2013年07月09日

「Google Enterprise Career Fair 2013 Summer」に参加し、キャリア採用にも「マーケティング」を取り入れる意義を再認識するの巻

先週、私は、昨年Google Appsのセミナーでご縁を授かったGoogleの杉水流智之さんお招きいただき、「Google Enterprise Career Fair 2013 Summer」なるGoogleのキャリア採用イベントに参加しました。

Google エンタープライズ部門では、企業向けコラボレーション基盤(Google Apps)、地理空間ソリューション、検索アプライアンス、クラウド等のサービスをお客様に提供しております。

この数年で当部門の事業は急成長をしており、今後見込まれる組織の拡大を見越して、将来私達と一緒に働いていただける優秀な仲間を求めております。

「Google で働いてみたい」という方はもちろんのこと、「Google Enterprise ビジネスについて興味がある」という方、「同じ業界で働く仲間として情報交換したい」という方、「クラウドビジネスの業界を一緒に盛り上げてゆきたい」と いう方など幅広い方を対象に、「Google Enterprise Career Fair 2013 Summer」を7月1日(月)に開催致します。Googleや、Google エンタープライズのご紹介とともに、ネットワーキングのお時間も設けておりますので、様々な意見交換ができればと存じます。

ご多忙かとは存じますが、この機会に是非多くの皆様にご参加いただき、Google エンタープライズをご体験いただければ幸いです。

詳細は以下のとおりとなります。

【日時】 2013年7月1日(月) 19〜21時
【場所】 Google Japan office (六本木ヒルズ森タワー 30F) 
【アジェンダ(予定)】
 19:00 - 19:05:オープニング
 19:05 - 19:15:Google の目指す働きがいのある職場とは
 19:15 - 19:25:Google の企業文化
 19:25 - 19:40:Google エンタープライズのご紹介
 19:40 - 19:55:Google エンタープライズで働く1年目社員
 19:55 - 20:00:質疑応答
 20:00 - 21:00:ネットワーキング

※↓から転載
https://plus.google.com/u/0/events/cjaq4dddj1sdcjrqgpcn0dbmgd0

たしかに、私は、GoogleGoogle Appsのヘタれユーザーですが、一応企業経営者です。(笑)
そんな私は、そもそもなぜ、Googleのキャリア採用イベントへの参加を決心したのでしょう。(笑)
理由は、以下の三つです。

【1】面白そうだったから。
〔1〕キャリア採用イベントにも関わらず、ユーザー(潜在&顕在顧客)や同業者(業界関係者)など、非転職希望者も含めていたから。
〔2〕キャリア採用イベントにも関わらず、1時間もネットワーキングの時間も用意するなど、リアルの対話(オープン&双方向なコミュニケーション)を企図、重視していたから。

【2】良くも悪くも「顔が見えない」&「人間味を感じない」Googleの企業文化、採用プロセス、実態(笑)に興味があったから。

【3】Googleの杉水流さんと再会、歓談したかったから。(笑)


中でも一番の理由は【1】で、本事項には感心しました。
なぜなら、本イベントは正に「マーケティング」だからです。

「マーケティング」とは、成果を高確率かつ持続的に創出する仕組み(循環型ビジネスプロセス)のことです。
ぶっちゃけて例えれば(笑)、「1億円 /月の営業利益を上げる」という成果を、営業部長が毎日営業マンを叱咤し、ホット客の発見に東奔西走させ、発見したホット客に忽ち見積書で詰め寄らせる (→結果、該当成果の達成が不確実かつ非持続的になる)のは、「マーケティング」ではなく「セールス」(→もっと言えば「焼畑セールス」)。
それに対し、マーケティング部長がSNSやPRを有効&定例活用し、ホット客だけでなく、将来的見込客の情報を絶えず収集&管理し、ホット度の高い順に、営業部長経由で営業マンに個別対応してもらうのは、「マーケティング」である、ということです。

言うまでも無く、企業の命題は「生き残ること」です。
よって、企業は、この「マーケティング」を取り入れ、成果を高確率かつ持続的に創出するべきであり、これは、例示の営業に限らず、キャリア採用においても当てはまります。
不定期にホット転職希望者(?・笑)ばかり誘引し、自社との「見合い結婚」(笑)を一方的に企図、進捗するのではなく、定期的に将来的転職希望者を誘引し、 「恋愛結婚」を双方向的に模索、進捗する方が、「ハッピーウェディング」の総件数が増えるのは勿論、「成田離婚」(笑)を大幅に回避できます。
Googleが企画した本イベントは、「マーケティング」を取り入れたキャリア採用の初回プロセスとして順当かつ面白い試みに違いありません。

