2012年09月12日

札幌ドーム球場で日本ハムファイターズのホームゲームを観、ファイターズが人気強豪球団になった所以を推断するの巻

先月、私は北海道を訪れました。
余りにも久しぶりだったので、余分に延泊し(笑)、行きそびれていた名所を二箇所訪れました。

一箇所は、札幌ドーム球場です(→もう一箇所は、旭山動物園です)。
目的は二つありました。
一つは、今や押しも押されぬ人気強豪球団の日本ハムファイターズのホームゲームを観ること。
もう一つは、ファイターズが人気強豪球団になった所以を推断すること、でした。

若い方はご存じ無いでしょうが(笑)、今を遡ること約40年前、私が小学生の時分、ファイターズのホームゲームは後楽園球場で行われていました。
当時、ファイターズは人気強豪球団とは程遠く、私は肉屋へお使いに行く度、後楽園球場の招待券を振る舞われていました。
オヤジの私にとって、今日のファイターズの人気強豪球団ぶりは、隔世の感と謎だったのです。(笑)

私が観たのは、8月5日の対楽天イーグルス戦です。
夏休みの日曜のデーゲームかつマー君(田中将大投手)の予告先発も手伝ってか、場内は一塁側も三塁側も外野もお客さまでいっぱいでした(※報道曰く観客動員数は約32千人)。
私は、後楽園球場の時とは比べ物にならないお客さまの入りを目の当たりにし、深い感慨を覚えました。
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試合は、4回にファイターズが3点先行したものの、全体的に打線が低迷し(※結局4安打)、その後マー君は復調するは、8回に追いつかれるは、で10回引き分けに終わりました。
しかし、私が観戦した一塁側内野席とレフト側外野席は、10回の攻撃が終了するまで、絶えずファイターズの応援で賑わっていました。

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球団は、毎回、ファイターズの攻撃の前、以下の様なファンサービスを実施しました。

〔1〕B・Bタイム
マスコットキャラクターのB・B(ブリスキー・ザ・ベアー)が一組のチビッ子と父親に、「野球はやる?」、「ポジションはどこ?」、「(自分と同じように)髪型はモヒカンにしないの?(笑)」等と、スコアボードを使って場内インタビューを行なった。


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〔2〕年間ボックスシートプレゼントの抽選発表

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〔3〕道内女子のチアリーディング※当日の詳細

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〔4〕応援歌の放送「La La La FIGHTERS」※別の日の動画

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La La La FIGHTERS
Sony Music Records Inc.
2013-10-23


たしかに、今時ホームゲームにおいて、ファンサービスは珍しくありません。
しかし、私は、球団がファンへサービスを押し付ける、もとい(笑)、一方的に提供するのではなく、積極的に地元のファンをグラウンドに招き、ファンと直接交流し、ファンとの絆の構築とファン同士の一体感の醸成を促していたことが、強く印象に残りました。
私は、試合終了まで観客席の賑わいが絶えなかった一因に、このファンサービスも挙げたいと思います。

この観客席の不断の賑わいのお陰で、私は、隣席のファイターズ大好きオトーサン(笑)からご縁を授かりました。
オトーサンは、6回表のファイターズのピンチを機に(笑)私へお声がけくださり、以下の旨、ご自分のことやファイターズへの思いをお話しくださいました。

【1】今日は、旭川から日帰りバスでファイターズの応援に来た。
【2】家族総出(→自分&オカーサン&子供夫婦)で来た。
【3】札幌ドーム球場には、こうして毎月来ている。
【4】こうした家族、夫婦は少なくない。
【5】やはり、地元球団を応援するのは楽しい。かつて巨人が年に数回円山球場で試合をしたが、その時とは比べ物にならない。
【6】やはり、選手も、こうして多くのファンから応援されると嬉しいに違いない。また、頑張り甲斐が有るに違いない。
【7】ダルビッシュ(有投手)の試合は何度も観た。体が日本人とは比較できないほど強靭で、(今日の)マー君もいいが、もっといい珠を投げた(笑)。

