2007年07月12日
「大リーガー岡島秀樹、活躍の秘密」を見るの巻
NHKの「クローズアップ現代」で7月9日に放映された、「大リーガー岡島秀樹、活躍の秘密」の録画を見た。
内容は以下の文脈で、有意義かつ教示に富むものだった。
(注:録画予約をミスしてしまい、番組の後半10分は含んでいません。)
ボストン・レッドソックスの岡島秀樹投手。20試合以上登板している大リーグの救援投手で唯一、防御率0点台。独特の下向き投法と大リーグのバッター相手に物怖じしない冷静さ、大リーグの滑るボールが功を奏してキレが増したチェンジアップが加わり安定したピッチングを続けている。開幕前、ほとんど注目されなかった岡島投手だが、左の救援投手の需要が高まる大リーグの球団は早くからその実力を見抜いていた。岡島投手を見いだしたレッドソックスのスカウトのジョン・ディーブル氏は環太平洋担当の専任となり、将来の大リーガーをさがしに来日。アトランタ・ブレーブスは日本に常駐スカウトを置き、少年野球の段階から原石を探している。岡島投手の大リーグでの成功の秘密を探り、その能力を的確に把握するアメリカ大リーグの人材発掘のノウハウに迫る。
※↓の番組webサイトから転載
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_2440.html
内容は以下の文脈で、有意義かつ教示に富むものだった。
(注:録画予約をミスしてしまい、番組の後半10分は含んでいません。)
<1>
読売巨人軍→北海道日本ハムファイターズと渡り歩いた岡島秀樹投手は、昨年末、フリーエージェントの権利を獲得&行使した。
↓
<2>
岡島選手が移籍を希望した日本球団は、いずれも彼に興味を示さなかった。
↓
<3>
岡島選手に強い興味を示したのは、5年間彼をチェキし続けていた&サウスポーを必要としていたボストン・レッドソックスだった。
↓
<4>
ボストン・レッドソックスが岡島選手にオファーを出したのは、左打者の打率が2割9厘という過去5年間のデータから、「左バッターをうち取れるという能力だけでも十分魅力的である」と評価した結果であった。
↓
<5>
ボストン・レッドソックスが岡島選手を獲得したのは、「トッププレイヤーだけでなく、一つでも秀でた能力がある選手は積極的に獲得する」というメジャーリーグ流の補強方針に則して行動した結果だった。
↓
<6>
岡島選手は、当初メジャーリーグでのプレーを希望していなかったが、「プレーが続行できるなら」&「出張と考えればいい」と考え、ボストン・レッドソックス入りを決意した。
↓
<7>
岡島選手は、渡米後、チームメイトの松坂大輔選手と同様、メジャーリーグのボールが滑り易いことから、得意だったカーブの自信を無くした。
↓
<8>
岡島選手は、開幕戦に出場し、これまで日本では打たれたことが無かったボールをスタンドへ運ばれてしまった。
↓
<9>
岡島選手は、現状では自分がメジャーリーグに通用しないこと、及び、メジャーリーグで生き残るには「メジャーリーガーにとって打ち難い変化球」を持たねばならないこと、を理解した。
↓
<10>
岡島選手は、「メジャーリーガーにとって打ち難い変化球」にチェンジアップを見出したものの、決め球にするに足る自信を持てなかった。
↓
<11>
ボストン・レッドソックスのファレル投手コーチは、岡島選手に、「少し腕をひねって投げてみたら、打者にとって打ち難い、微妙な変化がもっと生まれるのではないか」、と助言した。
↓
<12>
ファレル投手コーチが岡島選手にこう助言したのは、米国球界ではコーチの選手に対する指導方針が、「悪い所を直さなければいけない」ではなく、「もっと楽しくこういう所を取り入れていったら、もっと高いレベルに到達できるのではないか」という前向きな気持ちを醸成することを旨としていたからであった。(与田剛さん、談)
↓
<13>
岡島選手は、ファレル投手コーチの助言を聞き入れ、チェンジアップを進化させ、メジャーリーガーをうちとれるようになった。
↓
<14>
岡島選手は、自分のチェンジアップに自信を持ち、「『ここぞ』という時に投げられる武器になった」との思いを持つようになった。
↓
<15>
岡島選手は、リーグ前半戦で防御率0.83という高実績を達成し、オールスター初出場の権利をゲットした。
私がこれらの内容を有意義かつ教示に富んでいると感じたのは、「プロフェッショナルプレイヤーになるためのヒント」と「プロフェッショナルプレイヤーを獲得&創造するためのヒント」の両方が含まれていたからだ。
参考までに、私が気づいたヒントを以下に記しておく。
★プロフェッショナルプレイヤーになるためのヒント
【その1】←<1>
現在の環境に安住しない。
【その2】←<6>
物事の決断には、得られるものと失う(脅かされる)ものがある。
【その3】←<6>
納得度の高い決断をするには、自分が何を最も大事にするか、予め正しく認識しておかねばならない。
【その4】←<6>
物事を良い方に理解する。
【その5】←<9>
自らの現状&問題を正しく認識し、目標達成へ向けた解決策を案出する。
【その6】←<13>