とはいえ、キャリア採用に「マーケティング」を取り入れている企業は、私の知る限りでは殆どありません。
なぜでしょう。
そして、それでもなぜ、Googleはキャリア採用に「マーケティング」を取り入れているのでしょう。
私は、とりわけこの問題意識を胸に(笑)、本イベントに参加しました。
先ず、「なぜ、Googleはキャリア採用に『マーケティング』を取り入れているのか」。
私は、先述の通り、「ハッピーウェディング」の増加と「成田離婚」の低減を企図してのことと予想していましたが、まんざら的外れではなかった様です。
私は、早々にテーブルで同席した社員のOさんと、後に再会した杉水流さんから、以下の旨お墨付きを頂戴しました。(笑)

「本イベントは2回目だ。
キャリア採用は、ヘッドハンティング会社経由で一気呵成に行なうより、こうして時間をかけて裾野を広げ、お互いを五感で理解し合う方が、Googleも転職希望者もハッピーになり易く、また、アンハッピーになり難い、と考えている」。

たしかに、Googleの数年来のグローバル成長は、目覚しいものがありました。
それゆえ、
Google日本法人は、人材確保を急ぐ余り、Googleのビジョンや価値観にそぐわないホット転職者と少なからず「見合い結婚」をしてしまったのでしょう。
そして、「ハッピーウェディング」の減少と「成田離婚」の増加に、ひいては、顧客満足と社員満足の双方の伸び悩みに、直面したのでしょう。
(実際、私が数年来ご縁を授かったGoogleの社員さんの内、過半はMAILER-DAEMONです。涙)

そこで、Google日本法人は、多様な優秀人材を高確率かつ持続的に採用、雇用すべく、キャリア採用に「マーケティング」を取り入れ、本イベントを企画、実施したのでしょう。
本イベントは紹介制で、一次スクリーニングの効果もあります。
本イベントが、自他共に有望将来的転職希望者を誘引し、彼らと「恋愛結婚」をする足掛かりになれば、直面した問題は解決に向かうに違いなく、また、彼らに高く満足してもらえれば、彼らのホンネによる「良質かつ適切なクチコミ&紹介(斡旋)」も期待できるに違いありません(し、実際、私はこうしてそうしています。笑)。

翻って、「なぜ、企業の多くは、キャリア採用に『マーケティング』を取り入れないのか」。
私は、様々なGoogleの社員さんのお話を拝聴し、主因を以下の六事項と考えました。

<1>経営者、及び、トップマネジメントに「マーケティング」の発想が無いから。
→要するに、そもそも「マーケティング」を知らず、「必要になったら募集すればいいし、辞めたらまた募集すればいい」くらいにしか考えていないから、ということです。

<2>経営者、及び、トップマネジメントの学習能力が低いから。
→要するに、これまでの不確実かつ不安定な採用実績と定着率の原因分析と解決行動の実行力が低い、ということです。

<3>「お題目でない」中長期経営計画が作成、開示されていないから。
→要するに、成果とその達成時期が合理的に社内共有されておらず、必要な人材の要件と数が曖昧模糊としている、ということです。

<4>経営者、及び、トップマネジメントが「企業は人なり」と心底には思っていないから。
→ 要するに、「企業の成長は『不断の変化とイノベーション』にかかっており、その為『いかに有効に事前投資するか』、更には『いかに多様な優秀人材を 採用するか』が最重要課題だ」と認識していないことに加え、最悪、「商品を売ってやる」と顧客を軽んじているのと同様、「ウチで雇ってやる」と転職希望者を軽んじている、ということです。

<5>経営者、及び、トップマネジメントがビジョンの達成と成長に貪欲でないから。

要するに、「企業の生存と存在意義は『ビジョンの達成と不断の成長』にかかっている、と考えていない(がゆえに<4>でもある)、ということです。

<6>キャッシュフローが悪いから。
→要するに、絶えずカネが無く、目先を凌ぐ以上の思考と行動ができない(=「貧すれば鈍する」)、ということです。


ちなみに、ビールを片手にしてまで(笑)拝聴したGoogleの社員さんのお話の内、以下はとりわけ印象に残りました。
やはり、新しい価値と成果を持続的に創出している成長企業には、相応の社員とワケが存在しているに違いありません。

「覚える仕事ではなく、考える仕事がしたかった。
だから、私は今、googleで働いている」。

「以前勤めていた会社の様に、会社から目標を一方的に与えられ、達成するよう追い込まれることはない。
『自分が考え、コミットした目標、あるべき状態(to be)と現状のかい離を、自分がどうブレークスルーするか』。
これを絶えず自分の頭で考え、自分の責任で実行させてもらえるし、そう求められる」。

「会社に晩御飯があると、皆、帰社し、顔を合わせてミーティングする(笑)」。

「フードチーム(※社内食堂の運営部門)にも、『社員の平均寿命を2年伸ばす』という明確な目標が在る。
そして、彼らはよく、利用者である自分たちに親身に色々話しかけてくるし、自分も感想やリクエストなど色々話しかける」。



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