2011年05月20日
朝日新聞社主催の第69期将棋名人戦第四局の大盤解説会に参加し、人間力が香一本強くなった気がするの巻
一昨日、私は、挑戦者の森内俊之九段に初戦から三連敗を喫している羽生善治名人を応援しに(笑)、朝日新聞社主催の第69期将棋名人戦第四局の大盤解説会に参加しました。
応援の甲斐あって(笑)、羽生名人は本局を勝ち切り、森内九段に一矢を報われました。
羽生名人を、棋士としてだけでなく、ビジネスマンとして、また、人として敬愛して止まない私は、帰路、大いなる満足と安堵心で愛車のペダルを回しました。(笑)
同時に、私は、棋力は別として(笑)、人間力は香一本強くなった気がしました。
なぜかというと、大盤解説会での鈴木大介八段の解説が非常に論理的かつ抽象的(本質的)で、将棋の「いかに指すか(指すべきだったか)?」に留まらず、人生の「いかに生きるべきか?」を、約三時間もの間、深く考えさせられたからです。
ちなみに、とりわけ考えさせられたのは、以下の旨の解説です。
応援の甲斐あって(笑)、羽生名人は本局を勝ち切り、森内九段に一矢を報われました。
羽生名人を、棋士としてだけでなく、ビジネスマンとして、また、人として敬愛して止まない私は、帰路、大いなる満足と安堵心で愛車のペダルを回しました。(笑)
同時に、私は、棋力は別として(笑)、人間力は香一本強くなった気がしました。
なぜかというと、大盤解説会での鈴木大介八段の解説が非常に論理的かつ抽象的(本質的)で、将棋の「いかに指すか(指すべきだったか)?」に留まらず、人生の「いかに生きるべきか?」を、約三時間もの間、深く考えさせられたからです。
ちなみに、とりわけ考えさせられたのは、以下の旨の解説です。
【1】「相矢倉森下システム(※戦法名)」の功について
これまでの常識だと、ここで先手は▲3七銀と指すのが、先手の手得を活かした普通の手だった。
しかし、「森下システム」は、ここで▲6八角と指す。
これは一手損を覚悟した手で、プロの間で初めて指された時は衝撃的だった。
ただ、「森下システム」の本質は、この手ではなく、「敢えて手損をする」という考え方にある。
「森下システム」のこの考え方は、「相矢倉」に留まらず、「一手損角換わり」など他の戦法にも継承され、今日もしっかり生きている。
【2】切迫局面下での勝負に「これはあり得ない」と先ず直感した手を指す妙について
現在のような、終局間際の切迫した局面では、「これはあり得ない」と先ず感覚的、経験的に直感した手を指した方がいい場合が少なくない。
というのも、プロ棋士は、次の一手を考える時、そうした候補手を早々に除外してしまう(→そして、残った候補手を深読みしていく)からだ。
たしかに、「これはあり得ない」と先ず直感する手は、プロなら大体同じで、実際有効ではない。
しかし、有効ではないのは、相手に正確に対応された時の話だ。
相手も、切迫局面下では、「これはあり得ない」と先ず直感的、経験的に直感する手は、こちらと同様、早々に除外しており、実際に指された時の対応を殆ど読んでいないものだ。
だから、こちらが実際に指すと、慌てたり、間違えるたりするなど、不正確に対応される(→有効な手になる)場合が少なくない。
世の将棋ファンにとって、将棋は趣味(⇔生業)です。
誤解を怖れずに言えば、世の将棋ファンが将棋から得たいのは、将棋にしか通じない専門知識や専門技術ではなく、それらの底流にあり且つ人生にも通じる普遍の真理、つまり、物事の本質や人生の知恵、励みです。
私は大盤解説会に参加するようになって三年で、参加した回数は数えるほどです。
そんな私が不遜かつ失礼を承知して言えば、参加した会の多くは、将棋ヲタによる、将棋にしか通じない専門知識や専門技術の与太話会でした。
妻を一度招きましたが、二度目は「ノーサンキュー」と言われました。(涙)
なので、鈴木八段の論理的かつ抽象的な解説は、本当に有意義で参考になり、感動しました。
感謝しきりです。(礼)
また、私が感動したのは、本件に限りません。
偶然拝見した以下の@67108864さんのツイートと同様、かつてない好印象を抱いたからです。
朝日新聞社の名人戦第4局大盤解説会に行って来ました。鈴木大介八段・本田小百合女流二段の他に、駒操作係として上村亘三段が付き、正確な操作で快適な解説会でした。本田二段の読みがなかなか鋭く、上村三段は矢倉が表芸らしく、鈴木先生に意見を求められるとぴしぴし答え、好感が持てました。
http://twitter.com/67108864/status/70846082036408322
なぜ、この大盤解説会は、将棋ヲタの与太話会にならなかったのか。
それは、鈴木八段が論理的かつ抽象的に解説下さったこと加え、女流棋士と駒操作担当者(奨励会員)が、男性棋士と同様、もしくは、男性棋士に巻けずとも劣らない「主役意識」を持ち、「自分の強みと意思」をフル活用しながら、心身共々積極的に参加下さったから、つまり、「プロ全員参加型」の徹底検討会になったから、のような気がします。
これまで参加した大盤解説会は、男性棋士の独演で、女流棋士は男性棋士の「合いの手」に徹し、駒操作担当者は彼らから言われた通りに黙々と大盤上の駒を動かすだけでした。
内容と品質が男性棋士の資質と技量で決まるため、私のような下手の横好き(笑)からすると、「解説の俎上にも上がらなかったけど、○×という手はあり得ないのか?」とか「○×で先手が良いとのことだけど、何でかな?」とふと思うことがままあり、網羅性や論理性、ひいては納得性に、少なからず不満がありました。
なので、本田小百合女流二段と上村亘奨励会三段(@watarukamimura)の心身両面に渡る積極的な参加は、本当に有意義かつ好印象で、感動しました。
これまた感謝しきりです。(礼)
私は、先述の通り下手の横好きなので(笑)、今後、鈴木八段と本田二段の大盤解説会は、できる限り参加したいと思います。
そして、ご両人の棋士としての活躍と上村三段の四段昇段(プロ入り)は、できる限り応援したいと思います。
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