2009年04月27日

「大地の子(原作:山崎豊子/主演:上川隆也)」のDVDを見て、「絶望しないこと」の意義を思い知るの巻

過日、私は、「大地の子(原作:山崎豊子/主演:上川隆也)」のDVDを見終えた。
強く感動すると共に、とりわけ「絶望しないこと」の意義を思い知った。

上川さん演じる陸一心(日本人名:松本勝男)は、中国残留孤児だ。
過酷かつ不当な目に幾度と無く遭った。

しかし一心は絶望しなかった。
希望を持っていたか否かは推量しかねるが、いずれの時も自助に励んだ。
日本人であることを言いがかりに労働改造所に囚われ、来る日も来る日も不毛な労役に従事している時でも、日本人の誇りを守るべく日本語の習得に励んだ。
破傷風で死にかけている時でも、生きることを諦めなかった。
冤罪で僻地&閑職に左遷され、家族との再会が約束されていない時でも、現場のスタッフと心を通わせ、担当職務を全うした。
絶望しなかった一心は、救われた。
小学校教師の陸徳志は、人買いに売られていた一心を実子として育て、一心が関所で止められると「将来のあるこの子を通してやってくれ。代わりに私がこの中へ戻る(→餓死必至)から」と上官へ哀願し、一心が労働改造所に囚われると解放の直訴に身を投げ打って日参した。
看護士の江月梅は、瀕死の一心に在庫薄の血清の投与するよう、報恩(→過去一心にトラブルを救ってもらったことに対する)と人道を理由に強く主張した。
元カノの趙丹青は、自らの立場を憂慮せず、一心の罪が自分の夫による冤罪であると告発した。

人生は、「山アリ谷アリ」で長い。
希求すべき成功は、短期的な成功ではなく、中長期的な成功だ。
中長期的な成功を収めるのに欠かせないのは、最善を尽くすことであり、ひいては、いかなる状況でも自助に励むことだ。
いかなる状況でも自助に励むことこそ、最適解の実行確率と支援者の創造確率を高める最高最良の方法に他ならない。

そして、いかなる状況でも自助に励むのに欠かせないのが、「絶望しないこと」だ。
絶望していては、自助に励めず、結果、最善を尽くせない。

「絶望しないこと」。
これは、「信じること」よりも「疑わないこと」の方が難しいのと同様、「希望を持つこと」よりも難しいかもしれない。
が、キャタリストの持つべき思考&行動習慣として、私は是非ともマスターしたい。


大地の子 全集 [DVD]
仲代達矢
NHKエンタープライズ
2002-09-06




<参考記事>
「私は『毛主席の小戦士』だった―ある中国人哲学者の告白(著:石平)」を読むの巻
初対面のスズキノブヨシさんに貴重な単一電池をお裾分けいただき、日本に植え付けられた希望の種をしかと開花させるのに私たちの「思いやりの心」が有効なのを確信するの巻
【NO.3019】被災地に“希望”をさがす 釜石ドキュメント


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この記事へのコメント
懐かしいですね。大地の子。
中学生の時にテレビでやっていて見たのを覚えています。
強烈な印象だったので本が読みたい。と思っていたのですが、さすがに買うお金はなかったので図書館の先生に無理を言って買ってもらったのを覚えています。

日本人の視察団が中国初の高炉をみて「おもちゃみたいだ・・・」
というシーンをなぜか強烈に覚えているんですよね。笑
Posted by ヤッシー at 2009年04月27日 22:46
ヤッシーさん

こんにちは、堀です。
コメントをありがとうございます。

「大地の子」をご覧になったのが中学生の時とのこと。
初回放送が1995年のようなので、なるほどそうかもしれませんね。

「大地の子」は、私、完全スルーしていました。
数ヶ月前妻から言われるまで、存在さえ知りませんでした。

というのも、当時私は、この手のモノに全く興味無かったからです。
クルマ売りと異性交遊にばかり精を出していました。(笑)
いけませんね。(笑)

> 日本人の視察団が中国初の高炉をみて「おもちゃみたいだ・・・」
↑のやりとり、覚えています。
このやりとりを含め「大地の子」が言わんとしていることは、有意義かつ多岐に渡ります。
「興味が無い」で済ませるのは、個人的にはもちろん、社会的にも失うものが多いと思います。
暴論ですが、学校は下手な授業をやるくらいなら、「大地の子」を流し、生徒に感想文を求めたり、議論の場を与えるのが賢明かもしれません。

しかし、なぜ、ヤッシーさんは、↑のやりとりを強烈に覚えておられるのでしょうか?(笑)
Posted by 堀 公夫 at 2009年04月28日 09:23
ご無沙汰しております。Y宮です。
「絶望しないこと」社会人になって2年目を迎え、日々自らの至らなさを感じている私にはすごく響いてきました。

ちなみに大地の子で一番残っているのは、私も「おもちゃみたいだ」のシーンです。笑 
Posted by Yみやたかし at 2009年04月28日 15:30
Y宮さん

こんにちは、堀です。
社会人二年目を無事に迎えられ、何よりです!

「絶望しないこと」がY宮さんの心を響かすことができ、光栄かつ嬉しいです。
マスターなさると公私共々いいかもしれませんが、それよりまず仕事で自責し過ぎないよーに!

Y宮さんはヤッシーさんと同年代なのですが、Y宮さんも、ヤッシーさんと同様、「おもちゃみたいだ」のシーンが印象に残っておられるとのこと。
再会の折にでも(→また気軽にお声がけください!)、理由をお聞かせいただけると幸いです。(礼・笑)
Y宮さんはもちろん、若者の気持ちをもっとわかりたいもので。(笑)
Posted by 堀 公夫 at 2009年04月29日 06:49