すべきことは、以下の四つである。
1.社員が、「企業利益は、お客さまが自分達社員の提供した競合優位を肯定評価(満足)した結果である」、と理解できること。
2.社員が、「お客さまから否定評価された時は地獄の感を抱くものの、肯定評価(満足)いただいた時は天国の感を抱く」、と得心できること。
3.社員が、「お客さまの評価が肯定的になるか否定的になるかは、業務の内容と品質の良否に加え、業務の遂行姿勢がお客さま視点に則って入るか否かによって決まる」、と理解できること。
4.社員が、「お客さま満足を最大化するための努力は、会社から支援(担保)されている」、と安堵できること。
5.社員が、「4の結果は、会社から肯定&公正評価されている」、と安堵できること。
とにもかくにも、望月社長は、ご著書を通じて、またしても私に貴重な気づきを授けてくださった。
筆を使ってサインしてくださったこと、「はじめに」(P1〜20)で私の文章をふんだんにご活用くださったこと、「おわりに」のP212に弊社と私の名前をクレジットしてくださったことと併せて、心からお礼を申し上げたい。(敬礼)
●社会やお客をだましてでも売上が上がればよい?(P135)
今時、お客さまをだましても売上や業績を上げればよい、などと思っている販売店などあろうはずもありません。しかしながら、だましているつもりがないのに、結果としてお客さまに損害を与えている例など枚挙にいとまはありません。例として、先日私が経験したJRでの出来事をご紹介したいと思います。
私は出張が多いので、新幹線のチケットをまとめて買います。ある日もJR東海の東京駅の窓口で、博多〜名古屋、一日おいて、名古屋〜前橋というチケットを事前に買っておこうとして、窓口の女性の方に発券を依頼しました。大変愛想もよく、言ったとおりのチケットを渡してくれたので、その場では不満もなく、「ありがとう」と言って、気持ちよく東京駅から新幹線に乗りました。
数日後、博多駅で新幹線の改札に入る際、ふと、博多〜前橋の通しの乗車券を買えば安かったのではと駅員に聞くと、「そうですよ、お客さん、なぜバラバラに買ったんですか?」と逆に言われてしまいました。「東京駅でこのように乗ると言ったら、このように発券されたんですよ」と言ったら、「それはお客さんの言ったとおりにしたんだから仕方ないでしょう」と返され、私が「通しで乗車券を買ったらいくら安かったんですか?」と聞き返したら、「4,100円です」とのことなので「それなら払い戻してください」と依頼したら、「東京駅でなければできません」と冷たい一言。その場で博多から東京駅に行けるはずもありません。
この話を知って、ある保険の代理店さんは「JR東海は気が利かないね」と言いました。しかし、保険の代理店さんも、お客さまの言いなりで契約したり、継続したりして、JR東海と同じようなことをしていないでしょうか?保険の不払い・未払い問題ということはJRの出来事とそれほど変わりないと思います。
たとえば保険の更新や継続をした後になってお客さまから「最近良い商品があるらしいね。あっちに変更してくれよ」と言われ、「来年までできません、お客さんがあれで良いと言ったじゃないですか」「じゃ、なんであのとき言わなかったんだ」となり、すったもんだしたりすることは日常茶飯事です。
要は、コンプライアンスというのは、お客さまのことを考え、ほんの少しでもお客さまに歩み寄ることで守られるんだということです。はじめからお客さまの言いなりではなく「こんなこともできるんですよ」とお客さまの立場から一言加えて差し上げることで、問題を未然に防止することにもつながるのです。
難しく考えず、シンプルにお客さまの立場で考えることの積み重ねが、トラブルをなくすことにもなるのです。経営品質を高めるということは、まさしくこのような正しいことを積み重ねていくということを意味します。
▼その他記事検索
トップページ < ご挨拶 < 会社概要(筆者と会社) < 年別投稿記事/2006年
が、まさか、こんなにも早くお送りいただけるとはつゆも思っていなかった。
私は、望月社長のお心遣いがとても嬉しく思えた。
昨日、私は、献本いただいた「文句ばかりの会社は儲からない!―従業員満足のための顧客満足」を読破し、多くのことに気づかされた。
私が最も強く気づかされたのは、「お客さまの立場で考えない、即ち、お客さまの事情やニーズを勘案すると共にそれを叶えるべく積極努力しないのは、お客さまを騙し、結果、お客さまの購入時満足を減じさせるのみならず、お客さまが獲得できたであろう利益を奪う怖れがある」、ということだ。
(※該当箇所の「社会やお客をだましてでも売上が上がればよい?」を末に転記させていただいました。)
私がこのことに最も強く気づかされたのは、つい先日私も、望月社長同様、このことを本質とした出来事に遭遇していたからだ。(笑)
ヤフオクに出品していたアイテムが落札され、それを落札者さまへ送ることになった。
私は、某大手宅配企業Kのサービスを利用することにした。
webページを見ると、そのサービスには、「平日割引」というオプションがあった。
私は、出品する際、送料を落札者さま負担とさせていただいていた。
落札者さまは、落札物の到着日を指定されなかった。
私は、クライアントワークを除き、自宅で仕事をしていることが多い。
ゆえに、私は、この「平日割引」を利用して、アイテムを落札者さまへ送りたいと考えた。