人の意見に対し、真摯に耳を傾ける。
【その7】←<13>
人の意見を上回る意見を自らが持っていない場合は、人の意見に従う。
【その8】←<14>
創出した成果をもとに、自信を高める。
★プロフェッショナルプレイヤーを獲得&創造するためのヒント
【その1】←<3><4><5>
自らの現状&問題、並びに、解決を担うプレイヤーが持つべき唯一無二の資質を正しく認識する。
【その2】←<3><4><5>
人の多様性を認める(=それぞれの人に、互いに異なる&プロフェッショナルプレイヤーに相応しい資質を見出す)。
【その3】←<3><4><5>
チームで勝利を希求する際、勝利に必要な資質&成果を一握りのトッププレイヤーにのみ求めるのは、確率論的に賢明と言えない。
【その4】←<3><4><5>
チームで勝利を希求する際、勝利に必要な資質&成果を、複数のプロフェッショナルプレイヤーに幅広く求めるのは、確率論的に賢明である。
【その5】←<3><4><5>
人を正しく評価する(=その時の印象や実績だけでなく、ポテンシャルからも評価する)。
【その6】←<3><4><5>
人の成長を信じる。
【その7】←<11><12>
プロフェッショナルプレイヤー、即ち、相応の技術力&精神力の持ち主を教育(リード)する際は、モチベーションを高めることを一義に考え、「良い所を伸ばす」&「伸びた良い所がどんな成果をもたらすか明確にする」旨に基いてアプローチする。
以下は、当番組を見終えての私の雑感だ。
岡島選手にとって、ボストン・レッドソックスへの移籍は、正に好機となった、と言えよう。
もし、岡島選手がそのまま日本球界でプレイしていたら、<9>を経験することがないため、また、仮に同様の経験をしたとしても、ファレル投手コーチのようなマネージャーを擁している球団が日本には無いため、彼が持っていた素晴らしいポテンシャルは開花しなかったに違いない。
好機を好機たらしめるには、<好機を創造→提供する側の資質&努力>と<好機を受け留める側の資質&努力>の両方が不可欠だ。
好機を好機たらしめた日本人メジャーリーガーが一握りなのは、このことに起因しているのではないだろうか。
私は、自らの「好機損失」を最小化するべく、この不可欠事項の認識を深める所存だ。
また、私は、今後、岡島選手を、イチロー選手と同様、プロフェッショナルベースボールプレイヤーとして熱烈に(笑)応援する所存だ。
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読売巨人軍→北海道日本ハムファイターズと渡り歩いた岡島秀樹投手は、昨年末、フリーエージェントの権利を獲得&行使した。
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<2>
岡島選手が移籍を希望した日本球団は、いずれも彼に興味を示さなかった。
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<3>
岡島選手に強い興味を示したのは、5年間彼をチェキし続けていた&サウスポーを必要としていたボストン・レッドソックスだった。
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<4>
ボストン・レッドソックスが岡島選手にオファーを出したのは、左打者の打率が2割9厘という過去5年間のデータから、「左バッターをうち取れるという能力だけでも十分魅力的である」と評価した結果であった。
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<5>
ボストン・レッドソックスが岡島選手を獲得したのは、「トッププレイヤーだけでなく、一つでも秀でた能力がある選手は積極的に獲得する」というメジャーリーグ流の補強方針に則して行動した結果だった。
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<6>
岡島選手は、当初メジャーリーグでのプレーを希望していなかったが、「プレーが続行できるなら」&「出張と考えればいい」と考え、ボストン・レッドソックス入りを決意した。
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<7>
岡島選手は、渡米後、チームメイトの松坂大輔選手と同様、メジャーリーグのボールが滑り易いことから、得意だったカーブの自信を無くした。
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<8>
岡島選手は、開幕戦に出場し、これまで日本では打たれたことが無かったボールをスタンドへ運ばれてしまった。
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<9>
岡島選手は、現状では自分がメジャーリーグに通用しないこと、及び、メジャーリーグで生き残るには「メジャーリーガーにとって打ち難い変化球」を持たねばならないこと、を理解した。
↓
<10>
