2010年02月14日

第3回朝日杯将棋オープン戦の準決勝と決勝をライブ観戦するの巻

ef85aa82.JPG昨日、私は、第3回朝日杯将棋オープン戦の準決勝と決勝を観に行きました。
会場の有楽町マリオン(東京/銀座)では、ライブ観戦と木村一基八段による大盤解説が催されました。
私は、迷うことなく、初体験のライブ観戦を選びました。

私がライブで観た対局は、久保利明棋王佐藤和俊五段の準決勝戦と羽生善治名人と久保利明棋王の決勝戦です。
対局時間は、いずれも約二時間半と、素人にとっては短くありませんでした。
しかし、私は、終始、対局者の表情と態度から目が離せませんでした。

私が対局者の表情と態度から目が離せなかったのは尋常ではない「気」を感じたからです。
それは、「刻々と変わる戦況と40分の持ち時間(※持ち時間が切れた後は一手60秒以内に指す)という制約の中で最善手を決断し続けなければいけない」という圧力に起因した、正に筆舌に尽くし難い「気」でした。
「刻々と変わる外部環境と厳しい制約状況のもと、数多ある手段の中から、最善と思しき手段を、自分を信じて選択、実行し続けること」。
これは、難事中の難事ですが、本人には後悔の無い人生を、そして、それを目の当たりにした者には感動を与えます。
羽生さんは、手が震え始めた数手後に、決勝戦を勝利なさいました。
私は、羽生さんが目の前を通り過ぎる時、「声にならない(会釈するのが精一杯でした)感動」を覚えました。

昨日は、私にとって忘れられない一日になりました。
本イベントの主催者である朝日新聞社、及び、本イベントの主役である全対局者に、この場を借りてお礼を申し上げます。(礼)


★報道記事

羽生名人が初優勝 朝日杯将棋オープン戦

第3回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝、決勝が13日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールであり、決勝で羽生善治名人(39)が久保利明棋王(34)を130手で破り、初優勝した。羽生名人は準決勝で谷川浩司九段(47)に、久保棋王は佐藤和俊五段(31)に勝って決勝に進んでいた。優勝賞金は1千万円。

決勝は久保棋王が先手。序盤は、久保棋王が中飛車穴熊に組むと羽生名人も居飛車穴熊に固めて持久戦模様に。中盤は、羽生名人が久保棋王の仕掛けに乗じて守りの金を繰り出して1筋を攻め、主導権を握った。久保棋王も差をつけられまいと最善の手で応じ続けたが、91手目の▲1八玉が敗着。次の△1九金が鋭い一手で羽生名人がリードを奪い、押し切った。終了図以下は▲1三同香成△同桂で先手玉がどこに逃げても金を打って詰む。解説の木村一基八段は「終始、羽生名人が自由奔放にうまく指した。久保棋王にも悪手が少なく、プロが見てもハイレベルで見応えのある内容でした」と話した。

羽生名人の話 (最終日に残れた)前々回は準決勝で負けたので、今回は雪辱を期すというつもりで戦った。若手有利と言われる持ち時間が短い棋戦で優勝できたのは一つの自信になった。

久保棋王の話 決勝戦は端を攻められてちょっと勝ちづらい将棋になった。最後は粘る手があったが逃してしまった。しょうがないです。(村上耕司)

※2010年2月13日付asahi.comから転載(↓)
http://www.asahi.com/shougi/news/TKY201002130219.html


★終局直後の対局者

kubo
habu01
habu02



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