アイテムは、コールセンターの担当者から提示された平日の集荷&到着予定日にて、無事集荷された。
しかしながら、「平日割引」の利用は叶わなかった。
Kが「平日割引」の適用を除外した理由は、以下の二点だった。
一点目は、「堀が平日割引を利用したい旨を明言しなかったから」。
二点目は、「堀がコールセンターの提示した到着予定日を了承したことを、到着予定日を指定したのと同義と受け取り、到着日を指定しないという平日割引の条件に背いたと判断したから」。
私はKとひと悶着した。(笑)
Kは、詫びの言葉を示した。
が、自らが犯したミス及びそれを誘発した業務遂行姿勢を省みているとは思えない口調と言葉遣いを連発した。
私は、とても寂しい気持ちになった。
そして、落札者さまに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、身を引いた。
競合がひしめく現代において、企業が収益を確保&伸張するには、お客さまの立場で考える、即ち、お客さまの事情やニーズを勘案すると共にそれを叶えるべく積極努力する社員を擁する必要がある。
企業がそうした社員を擁するには、そうした社員を高確率かつ持続的に創出できる仕組みが欠かせない。
その際、企業経営者がとりわけ勘案すべきことは、以下の四つである。
1.社員が、「企業利益は、お客さまが自分達社員の提供した競合優位を肯定評価(満足)した結果である」、と理解できること。
2.社員が、「お客さまから否定評価された時は地獄の感を抱くものの、肯定評価(満足)いただいた時は天国の感を抱く」、と得心できること。
3.社員が、「お客さまの評価が肯定的になるか否定的になるかは、業務の内容と品質の良否に加え、業務の遂行姿勢がお客さま視点に則って入るか否かによって決まる」、と理解できること。
4.社員が、「お客さま満足を最大化するための努力は、会社から支援(担保)されている」、と安堵できること。
5.社員が、「4の結果は、会社から肯定&公正評価されている」、と安堵できること。
とにもかくにも、望月社長は、ご著書を通じて、またしても私に貴重な気づきを授けてくださった。
筆を使ってサインしてくださったこと、「はじめに」(P1〜20)で私の文章をふんだんにご活用くださったこと、「おわりに」のP212に弊社と私の名前をクレジットしてくださったことと併せて、心からお礼を申し上げたい。(敬礼)
●社会やお客をだましてでも売上が上がればよい?(P135)
今時、お客さまをだましても売上や業績を上げればよい、などと思っている販売店などあろうはずもありません。しかしながら、だましているつもりがないのに、結果としてお客さまに損害を与えている例など枚挙にいとまはありません。例として、先日私が経験したJRでの出来事をご紹介したいと思います。
私は出張が多いので、新幹線のチケットをまとめて買います。ある日もJR東海の東京駅の窓口で、博多〜名古屋、一日おいて、名古屋〜前橋というチケットを事前に買っておこうとして、窓口の女性の方に発券を依頼しました。大変愛想もよく、言ったとおりのチケットを渡してくれたので、その場では不満もなく、「ありがとう」と言って、気持ちよく東京駅から新幹線に乗りました。
数日後、博多駅で新幹線の改札に入る際、ふと、博多〜前橋の通しの乗車券を買えば安かったのではと駅員に聞くと、「そうですよ、お客さん、なぜバラバラに買ったんですか?」と逆に言われてしまいました。「東京駅でこのように乗ると言ったら、このように発券されたんですよ」と言ったら、「それはお客さんの言ったとおりにしたんだから仕方ないでしょう」と返され、私が「通しで乗車券を買ったらいくら安かったんですか?」と聞き返したら、「4,100円です」とのことなので「それなら払い戻してください」と依頼したら、「東京駅でなければできません」と冷たい一言。その場で博多から東京駅に行けるはずもありません。
この話を知って、ある保険の代理店さんは「JR東海は気が利かないね」と言いました。しかし、保険の代理店さんも、お客さまの言いなりで契約したり、継続したりして、JR東海と同じようなことをしていないでしょうか?保険の不払い・未払い問題ということはJRの出来事とそれほど変わりないと思います。
たとえば保険の更新や継続をした後になってお客さまから「最近良い商品があるらしいね。あっちに変更してくれよ」と言われ、「来年までできません、お客さんがあれで良いと言ったじゃないですか」「じゃ、なんであのとき言わなかったんだ」となり、すったもんだしたりすることは日常茶飯事です。
要は、コンプライアンスというのは、お客さまのことを考え、ほんの少しでもお客さまに歩み寄ることで守られるんだということです。はじめからお客さまの言いなりではなく「こんなこともできるんですよ」とお客さまの立場から一言加えて差し上げることで、問題を未然に防止することにもつながるのです。
難しく考えず、シンプルにお客さまの立場で考えることの積み重ねが、トラブルをなくすことにもなるのです。経営品質を高めるということは、まさしくこのような正しいことを積み重ねていくということを意味します。
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この記事へのコメント
さっそく購入させていただき、勉強させていただきます!