岡島選手は、「メジャーリーガーにとって打ち難い変化球」にチェンジアップを見出したものの、決め球にするに足る自信を持てなかった。
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<11>
ボストン・レッドソックスのファレル投手コーチは、岡島選手に、「少し腕をひねって投げてみたら、打者にとって打ち難い、微妙な変化がもっと生まれるのではないか」、と助言した。
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<12>
ファレル投手コーチが岡島選手にこう助言したのは、米国球界ではコーチの選手に対する指導方針が、「悪い所を直さなければいけない」ではなく、「もっと楽しくこういう所を取り入れていったら、もっと高いレベルに到達できるのではないか」という前向きな気持ちを醸成することを旨としていたからであった。(与田剛さん、談)
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<13>
岡島選手は、ファレル投手コーチの助言を聞き入れ、チェンジアップを進化させ、メジャーリーガーをうちとれるようになった。
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<14>
岡島選手は、自分のチェンジアップに自信を持ち、「『ここぞ』という時に投げられる武器になった」との思いを持つようになった。
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<15>
岡島選手は、リーグ前半戦で防御率0.83という高実績を達成し、オールスター初出場の権利をゲットした。
私がこれらの内容を有意義かつ教示に富んでいると感じたのは、「プロフェッショナルプレイヤーになるためのヒント」と「プロフェッショナルプレイヤーを獲得&創造するためのヒント」の両方が含まれていたからだ。
参考までに、私が気づいたヒントを以下に記しておく。
★プロフェッショナルプレイヤーになるためのヒント
【その1】←<1>
現在の環境に安住しない。
【その2】←<6>
物事の決断には、得られるものと失う(脅かされる)ものがある。
【その3】←<6>
納得度の高い決断をするには、自分が何を最も大事にするか、予め正しく認識しておかねばならない。
【その4】←<6>
物事を良い方に理解する。
【その5】←<9>
自らの現状&問題を正しく認識し、目標達成へ向けた解決策を案出する。
【その6】←<13>
人の意見に対し、真摯に耳を傾ける。
【その7】←<13>
人の意見を上回る意見を自らが持っていない場合は、人の意見に従う。
【その8】←<14>
創出した成果をもとに、自信を高める。
★プロフェッショナルプレイヤーを獲得&創造するためのヒント
【その1】←<3><4><5>
自らの現状&問題、並びに、解決を担うプレイヤーが持つべき唯一無二の資質を正しく認識する。
【その2】←<3><4><5>
人の多様性を認める(=それぞれの人に、互いに異なる&プロフェッショナルプレイヤーに相応しい資質を見出す)。
【その3】←<3><4><5>
チームで勝利を希求する際、勝利に必要な資質&成果を一握りのトッププレイヤーにのみ求めるのは、確率論的に賢明と言えない。
【その4】←<3><4><5>
チームで勝利を希求する際、勝利に必要な資質&成果を、複数のプロフェッショナルプレイヤーに幅広く求めるのは、確率論的に賢明である。
【その5】←<3><4><5>
人を正しく評価する(=その時の印象や実績だけでなく、ポテンシャルからも評価する)。
【その6】←<3><4><5>
人の成長を信じる。
【その7】←<11><12>
プロフェッショナルプレイヤー、即ち、相応の技術力&精神力の持ち主を教育(リード)する際は、モチベーションを高めることを一義に考え、「良い所を伸ばす」&「伸びた良い所がどんな成果をもたらすか明確にする」旨に基いてアプローチする。
以下は、当番組を見終えての私の雑感だ。
岡島選手にとって、ボストン・レッドソックスへの移籍は、正に好機となった、と言えよう。
もし、岡島選手がそのまま日本球界でプレイしていたら、<9>を経験することがないため、また、仮に同様の経験をしたとしても、ファレル投手コーチのようなマネージャーを擁している球団が日本には無いため、彼が持っていた素晴らしいポテンシャルは開花しなかったに違いない。
好機を好機たらしめるには、<好機を創造→提供する側の資質&努力>と<好機を受け留める側の資質&努力>の両方が不可欠だ。
好機を好機たらしめた日本人メジャーリーガーが一握りなのは、このことに起因しているのではないだろうか。
私は、自らの「好機損失」を最小化するべく、この不可欠事項の認識を深める所存だ。
また、私は、今後、岡島選手を、イチロー選手と同様、プロフェッショナルベースボールプレイヤーとして熱烈に(笑)応援する所存だ。
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