2010年06月11日
将棋棋士の有吉道夫さんの報道記事を読み、コツに関する思考&行動習性を改めるの巻
物事にはコツというものがあります。
コツとは物事をうまくやる上での要領のことで、勘所とも言います。
勘所がわかれば、物事は高確率でうまくできます。
物事がうまくできれば、当然嬉しいです。
だから、人は、物事のコツをつかもうとするし、コツがつかめた物事を(一層)好きになります。
しかし、この考えは、天才には当てはまりません。
なぜなら、彼らからすると、コツが本当につかめた物事は用済みで、一層好きになる確率は低いからです。
彼らが嬉しいのは、本当のコツ、つまり、最高階層に位置すると判断した「究極のコツ」を垣間見たり、つかみかけているように感じる瞬間を味わうことだけです。
つかんだコツで対象の物事が実際にうまくいくことや、一層好ましく感じられることではありません。
天才は、「究極のコツ」の存在を信じ、より高階層がうかがえるコツをコツと認知しません。
天才は、「究極のコツ」をこの手でつかもうと心底希求し、そのための最善努力を楽しみながら不断に行える求道者です。
低階層のコツをつかみ、対象の物事にしたり顔をすることで満足してしまう私たち凡人とは、ここが決定的に違います。
だから、彼らは非日常のパフォーマンスを創出し、私たちは彼らを敬愛して止まないのです。
以上、私は、先月現役を引退なさった将棋棋士の有吉道夫さんの報道記事(「ひと:有吉道夫さん 勝ち星を重ねて現役延長の将棋棋士」)内コメントから、考えました。
それは、55年もの現役生活とオーバー1,000勝を果たされたにもかかわらず、今もって「(自分は将棋のコツを)何も分かっていない」とおっしゃる天才棋士の有吉さんに改めて敬意を抱いてのことでした。
コツとは物事をうまくやる上での要領のことで、勘所とも言います。
勘所がわかれば、物事は高確率でうまくできます。
物事がうまくできれば、当然嬉しいです。
だから、人は、物事のコツをつかもうとするし、コツがつかめた物事を(一層)好きになります。
しかし、この考えは、天才には当てはまりません。
なぜなら、彼らからすると、コツが本当につかめた物事は用済みで、一層好きになる確率は低いからです。
彼らが嬉しいのは、本当のコツ、つまり、最高階層に位置すると判断した「究極のコツ」を垣間見たり、つかみかけているように感じる瞬間を味わうことだけです。
つかんだコツで対象の物事が実際にうまくいくことや、一層好ましく感じられることではありません。
天才は、「究極のコツ」の存在を信じ、より高階層がうかがえるコツをコツと認知しません。
天才は、「究極のコツ」をこの手でつかもうと心底希求し、そのための最善努力を楽しみながら不断に行える求道者です。
低階層のコツをつかみ、対象の物事にしたり顔をすることで満足してしまう私たち凡人とは、ここが決定的に違います。
だから、彼らは非日常のパフォーマンスを創出し、私たちは彼らを敬愛して止まないのです。
以上、私は、先月現役を引退なさった将棋棋士の有吉道夫さんの報道記事(「ひと:有吉道夫さん 勝ち星を重ねて現役延長の将棋棋士」)内コメントから、考えました。
それは、55年もの現役生活とオーバー1,000勝を果たされたにもかかわらず、今もって「(自分は将棋のコツを)何も分かっていない」とおっしゃる天才棋士の有吉さんに改めて敬意を抱いてのことでした。
ひと:有吉道夫さん 勝ち星を重ねて現役延長の将棋棋士
引退がこれだけ話題になった棋士がいただろうか。
昨年春の順位戦で引退のふちに追い詰められた。相手はこの一戦に昇級をかける上り調子の若手。自身も前日、「明日は葬式だからな」とつぶやいたが、大方の予想を覆す力戦を見せて快勝し、ファンをどよめかせた。昼食にいつもの「きざみうどん」でなく、「カレーうどん」を注文したことまでが「闘志の表れか」と控室をにぎわせた。
温厚篤実な人柄で敬愛を集めた「現役最高齢棋士」。しかし、盤に向かうと表情は一変、全身に闘志をみなぎらせ、盤も割れよと駒をたたき付ける姿は勝負師そのものだ。
今年2月2日の順位戦で敗れ、一度は3月31日での引退が決定。しかし他の棋戦で奮戦して勝ち星を重ね、NHK杯予選では2月23日、最年長記録を塗り替えて5月の本戦進出を決めた。将棋連盟は急きょ規定を変更して「年度末」の引退期日を「最終対局日」に延長した。3月に記録した史上2人目の1000敗は、長年第一線で活躍し続けたことを証明する勲章だ。
5月24日の棋王戦予選で敗退しついに引退したが、なお「将棋はまだまだ奥が深い。(得意とした)矢倉戦法一つとっても、何も分かっていない」と尽きせぬ思いを語り、「将棋というゲームの面白さを、一人でも多くの子どもたちに伝えていきたい」とこれからの役割に目を輝かせる。
火の玉、燃え尽きず。
【澤木政輝】
【略歴】ありよし・みちお。岡山県備前市出身。強い攻めの棋風から「火の玉流」の異名をとる。通算成績は1088勝1002敗。九段。74歳
毎日新聞 2010年6月10日 0時02分
※↓から転載
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20100610k0000m070142000c.html
また、私は、同じく敬愛する天才棋士の羽生善治さんが、かつてテレビ番組(「100年インタビュー」)の中で、本質を等しくする以下のコメントをなさっていたのを思い出しました。
【坪倉善彦アナ】
子供の頃の将棋に対する魅力、それだけ(羽生さんが)引き付けられた魅力は何だったんですか?
【羽生さん】
ひとつは、結果がはっきり出るっていうこと、勝負の面白さっていうのがありますね。
あと、(二つ目は)、将棋はいくらやってもなぜかコツがわからなかったんですよね、そこがすごく面白いと思ったところなんですよね。
【坪倉アナ】
人によってはコツをつかむと好きになるというのがあるんですが、逆ですね。
【羽生さん】
そうですね。
全然わからなかったですね。
いくらやってもわからないというか。
今でもわかっていないんですけど。(笑)
私は、凡人ゆえ、「コツがすぐつかめない」ことを理由に数多の物事の習熟そのものを断念し、「コツが少しつかめた」ことを理由に数多の物事の習熟向上を放棄してきました。
「究極のコツ」を垣間見たり、つかみかけているように感じる瞬間からのみ得られる嬉しさを、予め捨ててきたのです。
ついては、有吉さんの本報道記事に巡り合ったことを契機に、凡人ゆえ限りはあると思いますが、この思考&行動習性を改めたいと思います。
末筆ですが、有吉さんの益々のご発展とご健勝を、この場を借りて祈念したいと思います。(敬礼)
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