2007年07月05日

ビリー隊長のスパムメールから感情マーケティングの要所を再認識するの巻

あなたは、過去、以下の二種類の悲劇を体験したことはないだろうか?

<1>
ある人の良い所(=自分に対してプラスの影響を与える所)を知った。
そして、それを彼が持つ全ての資質であると思い込み、長いこと付き合った。
ある日、ふとしたことからその人の悪い所(=自分に対してマイナスの影響を与えるところ)を知った。
忽ち、裏切られたような気持ちになり、大きく落胆した・・。

<2>
ある人の悪い所を知った。
そして、それを彼が持つ全ての資質であると思い込み、長いこと交わらないようにしていた。
ある日、友人からその人の良い所を知らされた。
忽ち、長いこと交わらなかったことによる機会損失を認識し、大きく後悔した・・。

私は、過去、これら両方の悲劇を体験したことがある。
「人は感情で動く生き物ゆえ致し方ない」と言ってしまえばそれまでだが、「残念なことをした」という思いが強くある。

だから、私は、数年来、この悲劇を繰り返さないよう努めてきた。
具体的には、以下の事項を常に自分に言い聞かせてきたつもりだ。

「人には、必ず、光と影がある。
光、即ち、良い所だけの人が居ないのと同様、影、即ち、悪い所だけの人も居ない。
それぞれの存在を認め、良い所を教師とし、悪い所を反面教師とし、その人の人格を否定せず、長く付き合う。」

そんな折、今朝、私は、gmailの迷惑メールフォルダーに捕獲された、あるスパムメールを開封してしまった。(笑)
(注:スパムメールには損害&犯罪に繋がる可能性があるものが多々あり、「開封すること」&「開封後本文に記載されているURLをクリックすること」は原則厳禁です。)
私にとって、スパムメールは迷惑以外の何者でもない。
受信した全てのメールをgmailへ一旦全て転送するようにしてから、スパムメールを処理するのがだいぶ楽になったとはいえ、一日に300通も届くのは正直ウザい。

では、なぜ私は、このスパムメールを、リスクを賭して(笑)、開封したのか?
それは、「読むに耐えない」件名や差出人名が多い中、このスパムメールのそれらは私の感心を強烈に誘発したからだ。

実際のところ、このスパムメールはとても良くできていた。
私は、本文を読んで、不覚にも本当に感心してしまった。(笑)
該当のスパムメール、及び、私が感心してしまった理由は以下の通りだ。


From(=差出人): ビリー
Subject(=件名): これからビリーに入隊しようと思ってる方にオススメ

メタボでお悩みの方や、今よりもうちょっと引き締まった体にしたくて
ブートキャンプに入隊しようかお悩みの方必見です。

同じエクササイズするならビリーからの応援よりも
かわいい女性の感じてる声の方ががんばれませんか?

セックスだって立派な運動です。

かわいい女性と出会ってセクササイズに励んでください。

http://

ワンモアセッ

http://


【理由その1】「ビリー」と、件名に興味をひく流行語(ビリーズブートキャンプ)を入れているから。
【理由その2】「これからビリーに入隊しようと思ってる方」と、件名で特定ターゲットへ呼びかけているから。
【理由その3】「オススメ」と、件名でメールの送信趣意を要約訴求しているから。
【理由その4】「ビリー」と、差出人名を件名の内容とマッチさせているから。
【理由その5】「メタボでお悩みの方や・・・」と、本文の最初の文章で「特定ターゲットをその気にさせようとしているから」&「嫌悪や警戒心を抱かれない内容にしているから(→gmail対策にも効果的)」
【理由その6】「セクササイズ」という実際にあるかどうかわからない(笑)「キャッチャー」&「笑いを誘発する」単語を使い、出会い系を介してのセックスに対する印象を向上させようとしているから。
【理由その7】多分ビリー隊長がよく使っている言葉なのであろう「ワンモアセッ」という単語を最後に入れ、読み手に、笑いを誘発しながら、リンク先URLをクリックするよう二回に渡って促しているから。





このスパムメールが良くできているのは、感情マーケティングの要所をきちんと押さえているからだ。
(注:感情マーケティングの大家である神田昌典先生も仰っていますが、感情マーケティングの悪用は厳禁です。)
私が心底感心してしまったのは、感情マーケティングの巧い例示を久しぶりに見、その要所を再認識したからだ。

とは言え、さすがの私も、リンク先URLをクリックするまではしない。(笑)
だから、このスパムメールが最終的に効くか否か、即ち、読み手に商品(サービス)を高確率で購入せしめるか否か、についてはわからない。
しかしながら、他の「読むに耐えない」スパムメールとは異なり、不幸にもリンク先URLをクリックしてしまう人が多いような気がする。(涙)

このスパムメールは、私を含めた多くのインターネットユーザーに迷惑&損害を与えた一方、私及びマーケティングに従事する少数のインターネットユーザーに感情マーケティングの要所を再認識せしめた。
このメールを書いた人(=スパマー)は、前者の事項においては反面教師とみなされて然るべきであり、後者の事項においては教師とみなされよう。

人は、教師の部分と反面教師の部分をそれぞれ持っている。
いかにして、他者に教師の部分を見出し、それを自己に取り込むか。
これは、自己の成長を図る上でマスト(=must)だ。


<注意>
本文でも述べた通り、スパムメールには損害&犯罪に繋がる可能性があるものが多々あり、「開封すること」&「開封後本文に記載されているURLをクリックすること」は原則厳禁です。
もしクリックし、「疑わしい画面」や「請求画面」が表示され、自分でどうすればいいか判断できない場合は、一人で悩まず、国民生活センターへ相談してみるようお勧めいたします。




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