2006年10月13日

大日本プロレスの試合を観るの巻

5c5c7d82.JPG夜、私は、アットエイドの宮本社長の計らいで、大日本プロレスの試合を観に後楽園ホールへ行った。
宮本社長のお心遣いには、心から感謝する他ない。(礼)

試合の模様は以下の通りだ。
1.試合は、19時から6つ行われた。

2.試合形式は、全てタッグマッチだった。シングルマッチは、一試合たりとも無かった。

3.試合が行われる前には、どちらか片方のタッグチームによる、ダンス付きマイクパフォーマンスがあった。観客はそれに強く反応し、試合を重ねる毎に、場内はヒートアップしていった。

4.いずれの選手も、何らかのキャラクターを持ち、コスチュームや動きでそれをビジュアル化していた。中にはヒール系のギャラを持っている選手も居たが、大半の選手は、明るさ、楽しさ、熱さを基調とするキャラを持っていた。

5.いずれの選手も、ファンの声援に対して積極的に応えていた。谷口裕一選手は、観客から「たにぐちー!」と声援を受ける度に、「はい!」と応えていた。

6.メインイベントとして、「蛍光灯デスマッチ」と銘銘された6人タッグマッチが行われた。数十本もの蛍光灯の破片がリング内外で大量に飛散したものの、観客はそれに動ぜず、大いにエキサイトしていた。(※該デスマッチの模様は、添付画像にてご確認頂きたく。)

私は、これまで、大日本プロレスの試合を一度も観たことが無かった。
私にとって、今日は、「大日本プロレスデビュー」日となった(笑)のはもちろん、プロレスの社外マーケティングの要所を考える日にもなった。

なぜ、私は、大日本プロレスを観て、プロレスの社外マーケティングの要所を考えたのか。
それは、宮本社長が以下の旨をコメントなさったからだ。(笑)

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数ヶ月前に、新日(本プロレスの試合)を同じ後楽園ホールで観ました。
その時、観客席は、半分くらいしか埋まっていませんでした。
今日は、観客席が殆ど埋まってましたね。
大日本プロレスは、なかなか大したもんですね。

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私は、中学から高校にかけて、そこそこ熱心な新日本プロレスファンだった。(笑)
初代タイガーマスクの四次元殺法、長州力のさそり固め、そして、アントニオ猪木のエンタテイメントプロデュース力(笑)に強く魅かれたものだ。
その新日本プロレスが今やプロレスファンから見限られているのは、寂しいと言うより他はない。

それはそれとして、私も、大日本プロレスの頑張りを称えたい。
後楽園ホールは必ずしも広くないが、興行場所を満席にしたのは素晴らしいことだ。

どのプロレス団体も、今は、相当大変だと思う。
なぜならば、どのプロレス団体も、以下の状況下にあるからだ。

1.プロレス団体が林立している(=競合企業が多い)

2.プロレスファンの目が肥えてきている(=競合優位の評価がシビアになっていきている)。

3.プロレスに相当する他のエンタテイメントコンテンツが増えている(=代替品が増えてきている)。

今、プロレス団体が収益の確保及び向上を実現するには、観客満足度を高め、ファン(固定客)を増やすことが不可欠であろう。
なぜならば、観戦料収入についてはもちろん、テレビ放映料収入、広告収入、グッズ収入の多寡は、熱いファンの数で決まるからだ、
私のこの仮説が正しければ、プロレス団体は、とりわけ以下の社外マーケティングの実行品質を高める必要がある。

1.自らの団体が有する資源や競合優位をもとに、他のプロレス団体よりも高品質かつ(又は)他のプロレス団体には無い競合優位を持つ商品(=選手、プロレス技、芸など)を創る。

2.ターゲットとしたお客さまへ、1の商品が持つ競合優位をわかり易く伝える。

冒頭の「試合の模様」で述べた通り、大日本プロレスは、これらの社外マーケティングを高品質で実行していた。

1.選手の多くは、それぞれ、愛すべき(?・笑)ユニークなキャラを持っていた。

2.「蛍光灯デスマッチ」は、良くも悪くも(笑)、他団体では見られない、エキサイティングかつ印象的な芸だった。

3.(人気)選手は、自らの肉体と声を駆使して、ファンとのtwo way communicationに励んでいた。

私は、大日本プロレスが後楽園ホールを満席にできたのは、同団体が、これまで、こうした高品質な社外マーケティングを持続的に実行してきたから、だと推量する。
もちろん、その為に同団体が高品質な社内マーケティングを持続的に実行してきたことは、十二分に推量できる。
が、そうだとしても、同団体が高品質な社外マーケティングを持続的に実行してこなかったら、ファンが今日後楽園ホールへ大挙することはなかっただろう。
プロレス団体であれ何であれ、企業が固定客を得るには、高品質な社外マーケティングを持続的に実行することが欠かせないのだ。

帰宅後、私は、大日本プロレスのwebを見た。
まもなくして、本年の8月26日付ニュースを見、「蛍光灯デスマッチ」用の蛍光灯がファンからのプレゼントであることを知った。
試合終了後、「蛍光灯デスマッチ」は、麻薬系瞬間芸の色彩が強いことから、競合優位を担保するのが難しいのではないかと案じたりしたが、それは杞憂なのかもしれない。


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この記事へのコメント
サスガな文章にまとまってますね。お見事です。

割れた蛍光灯や画鋲の上で試合をするのは、ナンセンスなことだと思いますが、大日本プロレスから『生きることの必死さ』を教わりました。

大企業で平和に生きているよりも、彼らの生き方に魅力を感じます。

偶然ですが、一番下の画像でやられているレスラーと、映画館で一緒になりました。
至って普通の人でとても画鋲の上で戦う人には見えませんでした。
Posted by ミヤモト at 2006年10月18日 22:29
宮本社長さん

この度もお心遣をありがとうございました。(礼)

> 大日本プロレスから『生きることの必死さ』を教わりました。
同感です。
私は、競合優位の品質の高低は、「商品の創り手&売り手がどれほど必死に生きているか」で決まる、と思っています。

> 至って普通の人でとても画鋲の上で戦う人には見えませんでした。
その二面性が、ファンの心を捉えているのかもしれません。(笑)
しかし、宮本社長は、よく著名人と出くわしますね〜。
羨ましゅうございます。(笑)
Posted by at 2006年10月19日 05:59