Posted by ヤッシー at 2006年09月23日 23:55
good ideaです!
また、該書籍のご購入に関しては、望月社長に成り代わりまして、心からお礼を申し上げます。
また、該書籍のご購入に関しては、望月社長に成り代わりまして、心からお礼を申し上げます。
Posted by 堀 at 2006年09月25日 18:34
私も一読してみたいですね。
ご紹介ありがとうございます。
ご紹介ありがとうございます。
Posted by しーほーす at 2006年10月01日 23:59
しーほーすさん
> ご紹介ありがとうございます。
いえいえ、どうもです。
しーほーすさんのご感想、お待ちしております!
望月さんが経営しているレストランは、しーほーすさんのお住まいから比較的近くに立地していると思います。
是非、向学を兼ねて、一度行ってみてはいかがでしょうか!
> ご紹介ありがとうございます。
いえいえ、どうもです。
しーほーすさんのご感想、お待ちしております!
望月さんが経営しているレストランは、しーほーすさんのお住まいから比較的近くに立地していると思います。
是非、向学を兼ねて、一度行ってみてはいかがでしょうか!
Posted by 堀 at 2006年10月02日 06:25
すぐそばですね。
よく前を通りますが、確かによく混んでいます。
本はもちろんですが
これは1度行って見なければなりません
よく前を通りますが、確かによく混んでいます。
本はもちろんですが
これは1度行って見なければなりません
Posted by しーほーす at 2006年10月02日 21:25
しーほーすさん
> よく前を通りますが、確かによく混んでいます。
> これは1度行って見なければなりません
ミステリーショッピングレポートをお待ちしております!(笑)
> よく前を通りますが、確かによく混んでいます。
> これは1度行って見なければなりません
ミステリーショッピングレポートをお待ちしております!(笑)
Posted by 堀 at 2006年10月02日 21:31
ミステリーショッピングの心得をご教授願います(笑)
とても一人で入れる雰囲気ではないので、
女性を調達する必要がありそうです。
「文句ばかりの会社は儲からない!」を読みました。
堀さんと通じるところのある話ですね。
こうした社長が地元に一番店を作っていたのは盲点でした。
社員の喜びが社の好成績につながるというのは実に同感を感じました。
難しいことですが・・・。
とても一人で入れる雰囲気ではないので、
女性を調達する必要がありそうです。
「文句ばかりの会社は儲からない!」を読みました。
堀さんと通じるところのある話ですね。
こうした社長が地元に一番店を作っていたのは盲点でした。
社員の喜びが社の好成績につながるというのは実に同感を感じました。
難しいことですが・・・。
Posted by しーほーす at 2006年11月24日 23:25
しーほーすさん
> ミステリーショッピングの心得をご教授願います(笑)
しーほーすさんに教授申し上げることは、もうありませんよ〜。(笑)
> とても一人で入れる雰囲気ではないので、
> 女性を調達する必要がありそうです。
なんと、”ロッソえびすや”は、女性キラーのお店なのですね〜。(笑)
”ロッソえびすや”詣でを機に、しーほーすさんに良いことがあるよう祈念しています。(笑)
> ミステリーショッピングの心得をご教授願います(笑)
しーほーすさんに教授申し上げることは、もうありませんよ〜。(笑)
> とても一人で入れる雰囲気ではないので、
> 女性を調達する必要がありそうです。
なんと、”ロッソえびすや”は、女性キラーのお店なのですね〜。(笑)
”ロッソえびすや”詣でを機に、しーほーすさんに良いことがあるよう祈念しています。(笑)
Posted by 堀 at 2006年11月25日 06:56