2008年06月05日

日本電産の永守重信社長が「カンブリア宮殿」でおっしゃったお話に深く考えさせられるの巻

日本電産の永守重信社長が、「カンブリア宮殿(製作:テレビ東京)」へ5月26日6月2日の二回に渡って出演され、独自の経営哲学&経営手法について述べられた。
私は、多々共感すると共に、6月2日放映分の以下のお話に深く考えさせられた。
【村上龍さん(司会)】
昨今、日本人(※特に若者)はやる気が落ちてきており、永守さんのような企業家は出て来ないのではないかと危惧しているのですが。

【永守さん】
(たしかに、日本人が持っていた)ハングリーさや忍耐力は落ちてきていると思う。

私が起業した時代は、「起業後10年間は見向きもしないで働く」のが成功の条件だった。
最近だと、インターネットの事業なら、起業後3年間見向きもしないで働けば、ソコソコ成功するようだが。

起業は登山と同じだ。
富士山に登る時、どうするか。
まず、富士の駅に降りる。
そして、こんなことを思う。
「ああ、今から自分は富士山に登るんだ」と。
「おそらく登るのに四日位かかるだろう」と。
「登っている途中で嵐が来るかもしれないので、余分に水や食料を持って行こう」と。
だから、荷物は大きく、重くたくなる。
その大きく重い荷物を担いで、ずっーと上がっていって、頂上に登って帰ってくるのが登山だ。

良くないのは、六本木からヘリコプターに乗って富士山の九合目まで行き、そこからTシャツ一枚の格好で頂上まで登り、頂上に着いたらパァっと帰ってきて、人に「私は富士山に登ってきました」と言うことだ。
たしかに、これも、言葉にすれば「富士山に登った」だ。
だが、「富士山へ登る」というのは、富士駅に降りて、重い荷物を担いで、そして、上がって降りてくることなのだ。
これを怠って「私は富士山に登った」と言っても、それは違う。
今、若い人をはじめ、日本人の多くがこのことを忘れてしまっている。
これが、日本で新しい事業が出てこない最大の原因だ。

注:口語を文語にしているため、内容を編集しています。

「目的を真に達成するには、プロセスを忠実にやり切ることが欠かせない」。
深く考えた結果、僭越ではあるが、私は永守さんのお話をこう咀嚼(そしゃく)してしまった。

が、根拠は無いものの、永守さんの真意は他にあるような気がしていたりする。(汗)
私は、大事なことを深く考える機会を下さった永守さんに感謝すると共に、更に深く考え、行動へ反映させたい。


<参考ブログ記事>
カンブリア宮殿 日本電産 永守重信さん その1番外編(oreoreoreoreの日記)

<↑の関連記事>
oreoreoreoreさんにコンサルティング業の本質を鋭く洞察&明示して頂くの巻



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この記事へのコメント
4
ここ最近、ブログが頻繁に更新されているので、お邪魔するのが楽しみです。(^^)/

労働強化を肯定するような発言をした、と、マスコミに大きく喧伝されてしまった永守さんですが、氏の著作などに一度でも目を通していれば、本意がそこにない事は一読瞭然なのですが。
恣意ある記事の裏を読む、取る、考えるというクセをつけないと、それこそ情報を搾取させられる側になってしまいますね。

永守さんの考えておられるM&Aというのは、富士山の麓から一緒に歩いてくれる仲間を作るためのものであって、ヘリコプターで飛び降りるためのものではない、と、私は解釈しました。
Posted by もえもえ at 2008年06月07日 18:54
もえもえさん

こんにちは、堀です。
いつも有意義かつハートフルなコメントをありがとうございます。(礼)
私の駄記事がもえもえさんのお役に立てているようで嬉しいです!

> 恣意ある記事の裏を読む、取る、考えるというクセをつけないと、それこそ情報を搾取させられる側になってしまいますね。
同感です。
旧来&過去の考え&経験を盲従&単純踏襲しないよう、お互いこれからも気をつけましょう!

> 永守さんの考えておられるM&Aというのは、
私が深く考えさせられた永守さんのお話に対する解釈をお聞かせいただきありがとうございます。
永守さんのご著書をお読みになっているもえもえさんの解釈、なるほどだと思いました。
不肖私は過去一冊も読んでいないので(汗)、折を見つけて読んでみたいと思います。
Posted by at 2008年06月08日 08:34