2008年10月18日

プロフェッショナルのあるべき生き様を命と引き換えに教示くださった緒形拳さんに心から謝意と敬意を表すの巻

私は、20代の時、死にかけた。
また、30代の時、を亡くした。
人生のはかなさと短さを目の当たりにした私は、プロフェッショナルを志向し後悔が最小化されている人生、即ち、満足が最大化されている人生を積極選択してきた

だから、私は、これまでの人生において後悔はない。
が、今後は、もっと厳しく自分と対峙し、もっとプロフェッショナルを志向したい、と思った。
緒形拳さんの遺作「風のガーデン」の第二話を見、死を覚悟なさっていたであろう緒形さんが死を題材にした以下の台詞をおっしゃった時のことだ。
<状況>
主人公(貞美/中井貴一さん)の亡き妻が残したブリティッシュガーデンに、主人公の父(貞三/緒形拳さん)と主人公の次男(岳/神木隆之介さん)が二人きりで居る。
岳は、愛犬の蛍が、自宅ではなく、自宅から離れた、実母が遺したガーデンハウスまで来て死んだことにショックを受け、蛍を抱きかかえながら泣いている。
そんな岳に、貞三は語りかける。


岳くん。
そんなに悲しんじゃいけません。

悲しい気持ちはよくわかります。

悲しむって言葉はね、辛いっていう気持ちももちろんありますが、もともと、愛しいっていう意味なんです。

愛しい、愛する、大好きなこと。
みんな、おんなじ言葉の意味です。
字引をひくと、そう出てます。

愛しいから悲しい。
もう会えないから、辛い。
だから、泣くのは全然かまいません・
おばあちゃんやお母さんが死んじゃった時、おじいちゃんもルイさん(岳の姉/黒木メイサさん)も、いっぱい泣きました。

覚えているでしょう。
あの頃、君はまだちっちゃかったから、不思議そうな顔をして、きょとんと見てた。

でも、今もう君は大人になった。
大人になったから涙が出るんです。

でもねえ、岳くん。
生きている者は、必ず死にます。

おじいちゃんもいずれ死ぬ。
君だって、ルイさんだって、いつかは死ぬ。

死ぬってことはね、生きている者の必ず通る道です。

君は、犬の死に今泣いている。
だけど、花が命を終え、枯れて死ぬ時は、いちいち涙流さないでしょう。
流しますか?

動物と植物、違いはあっても、どっちもおんなじ命なんです。

でも、花は死ぬ時、血を流さない。
だから、人間はそれほど同情しない。
でも、おんなじ命なんですよ。

蛍るがわざわざここへ来て死んだのは、おばあちゃんやお母さんに早く飛びついて、一刻も早く遊んで欲しかったからです。
今はもうきっと二人に会えて、嬉しくって、きゃっきゃと遊んでいます。
君とかルイさんとかおじいちゃんのことは、多分もうすっかり忘れてるでしょう

死ぬっていうことはそういうことなんです・。
恐ろしいことじゃ決してありません。
明日、裏山に埋めてあげましょう。

紅茶が冷めますよ。
熱いうちに、飲みなさい。

※フジテレビ「風のガーデン(脚本:倉本聰さん)」第二話から引用

私は、プロフェッショナルのあるべき生き様を命と引き換えに教示くださった緒形さんに心から謝意と敬意を表すと共に、緒形さんのご冥福を心からお祈りしたい。(敬礼)


風のガーデン DVD-BOX
中井貴一
ポニーキャニオン
2009-04-15




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この記事へのコメント
堀さん、おはようございます。

私も20代に死にかけました(^^;)

お医者さんて、さらっと言います。
『あ〜、あと半日遅かったら死んでたねぇ』なんて。
助かったからこそ言えたんだと思いますが・・・。

生き様ってものを考えますね。

最後になりますが、お誕生日おめでとうございます(^^)/
Posted by 平八郎 at 2008年10月21日 06:23
平八郎さん

こんにちは、堀です。
コメントをありがとうございます。(礼)

> 私も20代に死にかけました(^^;)
なんと、平八郎さんも同様の経験がおありなんですね!
その折の平八郎さんとご家族の心中、拝察いたします。(礼)

> お医者さんて、さらっと言います。
そうでしたか!
ちなみに、私は、怒り口調で言われた記憶があります。
「ダメじゃないか!」みたいな感じで。(笑)
お医者さんは、人を見て口調も変えるのではないでしょうか。(笑)

> 生き様ってものを考えますね。
はい、思い切り!

> 最後になりますが、お誕生日おめでとうございます(^^)/
誕生日を祝ってくださりありがとうございます。(礼)
今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。(礼)
Posted by at 2008年10月21日 07:31