私は、オトーサンのお話に聞き入りました。(笑)
そして、改めて観客席を見渡し、オトーサンと同様と思しきファイターズ大好き家族&夫婦が少なくないことに気づきました。
札幌ドーム球場は、札幌中心街からだと地下鉄で30分程で行けますが、例えば、オトーサンの場合、旭川からバスだと片道3時間程度かかります。
つまり、オトーサン、及び、オトーサンと同様と思しき多くのご家族とご夫婦は、毎月、一日がかりでファイターズを直接応援なさっているわけです。
私は、「道内観戦バスツアー」の存在は知っていましたが、この事実に驚愕、感心しました。

なぜ、ファイターズは人気強豪球団になったのか。
私は、オトーサンと応援エアバットを笑顔でカンカン鳴らしながら(笑)、以下推断しました。


ファイターズは野球不毛地帯の北海道に舞い降りた天使で、北海道の家族&夫婦は「おらが村の太陽」として愛さざるを得なかった(笑)、と。
そして、ファイターズのホームゲーム観戦は、北海道の家族にとっては屈指かつ稀少の道民的(>国民的)娯楽に、また、夫婦にとっては至福かつ有り難いデート(笑)に、それぞれ成らざるを得なかった、と。
だから、勝利がファンサービスの最たるである以上、ファイターズの選手は、持てる野球人資質を十二分に開花し、チームプレーに励むほか無かった、即ち、ファイターズは強豪球団に成らざるを得なかった、と。
つまり、ファイターズが人気強豪球団になったのは、「球団の北海道移転の決断」と「北海道のオトーサン、オカーサン、チビッ子と『おらが町の選手』が織り成した不可逆的相思相愛」の奇跡なのだ、と。

私のこの推断を、帰路、「球団の北海道移転の決断と不弛緩」と「北海道のオトーサン、オカーサン、チビッ子と『おらが町の選手』が織り成した不可逆的相思相愛」の奇跡、とアップデート(笑)しました。
というのも、帰路、偶然千歳空港行きのリムジンバスの中である光景を目にし、球団の北海道移転の決断が依然緩まず、足が地に着いているのを思い知ったからです。

札幌中心地を発って20、30分位経った頃でしょうか、バスは賑やかな国道に出ました。
すると、見覚えのある「頂点を目指せ!ファイターズ!」と書かれた陣旗(のぼり)が、以下の様に(※以下のgoogle mapの画像の陣旗は旧版)、道路の両側ではためき始めました。


大きな地図で見る


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陣旗は、バスが進行するにつれ、益々増えていきました。
普通、陣旗がこれだけ長い距離、大量に立てられていると、薄汚れていたり、端が切れていたりするモノが少なくないのですが、私には見つけられませんでした。
その代わり、やがて見覚えのある駅を見つけました。
札幌ドーム球場へ行くのに利用した、地下鉄福住駅です。
そうです、この国道は、札幌ドーム球場に繋がる国道だったのです。
球団は、この国道をファイターズロード化(笑)していたのです。

なぜ、球団は、この国道(36号)をファイターズロード化したのか。
主眼は、賑やかしと観戦客のおもてなしでしょう。
球団は、球場に直結するこの国道にファイターズのお膝元感や聖地感を視覚的かつ積極的に付加することで、地域住民には潤いと誇りを、また、オトーサンのような遠方からのファンには聖地巡礼感(笑)とワクワク感を、それぞれ一層与えたいのでしょう。
そして、オトーサンは、いつもバスの車窓から陣旗のはためきが目に入るや否や、「もうすぐドーム!」と感極まっておられるのでしょう。(笑)

しかし、一番の目的は、国道沿いの地域住民、即ち、地元中の地元の家族や夫婦、はたまた、企業人との不断の触れ合いではないでしょうか。
球団は、敢えて家や会社(店)の前に陣旗を立てる許可を求めたり、陣旗の手入れや入れ替えをすることで、日々本拠地移転を決断した気持ちを忘れず、彼らと直接触れ合い、顔の見える絆を構築、強化したいのではないでしょうか。
プロ野球の人気強豪球団は、正に「一日にして成らず」かつ「おごれる者は久しからず」であり、いつまでも足が地に着いた内助の功が欠かせないに違いありません。



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