2007年10月13日

「ハケンの品格」を見て、天ではなく上を見て仕事をする社員が巣食う会社は早晩死に絶えることを再認識するの巻

ここ二週間で、新しい習慣ができた。
それは、篠原涼子さんがスーパー派遣社員(=大前春子さん)を演じる「ハケンの品格」の再放送を録画&視聴することだ。(笑)

ハケンの品格 DVD-BOX
篠原涼子.加藤あい.小泉孝太郎.大泉洋
バップ
2007-06-27


この番組は、単に面白いだけはない。
教示に富んでいる。

とりわけ考えさせられるのは、「会社とは何か?」や「人は会社を介してどう生きるべきか?」ということだ。
資本主義社会が進化(?)していく中で、社会の構成員である私たちがこうした本質論に自分なりの答えを出すのは、有意義かつ大事なことだ。

改めて気づかされるのは、「いかに優れた解決策を選択しても、組織の体をなしていない会社は、その恩恵にあずかれない」、ということだ。
この番組のストーリーに即して換言するならば、「マネジメントとプロフェッショナルを欠く会社、即ち、『天ではなく、上を見て仕事をする(※註)』社員が巣食う会社は、低コストで人材の量&質が確保できるハケンを利用しても、大前春子さんでも派遣されない限り(笑)、収益の源泉であるお客さま満足を向上し得ない」、ということだ。

このことに気づかされるのは、もっぱらクライアントワーク中だったりする。(苦笑)
が、つい最近、プライベートでもあったりした。
それは、オフィスでの業務用にN社製19インチPCモニターを購入した時のことだ。
このPCモニターは、親友のYさんが「眼精疲労を低減させたい!」という私のニーズを酌んで提案してくださった商品だ。
競合企業の同等品と比べると約倍の値段がするものの、私はYさんを信頼して購入した。

ただ、Yさんが提案&商品説明してくださらなければ、私はこのPCモニターを購入しなかった。
というのも、商品の実物を見にN社の東京直販ショップへ行った時、商品の内容に満足できなかったことに加え、N社の事業コンセプトに懐疑を抱いたからだ。

なぜ、私は商品の内容に満足できなかったのか。
それは、私を担当したスタッフさんの接客品質が、期待していたよりもかなり低かったからだ。

Yさんは、私に、N社の商品が総じて高額なのは、競合企業よりも、商品開発はもちろん、その他サポートに多大なコストをかけているからだ、とおっしゃった。
だから、私は、N社の直販ショップへ行ったら、商品説明を潤沢&ハートフルにしてもらえる、と期待した。
が、私を担当したスタッフさんは、商品知識力&説明力が乏しく、私如きPC素人の質問に対して明快に即答できなかった。
また、とどのつまりに、「私は派遣社員なので、商品情報を入手するソース&タイミングは一般のお客さまと変わらない。ゆえに、商品情報の提供をこれ以上求められても応えかねる。」旨を平然と述べたりもした。

なぜ、私はN社の事業コンセプトに懐疑を抱いたのか。
それは、N社が、お客さまの満足を軽視しているように思えたからだ。

メーカーにとって直販ショップは、ブランディングとセールスを推進する上で非常に大事な顧客接点の場だ。
その大事な顧客接点の場に、「豊富な知識&自信を持って商品説明できるスタッフを配置しない」、又は、「豊富な知識&自信を持って商品説明できないスタッフを配置(放置)している」ということは、お客さまの満足を軽視している証左に他ならない。

N社がお客さまの満足を軽視しているのは、天を見て仕事をする社員よりも上を見て仕事をする社員が多いからか、もしくは、後者の社員がマネジメントを担っているから、ではないか。
であるならば、同社が派遣社員という費用対効果に優れた即戦力をお客さま満足の向上に活かせないのは、当然だ。
この推量がまんざら外れていない場合、私は、同社のユーザー(ステークホルダー)として、同社の経営者に猛省を求めると共に、この件の迅速な解決を希望する。

念のため断っておくが、私は、直販ショップのスタッフが派遣社員だったから先のように感じたわけではない。
PCモニターの直販ショップへ訪れるお客さまのニーズからすれば、スタッフが正社員だろうが、派遣社員だろうが、そんなことはどうでもいいことだ。
いや、かえって、スタッフが大前春子さんだったら、その方が断然助かるし、嬉しいに違いない。(笑)


(※註)
かつてマイクロソフトの副社長を務め、現在慶応大学で教鞭をとる古川享さんが、慶応大学で講演なさった時に使われた言葉。
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企業は、大きくなった時に、天を見て仕事をするか、上を見て仕事をするか、がポイントになると思う。
上を見るっていうのは、組織の上と自分のボスのことばかり気になっているということ。
天を見るっていうのは、自分の美学とかお客さまのことを気にするということ。
それは、会社での成功とか名声よりも、「自分はこの信念を貫きたい!」とか、「この商品を届けてお客さまの満足する顔を見たい!」という思いを優先する、ということだ。
上を見て仕事をする人間が増えた時って、その組織は死に絶えるしかないということなんだろうな、と思う。
(注:原文が口述ゆえ、若干編集しています。)



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